裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

14日

木曜日

まぐわったことは大嫌いだ

要するにEDなんじゃないの?

朝9時起床。朝食は9時半。それまでに入浴。雨、かなり強く降る。
K子は10時ころ帰ってきた。

日記つけ、雑用いろいろ連絡いろいろ。
ミラーマン植草センセイの痴漢再犯事件、これ自体は病気だからもうどうにもコメントつけようもないがこの人は陰陽道に凝っていて、経済界の安倍晴明、などと言われていたようだ。
「小泉政権は陰を極めるほどひどい政策をしたので陽に転じた」
などと講演会でも言っていたそうである。
自分の運命も陰を極めることで陽に転じさせようとしたのだろうか。

3時、直接“時間割”へ。洋泉社『オトナアニメ』取材。途中の路上で『こだわり人物伝』のFさんに声をかけられる。いま、第三回と四回の音入れ中だそうである。打ち上げのことも話す。

時間割のは『超人戦隊バラタック』のことを語れという仕事。仕事というよりダベりですね、これは。インタビュアーがオタク大賞で顔なじみのマイミクの多根さんだし。アニオタが昔話をする、というノリで一時間。“隠居アニメ”という概念を提唱。まあ、笑ってくれた。
それから事務所へ戻って写真撮影、これもすぐ済む。バラタックは現在ソフト化の企画があるらしく、解説ならまかせてください、と伝えてくれるように言っておく。

そのまま仕事場で雑用。
NHK『お宝テレビ』からまた出演依頼、ただしその日は公演のため地方へ夕方から出ないといけない。11時ころからの収録としてもらう。とにかく予定というのは“つく”。アクロバット的にスケジュールを算段すればなんとかできるとなると、なんとかしたくなるのが人情で、その結果、凄まじい神風タレント的スケジュールとなる。

5時東武ホテルへ。マイミク江戸栖方さん。“東京大学大学院情報学環コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム”という長い名前のプログラムの一環として江戸さんが持つコンテンツ史の講座の中で、私や本田透氏を読んでオタク史講義をさせるというもの。
私は昭和20年代〜30年代出版史を講義することになっているが、まあ、これは全般を見通すと凄まじく広範なところをカバーせねばならなくなってとても私などの手の及ぶ範囲ではない。“カストリ雑誌”“少女小説”“貸本漫画”という三点に絞ってその概略を話すことにする。
10月の27日予定。

気圧のせいもあり、全身倦怠。原稿〆切もあるが、そのままタントン。揉まれて痛い痛い。先生曰く
「さほど凝ってはいないんですが、部分々々で凄まじい凝りがあるんで痛むんですね」
とのこと。

事務所に帰る。電話多々。立川談笑『超落語!』見本刷りが届いている。私の名前が大きすぎないか、心配になる。ざっと読むがこれだけの本がよくまあ、これだけの期間で出来たねえと思う。K田くんの、『社会派くん』で鍛えたテープ起しと構成力のたまものだろう。私のまあ、えらそうなこと。オノから、談笑さんについてちょっと驚く報告。それは、おめでたい!しかし、いろんなことが一度に身の回りに起こる男だなあ。人のことは言えないが。

8時、タクシーで西新宿、飛鳥ホテル。川瀬有希子さんのお誘いで、このホテルのハニー・バーという店から送っているネットラジオ『ひでにぃの女だらけのハニーなラジオ』出演。ここのサイトのゲスト紹介欄に
「最近では劇団『うわの空・藤志郎一座』に役者としても出演」
とか書かれていたので、オノが昼間、あわてて訂正してもらっていた。川瀬さんがパーソナリティだとばかり思っていたら、彼女は構成作家兼ディレクターみたいなことをやっていた。私は20分ほどのゲストコーナー出演。気楽にしゃべって、エロネタも交えて、まずまず楽しかった。途中で日テレのカメラが入ったのには驚いたが。このラジオがmixiでやっているものらしく、今日のmixi上場にからめてのものだったらしい。

出演していた要ゆうじさんが『星を喰った男』を持ってきて、サイン
求められた。須田泰成さんと今度本を出すのだとか。世間はホントにせまい。

終ってホテルを出て、オノとさてどこでメシ食って帰ろうかと考える。場所的には幸永に近いが昨日も焼き肉であった。下北沢で月市に行こう、とタクシー飛ばす。
「前にここで橋沢さん入れて三人へべれけで食ったねえ」
「今日はあのハゲいませんからおしゃれですね」
とオノと話していたまさにその瞬間、オノの携帯にハッシーから電話! “いま渋谷なんだけど、飲みませんか”の誘い。二人であまりの西手新九郎ぶりに驚倒。そもそも、今日のネットラジオも、あぁルナの打上げのときに誘われての出演なのである。
http://www.excite.co.jp/News/odd/00081157515524.html
こんなことが続けばテレホンテレパシー↑を信じちゃうぞ。

さっそく駆けつけた橋沢さんと、三人で飲み。芝居の話、テレビの話、例によっての人物月旦などで盛り上がりつつ、トリッパ、砂ギモのエスカルゴ風、イカ墨サラダなど。アゲマンとアゲチンの区別はどうつけるか、など人生における重要な問題についても。ワイン三本あけて、料理も幾皿もとって、ああ、これは今日は高くつくな、と思い、レシートを高目方向に読み間違える。これでこの値段は安いよ!

ふと気がつくとカバンがない。タクシーかと思いレシートを便りに電話させるがわからず。誰かが間違えて持っていったか? 金目のものは何ひとつないが、かなりレアな古雑誌(原稿に使おうと思って)が入っていたのである。あれはイタい。酒のせいではなく気圧のせいだろう。タクシー相乗り、帰宅2時。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa