裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

18日

月曜日

リチャード・クー虫も好きずき

あんな野村総研よりの経済学者にもファンはいる。

朝、窓際で雨樋を雨の流れる音が盛大にするので憂鬱になるが、起きてみたら曇なれど雨はなし。あの音は何だったのか。上の階の部屋の下水の音か?

入浴などの後、9時朝食。スープとスイカ。母が白髪とシミを治したというヒミツの方法のモルモット。
mixiニュース見て回る。例の法王発言に怒ったイスラム原理主義勢力がソマリアでイタリア人の修道女とその護衛を射殺したとのこと。さすがに、この事件に関してはこのイスラム原理主義団体を非難するコメントが多かった。それまでは法王発言を一方的に非難する発言が多く、日本人のイスラムびいき、というかバチカン嫌いにひょっとしてこれは『ダ・ビンチ・コード』の影響か、と呆れていたのである。お忘れかも知れないが、イスラム原理主義者にわれわれ日本人は自国内で、サルマン・ラシュディの『悪魔の詩』の翻訳者(筑波大助教授の五十嵐一氏)を殺害されているのである。それでなお、原理主義の肩を持つメンタリティがわからない。もちろん、そういう連中と全イスラムをいっしょくたにしたような発言をした法王もバカとは思うが。

日記つける。日曜日はなにほどのこともしていないのですぐつけられると思って書いていたら、書き上げてもう2時過ぎ。ギョッとする。休日の時間は3倍速で過ぎる。弁当を使う。牛肉とセロリ炒め。マイタケとミョウガの味噌汁で。

食べながら『アンドロメダ…』DVDの特典とパッケージに大書してある、ロバート・ワイズ監督の解説によるメイキングとマイクル・クライトン(最近はマイケル表記が多いようだがことSFに関して早川原理主義者の私としてはあくまでマイクル表記)のインタビューを見ようとしたが、呆れることにこの特典には字幕がついていない。安く作ってあるなあと呆れる。

4時、新宿に出て京王デパートをちょっとぶらつく。京王はあまり入ったことがない。8階がレストラン部分以外全フロアが健康食品・健康グッズ及び自然食品売り場になっていて驚く。薬局で薬を買ったが高いのに驚く。思えば医薬品に関しては実家では社員値段で買ったりサンプル品をただで貰ったりしていたので、こと物価に関して、クスリのそれは免疫がついていない。

地下食料品売り場で今夜の酒のアテを買い、帰宅。仕事、モウラ原稿をやる。どうも筆が進まない。素材(ネタ)はいいのだが。書きながら、日テレで『総理大臣小泉純一郎 歴史に残る2000日』を見る。岩城滉一の小泉首相は以前にもテレビドラマで演じたことのある“持ち役”だが、竜雷太の亀井静香、田中真紀子の朝加真由美、森喜朗の綿引勝彦、武部勤の黒部進など、一癖ある役者陣の、なりきりの演技が見物。ことに竜雷太の亀井静香は首のふり方や口調まで本物そっくりの怪演。朝加真由美はあまり(というか全然)似てなかったが、あれはわざとか。平沢勝栄役で浜田光夫が出ていたのに驚いた。しかもそう言われなければまるでわからない。そう言えばウルトラマン(黒部)とアイアンキング(浜田)の共演番組だったのか。朝加真由美は『ウルトラマンタロウ』のヒロインだし。

純粋に映画『小説・吉田学校』のような政治ドラマにすればよかったのに、変に後半を総裁候補を並べた公開番組にしたり、自社宣伝めいた日テレ報道部のドラマを入れたり(大友康平とか大塚寧々とかのテレビドラマ風演技の方がオーバーアクトだらけの政治家役の俳優たちの演技よりわざとくさい)していたので腰砕け。

原稿、遅々としながら書き、書き上げたのがなんと11時45分。K子に送り、ふうと息をついて、晩酌用意。京王地下で950円で売っていた、鯛の塩釜で酒。小鯛を、卵白で溶いた塩で塗り固めてオーブンで焼いて蒸し焼きにしたものだが、なかなか食える。ワサビで食うとビールにも日本酒にもあってよろし。

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