11日
火曜日
永昌源の小さな家
ローラ、杏露酒を飲むかい? 朝7時起き。朝食、キノコとソーセージ煮。日記つけて、それからフィギュア王11枚。脳にカンナをかけるような感じ。暑さと湿気がもう、気力をトロかし、今日はモウ無理だあ、と放擲。出来ないときはムリしないこ とだ(と、自分に言い聞かせ)。
ゼロコン便乗企画『カルト寄席』、詳細決定。あとでイベント欄にも告知するけど もし予約希望者がいたらCXP02120@nifty.ne.jp までメールで(予約者は1000円割引)。8月8日(金)午後7時開演。出演・唐沢俊一 立川談之助 快楽亭ブラック神田陽司他。開場・小田急相模大野『焼肉・八起』二階。料金・5000円(飲み放題焼肉付き。寄席のみ2500円)問合せ・03−5333−6433(談之助)まで。八起の行き方は横浜から相鉄線急行→大和乗り換え、小田急線相模大野駅駅北口小田原寄り徒歩5分相模大野銀座通り途中を左に入る(電車からネオンが見える)。 相模原市相模大野6−19−25、電話0427−48−2611。
メモ帳に光文社ゲイナーインタビュー、12時からと書いてあるが、12時ということはないだろう、2時の間違いじゃねえかなあ、とと思いつつ、時間割へ行ってしばらく待つが誰も来ない。やはり間違いと判断し、六本木に出てトツゲキラーメンで昼飯。揚げ肉がなんか焦げ臭かったのは、ガス回りをこないだ改装して、まだ新しい火加減に慣れてないからだろう。今日は珍しくABCには寄らず。明治屋で買い物だけして帰る。平山亨先生から電話、月曜にマツダフィルムコレクションの、ビデオになっていない草創期日本アニメ作品を見る機会があるそうで、そのお誘い。
2時、出直して時間割。ゲイナーのライター、Kくん。『漫画家の値打ち』というアタマ悪そうなタイトルの企画。現在各誌連載中のマンガの中から、後世に残すべきもの、自分の宝とすべきもの、連載に目を通しておくべきもの、などとランクづけをして推薦。ワタシはこういう、“後世に残るマンガが優れたマンガ”という従来の価値観を打破しようとしてるのですがなあ、と言って、Kくん面白がるのでその話をひとくさり。“現代のマンガ評論はその形式を文芸評論や美術評論から借りてきているだけで、本来マンガが持っている価値を、マンガの地平の中で語るための方法論はま だ確立していない”とブつ。かなり興味もってくれた。ただし、どこまで誌面に反映 されるかは期待薄。
帰ってネットなどのぞき、6時半、家を出てタクシーで新宿南口、そこから中央線で中野。芸能小劇場で立川談生独演会。本日はゲストがブラック。立川流の中でも、“キテいる”噺をやることでは一、二を争うアブノ派なのだが、なぜか女性客が多いのは面白い光景(ネットやっていると女性客が増える傾向にあるようだ)。ほぼ9分の入りである。睦月さん、開田夫妻、ひえだ夫妻も来ていた。最初が“シンナー中毒末期の若旦那の『船徳』”。それから快楽亭の『聖水番屋』をはさんで、最後がややマトモに『品川心中』。
最初の『船徳』は期待通りのアブナさ。あれで、噺のアブナさに演者自身が喜んでしまっている調子を押し隠して、ツラリとごく普通にキチガイを演じられるようになればかなりの凄味が出ると思うが、逆に言えば、“こらアブねえよなあ”という観察眼を主体に人物を描写してやっている(さすがレポーター)から、この毒気にも関わらず、女性客が聞いていられるのだろう。演者まで本物だと、客が怖がる。
快楽亭はもう、いつも通り。この人くらい変態をウレシそうに演じてくれると、もう内容などどうでもよくなる。見方を変えれば話芸の極致である。そこで中入り、談之助が販売機で雪印牛乳を見つけて大喜びで飲んでいた。後半の『品川心中』は、構成が現在定番となっている圓生式でないのに感心した。最近はビデオやCDで落語を覚えるので、若手の話がみんな画一化している中、オリジナルの構成と語り口を持っている演者は貴重である。金造をバカだが純真な坊や(モデルは立川キウイ)、お染もこれまでの型でなく、現代娘らしいドライさがベースにあるキャラクターに仕立てて、ちょっと泣かせる件もあり、新鮮だった。ただ、後半はなくもがな。これは圓生版であっても大して面白くならないところで、いろいろ工夫はしていたが、結局、柳橋の『星野屋』になってしまった。
打ち上げは例によって『俺んち』。大皿で冷えた鳥の空揚げ、チーズワンタン、フランクフルト、フライドポテトなどが出てきたのにはたまげた。上納金未払いで前座をクビになりかけの志っ平がいたので、デブ専ホモ雑誌のモデルを勧めておく。最後は焼肉トラジ。なんだか酔っ払ったような酔っ払わなかったような。