裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

13日

水曜日

嫌だい真司

嫌だい嫌だい、頭のいいボクの言うこと信じてくれなきゃ嫌だい。

朝7時半起床。雨である。体調悪化を防ぐため、入浴、湯を熱めにして目をつぶってつかり、ひたすら体温を上げる。そうすると今度は発汗淋漓でまた往生するのだが。9時朝食、青豆スープ、スイカ、梨。

スパムメールの数が最近ハンパじゃなくなってきた。毎朝100通近くを消去する。スパムチェックソフトを使ってみようかとも思うが、使っている人の話を聞くたびに
「必要なメールまで間違って削除されてしまった」
という体験談があるので怖くて使えない。談之助さんのところはなぜか
「立川流からのメールをスパムと判断して削除された」
そうだ。
「まあ、判断としちゃ正しいのかもしれないが……」
とも苦笑まじりに言ってたが。

日記はすぐ書き上がるが気圧の乱れでダジャレが思い浮かばず七転八倒。こういう影響もあるのである。“デブノート(名前を記されると体重が激増する)”というのを考えてググってみたら3万件以上出てきてゲンナリ。

弁当(豚の煮物)、カニ出汁味噌汁の残りと使う。食欲もわかず。原稿催促電話、ミリオンと講談社からあるも対応できず。ミリオンの書き下ろし本ネタ出し、6本やらねばならないのだが3本しきゃ出来ず。

出社。レオパレスのPR誌からインタビュー依頼。バーバラがぜひ同席させてくれという。昔ここの入社試験に落ちた経験があるから、だとか。今日は文サバ塾二回目。レジュメと言っても毎回、どこへ話が飛ぶかわからないのだが、このあいだ見つけた、ニューエイジオカルト系の大変イタい人のサイトにあった、その彼が正攻法で自分の小説を出版しようと持ち込みなどを初めてことごとく失敗(“しかし結果にはつながりませんでした”というフレーズが7、8回出てくる)、あきらめかけた頃知り合った同じくちょっとイタい人のサジェスチョンで、思いもかけない方法で見事、講談社からの(!)出版にこぎつけるという顛末を資料としてプリントアウトする。今後の、出版企画持ち込みの大きな参考になる。

雨の中(第一回も雨だった)、渋谷ネクサスへ。受講者で今回申込んでいながらキャンセルした人がいて、その理由が
「原稿料振り込みが遅れたので受講料が払えないので……」
というものだったそうだ。涙。そういう人には特別に後払いを許可してあげたい。そのための文サバ(文筆業サバイバル)塾である。

今回は、一応テーマとしては『出版業界の現状』なのだが、やれ去年の書籍発行点数が何点、返本率何割、なんてデータを出しても意味がない。実効性のある話を、と、実体験にさらに上記の資料を重ねて話す。受講者の受講態度が非常に真剣で、こちらも話していて力が入り、2時間、びっちりと(本当は撤収時間を読んで1時間45分くらいの予定だったのだが)語ってしまった。質問も多々。気持ちがいい。

終って、今日は懇親会ナシにして、オノ、バーバラと反省会。東京ホルモンに行く。今後の打ち合わせ。話は雑談に流れて、いろいろと人物月旦。例の男の日記に、私への露骨なあてこすりが書かれていたがそれがいつの間にか削除されていた由。あてこすりなり批判なりやりたいと思えば堂々とやればよろしい(堂々としたあてこすりというのも難しいだろうが)。変にコソコソ削除するなど、自ら小人物であることを露呈しているようなものである。

ビール、マッコリ、真露キュウリ割りというオーソドックスなへべれけコース。ニンニクのホイル焼きをばくばく食べながら
「ニンニクの匂いをぷんぷんさせて帰ったらK子先生文句言いませんか」
「怒って“私、仕事場で寝る!”とか言って出ていってしまうかもな」
とか会話。12時半に店を出てタクシーで帰宅。K子とたまたま帰りが一緒になる。先にベッドに入っていたら、寝室に入ってくるなりK子、
「何、このニンニクの臭い!」
と叫び、
「私、仕事場で寝る!」
と言って、出ていってしまった。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa