2日
土曜日
キムがイルから
大木金太郎少年の事件簿。朝7時45分起床。ジョークをテーマにしたトークライブがまったく受けずに冷汗をかく、という夢を見る。朝食、チーズトーストにコンソメスープ。小泉内閣支持率がいきなり30パーセントに急落というニュース。これは田中真紀子人気というより、外務官僚不人気のせいではないかと思うが、それにしても大衆というものの恐さよ。いま、ここで革命を起こせば、真紀子サンは天下をとれる。よくマスコミは大衆的人気のある政治家の悪口を言うが、大衆的人気が力をふるえるのは民主主義が順調に機能している証拠に他ならない。民主主義国家なくしては煽動政治家は生まれ出ない、とフェニモア・クーパーも言っている。民主政治民主政治と繰り返す人々はそのことを認識しているのか? ヒトラーを生んだのは民主主義なのである。皮肉を言えば、日本が本当に民主主義国家であるかどうかは、日本がヒトラーを果して生めるか、で証明できるとも言えるのである。
鶴岡から電話、しばし話す。次の彼のロフトのライブのために考えたという、私の悪口を聞いてゲラゲラ笑う。ロフトと言えば、そこのサイトの3日の告知に“※御師匠の御用時がある際は欠席される場合もございますので御了承下さい”という日本語ぽくない注意書き。こりゃ何かね。古典芸能のヒトを呼ぶ、というので、若い人が妙に固くなって丁寧文を書いてコンガラかってしまったものであろう。
ゴミ出しにマンション地下のゴミ置き場に行ったら、本をまとめて紙袋に入れてゴソッと出しているのがあった。こういうところはツイ、のぞいてしまうのが古本好きの習性。ほとんどがコンピューター関連書籍だったが、岩波文庫、文春文庫がかなりの量、あった。しかも美本である。岩波版の『北越雪譜』など、数冊いただく。
午前中はなんやかんやでつぶれる。昼は六本木に出て、定食屋で煮カツ定食。御飯はコシヒカリということでうまかったが、煮カツが甘くて甘くて閉口した。まるで砂糖煮である。書店で、SFマガジン2月号の友成純一氏のコラムを見る。『GMK』のラストあたりの描写で、ちょっと記憶違いがあるような気がする(私もよく覚えていないのだが)ので、3月号の投書はそのことを言っているのかな、とも思うが、よくわからん。雑誌を数冊買う。
帰宅して原稿書き。4時半にまた家を出て、サウナ&マッサージ。新宿はえらい混み様で、サウナもギュウ詰め状態。ここは空いているから利用していたのに。ただしマッサージの新しい先生は力が強くて結構である。その先生をして“こんなカタマッタ肩の人は珍しい”と言われる。休息室のテレビでCNNが流れていたが、おやデニス・ホッパーがインタビューされているな、新作映画公開かな、と思って見たらジュリアーニNY市長であった。似ているなあ。
そこから下北沢へ向かう。レトコレ下北沢を三十分ほど物色。日光写真機とタネ紙を2000円で買う。階下の『虎の子』でK子と待ち合わせ、株式会社のことでいろいろ話す。どんどん彼女一人でいろんなことを決めていって、私はトリノコサレである。何か、最初の数カ月は金に困るような気がする。虎の子の料理、今日は鰆のガーリック焼きが、鰆でなくサゴシである。鰆の若魚のことだそうである。サワラそのものが淡白な魚で、それをさらに淡白にしたような味。酒は酔鯨と黒龍。酔って帰って日光写真を店に忘れてきた。