6日
土曜日
尿酸数値女史
「この数値は異常だ、病室に監禁です」
※『社会派くん』原稿 トンデモ本大賞
いろいろと頭の中をいろんな思考がぐるぐるして寝ていられず、
5時半に起きだし、ネットなど見る。
そしたら、ゆうべアスペクトから送られてきていた、
『社会派くん』対談のテープ起しが届いていた。
これを、7時半くらいまでかかって手を入れて完成させる。
トンデモ本大賞の当日に原稿書いたのも初めての経験である。
朝はゆうべ伊勢丹の地下で買ったチーズケーキとコーヒー牛乳で
すまし、入浴し、衣装その他整え、ネタ本をもう一度チェックして
カバンに詰め、いざ出陣、という感じで7時半、家を出る。
池袋駅から歩いて豊島公会堂へ行く途中、声ちゃんと遭遇、
「結婚おめでとう」
とお祝いを言って、これも同行ということになったのび太くんと、
旦那さんになる人の話などを聞く。なかなかの玉の輿。
雨の中、集合時間ほぼきっかりに会場に到着したのだが、すでに
大勢のスタッフが集まっていた。音響のミヤッキが到着したところで
楽屋口に移動、楽屋口前によっしーも待っていた。
撮影を依頼したモナぽさんにも挨拶。
音響・照明セット始まり、他のいろんな部署の担当が仕事を始める。
てんでんばらばらの意識が次第にひとつにまとまり、“イベント”が
形をなしはじめる。このあたりのゾクゾク感がたまらなくて、
苦労多くして得るところ少ないイベントをやっているんだと思う。
ここで大ポカ露呈、家から持ってくるはずの『威風堂々』のCDと
開封用ハサミを忘れてきてしまった。家に電話して、オノにとってきて
もらおうとするが、母が私の部屋の鍵を以前無くしたままである
ことがわかりダメ。マドに、近くのHMVでCDを買ってきて
もらうことにする。
頼光くんは、やはりリハには来られない模様。
まあ、これくらいの緊張感あった方がみんなひきしまるかも。
座り位置、スポットの位置など確認しつつ、舞台出来ていく。
リハが時間内に終った、と舞台監督のI矢くん、感動の面持ち。
najaさんに打ち上げの代金を支払う。
物販の方も、オノ・マド、もやしくん来てはりきってやっている。
『すべオタ』は自宅に送ってきていたやつを並べる。
堂々と売ればかなりハカがいったと思うが。
頼光さん絵葉書、これはまず、完売するだろう。
DVD『山本ひろし物語』、光デパートさんの報告によると、
新宿模索舎に平積みになっていたものがもう完売に近い由。
模索舎は昔から私の著書やと学会の著書に好意的なんですよ、と
説明する。説明しないと、ちょっと関連性がよく読めないらしい。
開田さんとあやさんは、頭にアンテナを立てた“アナロ熊”の
コスプレをしていた。他に、いつも西洋甲冑を身につけてくるIさん、
今日はややおとなしくイングランドの近衛兵、かなんか(よく知らない)。
桐生さんが聖母(なんで?)コスプレ、声ちゃんはテレタビーズ。
なんだかんだで時間は過ぎ、開場。
テンションをどんどん上げていくが、体調はいまいち思わしくなく、
楽屋弁当も、米の飯を腹につめこむ元気がなく、近くのコンビニで
つけ麺を買ってきて、それも半分くらい啜ったのみ。
入場者数、ほぼ去年と同じ。
最初の注意事項説明は恒例となったひえだオンまゆら女史の
コスプレで。今年は彼女の強い強い希望で『ハゲタカ』風演説と
なる。
「最低ですか?」
は、もう由来を知らない人も多くなっただろうが、
場内の空気をトンデモ本大賞にスイッチング。
それから、眠田さん作のOPアニメ。
これまた大ウケ。
談之助師匠と声ちゃんの司会で進行開始。談之助さん、アブない
ギャグをフることフること。
最初の基調講演、『ノストラダムスの予言大外れ10周年記念講演』
は光デパート氏。朝、リハのときに
「ジェリー伊藤みたいなあやしげな感じで」
出てきてください、と言ったら、ジェリー伊藤をご存知ない。
「あの、『モスラ』でネルソンを演じた……」
というと、そもそも『モスラ』を観ていない。開田あやさんも
驚いていたが、ちょっとカルチャー・ショック。
じゃア、というので“できるだけアヤシゲに出てきてください”と
舞台監督のI矢くんと指示して、不気味に(?)登場して、
1999年大外れ分析『ノストラダムスは本当に間違っていたのか?』
の開始。テーマに合わせて講演を依頼する、というのはプロに対しての
行為で、光デパートさんはプロでもなんでもないのだが、プロ以上に
いろいろと調べてくれて、大会一週間前には見事な発表案をまとめてくれた。
会員の質の高さ(さすがに全てがこうはいかない)をしみじみ感じる。
当然、大ウケ。袖に音響助手でついていK山さんと顔見交わして、
してやったり、と。
上手袖と一階楽屋には、K川さんが奔走して取り付けたモニターが
あり、舞台上の動きが逐一わかる。これが演出・構成上、大変に
ありがたい。続いてエクストラ。発表ネタ続きでどうかと思ったが、
今年はオーソドックスに、が自分で掲げたテーマであり、
と学会のオーソドキシカルな部分はやはりネタ発表にあるのだから
(山本会長からも“来年は僕にも発表をやらせて”と要望があった)
これでまず、大丈夫だろう。
エクストラは新田さんを筆頭にきだてさん、明木さん、皆神さん、
S井さん。私も中に交じって発表。秋山正美『ひとりぼっちの性生活』
を紹介。案外、古本ネタはありそうでこれまであまりなかった
と思ったので。一人七分の持ち時間、一冊のみだったので余るか
と思ったら、ギリギリになってしまった。
ラストを、ホントに西手新九郎であるがデビッド・キャラダインの
死去に結びつけて〆たら大拍手。
他の発表では明木さんの地名カタカナ表記の問題提起が、毛色が
変わってというか、単に笑わせるだけの発表ではなく、見事。
ここまでオンタイムで進行。
しかしI矢くん、
「どうせ大賞候補本発表で延びます」
と冷静。
とはいえ、今年は本当に進行が早い。小休止(招待席に行き、
エクシングのお二人、それから飯塚昭三ご夫妻などに挨拶。あと、
二階通路でハッシー、TBSのI井くんに会って挨拶)。
そのあと再開し、トンデモ本大賞候補作紹介へ。これでまた壇上へ。
今回、司会を談之助さん、声ちゃんにまかせたのは、
自分が司会では忙し過ぎるからと思ったためだが、司会以上に
あちこちのコーナーに出演することとなり、かえって忙しい。
そもそもエクストラ発表に名乗りを挙げたのも、“ヒマだろう”
と考えたからであり……人生、一寸先は闇、という証明か。呵々。
次の舞台出演までにまだ間がある時間を利用して、朝日新聞の
インタビューを受ける。太田龍氏の追悼コメントを。
扇動家(アジテーター)として一生をブレずに生きた太田氏の
生き方を、ある意味純粋、と述べたらインタビュアーの記者さん、
嬉しがっていた。訃報欄でも太田龍を取り上げなかったことに
この若い記者さん、かなり不満を持っているらしい。
発表の4冊、小粒だが去年に比べれば充分にインパクトあり。
運営委員に健康上の理由で欠席者が最近多いということで、
新たに壇上に上げた一般会員諸氏(原田さん、小堤さん、桐生さん、
あやさん)の頑張りぶりもあり、盛り上がった。
一番ハラハラしたのは当然『すべてのオタクは小説家になれる』
だったが、案外スラッと行ってしまったのは拍子抜け。
小堤さん曰く“これ(この本の理論)、ゲーム小説ならアリ、
ですよね”と。私は若桜木虔先生の武勇伝を紹介しておく。
ニフでのホソキンとの確執、ニフの主みたいなQP氏が、若桜木氏の
エピソードと知らなかったらしいのは意外。
バーバラに関しては“まあ、私と組んだ『文サバ』と若桜木氏と
組んだ『すべオタ』と、全く正反対の主張をしている本を出している
というのはプロ中のプロなのではないですか、と言っておく。
実際、そう思ったからパートナーとして仕事していたのだが。
話題は盛り上がり、こっちはそんなに時間経っているとは全く
感じなかったが、実はこのコーナーで30分オーバーだったそうな。
私は上手袖をチラチラ、ずっと確認していて、16時ころ、頼光さん
のシルエットが視界に入った段階でひと安堵、もう後は安心。
袖のスタッフの走り回り具合、ここらが最高潮であったろう。
終って投票・休息に入る。
坂本頼光さん、すでに着替えを終っていたが、三日間完徹で
新作『サザザさん』を作成していたという。
この熱意たるや。
休息時間は物販の方へ回って、サインしたり、写真撮ったり。
jyamaさんから誕生日プレゼントをいただく。
ぺぇさんと久しぶりに会って、抱き合って再会を祝す。
さて、後半戦開始。恒例、出演者紹介で壇上に上がり、
まさしく昨日、発見したばかりの『週刊文春』の阿川佐和子の
対談記事の谷村新司のドレミ音階の名前(ド=土、ソラ=空の上に
シ=死が来るという)ばなしをして、トンデモは常に日常にある、
芸能の世界でも、と、杉&鉄のときと同じフリで、頼光くんにつなぐ。
頼光さん、いつも古典+新作で言っているが、今日の古典は
『子宝騒動』。無声映画で私が一番好きな作品であるが、
これを坂本頼光の説明で見られるとは思わなかった。
そして、その後がお待ちかねの『サザザさん5』。
ある意味、不道徳的なインパクトは前作でピークを見せてしまって
いて、それ以上のものを見せるのは大変だろうな、と思っていたのだが
なるほど、こうきたか、というストーリィ。
ワッワッというウケ方であった。
来年はDVDを販売できるか?
