寺に薬局がないこと。朝７時起き、朝食はＫ子のところに来た御中元のチーズソーセージ。やっと朝、お涙少女マンガ解説書き上げる。７枚半。この日記を読んでこな いだ開田さん曰く
「カラサワさんはゼンマイで動いているように、夕方になるとホドけてますねえ」
　うーむその通りで、これは体質か、それとも生活リズムをそのように設定しているからか。単に暑いから、という話もある。新聞で曙の優勝記事を読む。私は基本的にああいう怪物的な容貌の格闘家というのが好きなので、彼の優勝はうれしい。

　沖縄の木六さんから電話。昨日の白黒番組フィルムのことで話が盛り上がる。現在沖縄、サミットですさまじい厳戒体制とのこと。その状況の現地発信情報がいかにも生々しい。１時、鶴岡、エンターブレインＮくん、早稲田のＹくんと三人来。対談三回目。今日はエロ、映画、マンガなど個別のジャンルについていろいろ話す。Ｙくんに対する鶴岡の口調がすっかり教諭のそれであることに苦笑。カンバンが人を作る。対談、二時間ちょっと。話す内容はトリトメがないが、トリトメを最初につけてしまおうとすると、論議がまるで延びなくなる。少なくとも、対談とか討論は最初にククリを問題にしちゃあいけねえよな。４時、揃って出て、昼飯食ってなかったので、パルコの近くに新しく出来た中華屋でみんなでメシ。酢豚とライス。案外うまかった。帰宅、ネジほどけて寝転がって本を読む。

　ワイドショーを見たら、例の母親による娘毒殺未遂事件、影に男の顔がチラつくということで、報道陣、一斉に安堵の様子。とにかく、母性とか親子の情とかいうものを否定されるような事件は人々に凄まじい不安を抱かせるらしい。で、男がその裏にと聞くと、アア、ソレジャ仕方ガナイとみんな納得し、いまだ人倫の基本は安泰、と思うようだ。

　８時、渋谷駅でＫ子と待合せ、青山一丁目炭火炙り焼き『くわい屋』。クワイヤ・ボーイズから来た店名かと思ったが、慈姑にちなんだ名であるとか。メニューにやたら“こだわりの○○”と繰り返されており、こういう店であまり当たったことなく、期待しないでいたが、まあ、“期待しなかっただけのことはある”味。とはいえ、落胆するほどのことでもないというレベルか。生ビール数杯。これでは酔いが中途半端であり、焼酎などで、夜眠れるだけの酔いの度合に調整するのが難しい。

　帰って少しメール整理など。８月４日のカルト寄席、案内では二階広間となっているけれど、実際は一階での開催。二階は家族の住まいになっているそうな。一応、訂正。それにしてもＳＦ大会、ついに藤倉珊氏をゲストに呼ばなかったそうだし、山本会長に“トンデモ本の企画に出ていただけますか”などというマヌケな問い合わせがあったげにも聞く。大丈夫か、ホンマに。就寝前、ネットのぞき。ほんやら堂掲示板で伊藤くんが私の名前に過剰反応（笑）。しかし、この発言がなければ私も本当に樋口氏の発言に（喜んで、だが）過剰反応していたかも知れず。一日待てないかなあ、この馬鹿くんは。トイレ読書にと選んだ東京堂出版『日本怪僧奇僧事典』、オモシロイのでそのままベッドまで持ち込む。囲碁の才能で信長、秀吉、家康の三覇者に取り入った（明智光秀に勝つための信長のインチキにまで荷担した）初代本因坊算砂日海の処世名人的世俗通俗的一生に、妙に人間くさい面白さを感じる。