裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

30日

火曜日

だめぽバーガー

こんなに分厚くては、もうだめぽ(意味不明)。

※『社会派くん』対談

夢。落ち葉の舞い散る庭で、美術館の開場時間を待っている人々。
中にドイツ人の初老の男が一人いるが、黒いコートを着て、
身長が2メートル半以上ある。
それを見て、ゲルマン民族が自分たちを世界の支配者と
思い込むのも無理ないなあ、としみじみ思う。
庭にいる人々はドイツ人以外みな私の知人・友人だが
最近の知り合いも、ずいぶん昔の交友関係の人たちもいた。

朝9時起床、9時半朝食。
ニンジンジュース、ブロッコリスープ、ミルクティー。
最近のミルクティーはミルクにほんの味付けで紅茶を足す程度。
トンデモ本大賞記録ビデオの編集用のCDを掘りだしたりする作業。
今日は昨日とは打って変わって利尿剤の効果顕著にて、
小用頻繁。

マイミクさんの日記に『ナーザの大暴れ』(1979)のことが
書かれていて、
「今見るとちっとも面白くない」
と書いてあって笑う。これは共感の笑いで、ネットで若い人たちが
この作品を絶賛しているのがどうもわからない。いや、“今見ると”
というより、79年当時、アニドウが大々的にこの作品を持ち上げて、
吾妻ひでお氏や高橋留美子氏などに見せて褒め上げさせていた時から
「そんなに面白いかあ?」
と腑に落ちず(日本のアニメとの彼我の差を比べるという意味では
面白いが)、『ナーザはそんなに傑作か』という一文を書いて
『フィルム1/24』に投書したのを思い出した(あれは載ったん
だったっけ)。
歴史的に見れば、『鉄扇公主』などを作っていた上海美術電影が
主要スタッフを文革で追放され(追放の理由が“怪力乱神ばかり
語っている”だったそうだ。子供向けアニメなんだからそりゃ、
と言っても通じない連中だった)壊滅状態におちいっていたのが
やっと復興し、カラーワイドスクリーン作品を作れるまでに至った、
という意味で非常に興味深い作品ではあるのだが。

昼は母の室で、納豆、ピーマンと牛肉炒め、卵焼きでご飯二膳。
自室に戻って仕事。もっとも、その前準備のみで終る。
仕事関係電話多々。
外出予定をしているところにもかかってきて、応対しながら準備
しているうちに大ポカ。つい、会話に気をとられ、財布を
忘れて出てしまった。急いでタクシーで新宿に向かい、目的地直前
で気がつくという事態に。編集者に電話かけて借りようと思ったが
地下での待ち合わせ故につながらず、仕方なくそのまま逆戻りして
マンションに取って返し、財布を取りに部屋に戻って、そのまままた
さっきの目的地に戻ってもらう。とんだ出費になった。

『社会派くん』対談、40分遅れで。村崎さんには申し訳なし。
話題はマイケルはじめ、この一ヶ月に亡くなった多くの人々のこと。
村崎さんがやたら死についてセンチメンタルなことを口走り、
どうしちゃったのかと思う。

私は無神論者で当然のことながら来世も信じず(ただしこれは人として
いいことではないと思っている)、人生には何か崇高な目的がある、
とも自分には使命がある、とも思っていない。ただ、目標を定めず
に生きるのはあまりに毎日が無駄であり、とはいえ、それをやり遂げる
ことがやり遂げないことより格が上の人生、とも思っていない。
死に関しては、尊厳ある死もどうしようもない死も、本人にとっては
いくばくの差もないとこの頃思うようになった。

6時近くに対談終り、外に出ると霧雨みたいな雨。
能登のこうでんさんからサザエがお中元で届く。かたじけなし。
母に電話し、室で焼いていただく。
7〜8個食べたか。いつも送られるものよりやや、大きめだった。
キモがやはり珍味だが、この緑色はサザエの食べた海藻の色だろう。
してみると、ライオンがシマウマなどを食べるとき、未消化の草の
詰まった部分の腸をまず、食べるというのと似ているわけか。
他に、マッシュルームのアンチョビ風味と、シイタケの醤油マヨネーズ
焼きをいただく。
明日はサザエパスタを作ってもらって食べるつもり。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa