1日
土曜日
ジャイアンと馬場
のび太と猪木。朝7時半起き。朝から暑いこと。朝食、牛肉のスープとパン、スイカ。メールが膨大な数(と、いうのは大げさ)来ていて、その返事などに午前中、忙殺。出版関係、またぞろあちこちで不穏な動きがあるようである。
同人誌原稿も書かねばならぬ。と学会と官能倶楽部、平行して書き出す。昼は道玄坂の牛たん屋ねぎし。帰りに東急プラザ内の紀伊国屋書店に寄り、日本語文法関係の本を数冊、立ち読みするがまるで歯が立たない。こないだ講談社学術文庫の『日本語はどういう言語か』(三浦つとむ)を読んで、日本語文法における現実的時間推移と観念的時間推移表現との関係論などをちょっと面白く思ったので、文法をいっぺん、徹底して勉強しなおそうと思ったのだが。とりあえず、大学受験用の文法参考書で一番“読物としての”程度が高そうな小西甚一『古文研究法』(洛陽社)を買い、喫茶店に入ってパラパラ。名著と言われるだけあってさすがにぐいぐい読ます。昭和三十年初版の本だから、前書きに“私たちは、大学で高い学問をしてゆけるだけの頭があるかどうかを試すため問題を出すのであって、低能児のテストをやるのではない”とか、“(日本語は日本人であるかぎり)だいたいは理解できる。ばかでない限りは”などという表現満載で、思わず失笑する。こういうところでばかり面白がっていてはイケナイ。
帰宅して、原稿続き。と学会会誌原稿、めんどくさい引用をのぞいてほぼ完成。幻冬舎から『古本マニア雑学ノート』の解説をお願いした、坪内裕三氏の原稿がFAXされる。氏が私の文章のごく初期から読んでくれていたことを知って驚く。それより百目鬼恭三郎からロボット三等兵まで、よくまあこう趣味がシンクロするものだ。
と学会パティオにて、山本会長から指摘。『トンデモ本の逆襲』に私が書いた佐藤有文氏の作品へのツッコミの中で、“風を起こす悪魔でフーカロール”“団体で出てくるからダンタリアン”といった妖怪の命名をいいかげん、と書いたことについて、最近会長が調べたら中世の魔道書『ゲーティア』の中にある悪魔の72将のリストに“フォーカロール”“ダンタリオン”というのがちゃんとあるそうで、しかもフォーカロールは“風と波を支配する”悪魔、ダンタリオンは“多数の男女の顔を持つ姿で出現する”とあり、まず元ネタであることは間違いないとのこと。聞いてみなくてはわからない。いわれない悪口を書いたことに対し、佐藤有文氏にはここで心底よりお詫び申し上げる。・・・・・・とはいえ、佐藤氏が妖怪図鑑の中で、このダンタリアンの図版として挙げていたのはインドの多面夜叉だし、せっかく正しいことを書いてあってもこの人、我からにそれをアヤシゲにしている(あ、間違いと言えば会長の著作の書名を『トンデモノストラダムスの後始末』と誤記していた。正しくは『トンデモ大予言の後始末』)。
夜8時半、新宿ロフトプラスワン。ロフト歌舞伎町移転3周年記念イベントで、私はサエキけんぞう氏と最多プロデューサー対談。楽屋で二村ヒトシ氏、造形師の杉本末男氏、藤谷文子ちゃんなどと挨拶。サエキ氏は遅れてきたが対談には間に合う。話はウケていたが、まあ、カミあったんだかあわなかったんだか。サエキ氏、UFOには興味があって、と学会の本や志水氏の本は全部読んでいるとか。“清田くんをどう思います?”とか“並木伸一郎さんてマジなんですか?”“コンノケンイチは?”などと、楽屋で矢継ぎ早に質問された。帰り、出演料として福沢さん一枚、手渡されたのにビックリ。ロフトもえらくなったなあ。
K子待たせていたすし処すがわらに10時半。K子、案外機嫌よさげだったのにひと安心(俺も情けないね)。白身、甘エビ、ウニ、アナゴなど。日本酒ロックで四杯 くらい。