さて、ここで時間もそろそろ限界にまで押し、
急いで最終コーナーの結果発表に。
袖のスタッフがざわざわしているのは、今回の集計がこれまでにない
接戦模様だったからのようである。
ハサミは去年まで使った、新聞切り取り用のデカいハサミを
忘れてきたので、逆に小さい爪切りバサミにリボンをつけて
笑いをとるが、やはり切りにくいとみえ、途中で会長、手を使って
封筒を破いていた。
結果はと学会のHPに詳しいが、
http://homepage3.nifty.com/hirorin/tondemotaisho2009.htm
船瀬俊介『新・知ってはいけない!?』(徳間書店)が
二位の『聖書は日本神話の続きだった!』(ハギジン出版)を
わずか一票の差で振り切って受賞。
私としては『聖書は……』のヤハウェ→88ウェ→母上
というダジャレが好きで、こっちに受賞してほしかったのだが。
なお、アンケートに“ヤハウェ様、お元気ですか……”(アニメ
『一休さん』のエンディング・テーマ『ははうえさま』)
と書いた人が7人、いたとか。
こうしてあっという間にラストに。
声ちゃんが
「これで第18回トンデモ本大賞、全てのプログラムを終了いたし
ました……」
と言いかけると、かねてからの打ち合わせ通り、談之助さんが
「……少々お待ちください!」
と横やりを入れ、写真班で参加してくれていたT田くんに、プレゼント
を持って壇上に上がってもらう(出来ればマイク握って“私が夫です”
とフェイクかましてもらいたかったが)。
サプライズ成功で、声ちゃんかなり驚き、かつ、喜んでくれた模様。
マットレスの上にアーチがかかり、そこにいろんなオモチャを
ブラ下げて、それに手をのばす赤ちゃんの背筋を鍛えるという
育児玩具なのだが、オプションで、ブラ下げるオモチャの中に
UFOをつけてもらっている。それを壇上から紹介。
おめでたい報告のうちに、完全閉幕。
みなさん、ご苦労さまでした。
物販も、オノ&マドが“やったね!”と握手したくらいの売り上げ
だった模様だし、何より、記録係の開田さんが言っていたが
「閉幕してすぐ会場外に廻って、出てくるお客さん達を撮影したが、
去年以上に皆さん顔が緩んでいた」
という結果が嬉しい。候補が小粒だ、という意見はあるだろうが、
そういうときこそ、お客に何か別の要素で満足して帰ってもらおう、と
演出班としては燃えるのである。
記念撮影を行い、大至急バラしを完了させ、みなさんに挨拶。
会計番長の眠田さんに領収書のたぐい渡して、清算。
始まるまではありとあらゆるトラブルが全て頭の上に降りかかって
くるような気がしていた今回のトンデモ本大賞。
いざ幕が上がればみんな、最高の知的エンターテインメント芸人集団と
して聴衆を自在に笑わせ、楽しませてくれた。
しかし、4時間半の開催時間中は寸時も息を抜けず、口の中が緊張で
カラカラだった。最後、声ちゃんへのサプライズを無事、終えた
ところでやっとホッとして全身の力が抜けた感じ。
出演者としての自分の評価は、呼吸器の障害が全く発声に影響
しなかったのがエラい!
ミヤッキー、ヨッシー、それに声ちゃんとタクシー乗り合わせ、
秋葉原万世へ。途中の東京名所(後楽園遊園地など)に、ヨッシーが
田舎の観光客みたいに反応していて笑う。東京出てきてからも、
そういうところを回ったことがほとんどないそうだ。
万世地下『呉越同舟』、案外早くみんな集合。
乾杯前の挨拶をして、大会番長しら〜さんに乾杯の音頭をとってもらう。
あとは、それぞれのテーブルを回って挨拶、握手、また挨拶、握手。
みな、今回の成功を喜んでくれていた。
皆神さん、酒井さん、I矢くんなどと、来年の話も。
結局、しまらない話ではあるが私の辞任依頼は却下され、
来年も実行委員に加わることになる。
と学会も人材難の折、やむを得ないか。
皆神さんが、私の楽屋での息を心配してくれていた。
途中、背中が急に固まり、苦しくなったので
金子さんにちょっと背中を揉んでもらう。だいぶ楽になった。
坂本頼光さん、途中で行方不明になってちょっと心配だったが、
二時間近く遅れて来場。山手線に乗ったとたん爆睡して、
ぐるぐると寝ながら周回していたそうである。誰かつけるべきだったと
思うが、それくらいの休息がとれた方がかえってよかったか。
2時間でもう、料理がすっかり無くなっていたので、
お開きの手締めのあと、ミヤッキーとヨッシー、モナぽさん、
頼光さん、エロの冒険者さん、談之助師匠、ひえださん、
近衛さん、しら〜さんなどを引き連れて、幡ヶ谷チャイナハウス。
三店のスペースを合わせてやたら広くなった店に入り(それでも
ちょっと待たされた繁盛ぶり)、みんなもうかなり酔っぱらった
状態の中、歓談。モナぽさんがかなり上機嫌に笑っていたのが
印象的だった。
12時近くに解散。
楽しかったがバテた、疲れた。
明日、死んでいなければいいが。