裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

水曜日

強く正しくガスマスク

強い男は毒ガス攻撃にも平気だ!

※『デジタル購入ナビ』打ち合せ 『社会派くん』対談 『地獄の楽園』三日目

朝9時半起床。
つらいつらい。
酒が残っている他にノドがガラガラ。酒焼けである。
まあ、しゃべる商売をしている関係上、この程度なら
昼過ぎには治っている、と予測がつくが。

朝食はオレンジーナ一本飲んだだけですます。
入浴して日記つけなど。
外は涼しく、芝居やる身にとってはありがたい。

ダレ感をなくすにはやはりおっぱい。http://www.youtube.com/watch?v=Qt2r9yXL9Ik&mode=related&search=
↑動くおっぱい。
http://www.youtube.com/watch?v=Iy6FiaXYaAY&mode=related&search=
↑恐怖のおっぱい。

11時に母の室で鶏そばを食べる。
麺が発酵してかなりコクのある(ありすぎる)味に。
体がやはりバテている感じなのでストレッチ、
汗があまり出ない。

西村寿行氏22日に死去、76歳。
『犬笛』とか『黄金の犬』とか『滅びの笛』とかは
(書いていて気がついたがずいぶんタイトルに似たような字を
使う人だ)70年代に基礎教養みたいな感じで普通に読んでいたが
正直言ってあまり感心はしていなかった。
『滅びの笛』はプレイコミックに田辺節雄が漫画化して
連載していたが、そっちの方がずっと面白かった記憶がある
(田辺節雄は絵にちょっと雑なところがあるが、コミカライズの
才能はかなりな人で、半村良の『戦国自衛隊』も、原作含め
映画版やテレビ版全て通して、田辺のコミック版が一番面白い)。
『黄金の犬』も映画になったが、いまやいいおじさん役者になった
地井武男が凶暴を絵に描いたような、モンスター級の殺し屋を
演じていて映画館で大笑いした。要はリアリズム無視の
マンガチックな展開とキャラクターが特長の人で、
頭のいい人間が読む作品じゃないな、とか思っていた。

これは、とその認識を改めたのは『屍海峡』で、
大胆なトリックを二重、三重に組み合わせ、しかも使われる
小道具のユニークさにアッと驚き、こんな作品も書けるのか、
と、感心したものである。それだけに、『鯱』シリーズなどを
書いていた後年はほとんど暴力的セックスシーンの代名詞みたいに
しか名前が語られないのが非常に惜しかった気がするのである。

1時に家を出て、渋谷東武ホテルロビー。
フリーエディターTさんと。
「昼飯でも食いながら」
というので、ついステーキライスなどを頼んでしまう。
考えてみれば二度飯であった。
まあ、芝居で体力も使うし。

学研の隔月誌『デジタル家電購入ナビ』でのコラム
新連載の件。ページデザインがパイデザなのも奇遇。
内容のことなども話し合って、で、〆切はいつですか、
と聞いたら
「タイトで申し訳ないんですが」
「ふんふん」
「明日ということで」
「ひえーっ」
ということになる。1500wで、まあ無理というものじゃ
ないが、それにしても。

打ち合せは予定通り30分で終わり、予定通りその後すぐ
時間割にかけつけ、『社会派くん』対談。
朝青龍問題から例の渋谷妹殺害事件の公判まで。
これも予定通りきっちり2時間。
サイトの形式のリニューアルについて、来週もう一回
打ち合せ。

外に出たら雨。
タクシー拾って下北沢へ。
本多劇場の入っているビルの二階にあるメイク用品店に行き
「死体用のドーランください」
と頼むと、親父さんが
「死体ですか、はいはい。これですね、死体は普通」
と、よくわからない会話と共に出してくれた。
昨日までのメイクではよくわからない、と言われたため。
今回はさすがに、いい感じに仕上がる。
薄暗い客席にじっと座っていたら“気味悪い”と言われる。

今日が実は客入りの最もピンチな日だったのだが、
開けてみると、席を少し増やさないといけないか、という
状況。嬉しいねえ、こういうのは。
ゲネや場当たりのある初日近辺と違い、夜公演だけの
日は小屋に入ってからはもうあっという間。

本多劇場でやっている(今日まで)『POLKA』という
芝居は小野寺丈(石ノ森章太郎の長男)の作・演出である。
出演俳優も豪華だが、中に“平山亨”という名前を見て
びっくり、あの平山さんを舞台にひっぱり出したのか?
と仰天する。……よく見たら、“平山享”だった。
仮面ライダーつながりでつい、亨と読んでしまったが、
しかしまぎらわしい。

私の役、最後まで浮きまくりという感じだが、
前日より少しずつ、タイミングとかが体に入ってきている。
ついでに言えばラストシーンの評判は大変にいいので
嬉しい。

rikiさんの顔、客席に。他に植木不等式氏が来てくださった。
「狂人の目の演技がいい」
と言われる。
オノ&マドと植木氏と、下北沢の店を物色。
満席の店が多く、結局、後から合流したハッシーと、
ホルモン焼きの店『いくどん』。こないだの“どっと”も
そうだったが、下北沢の店員さんにはホントに面白い人が
多い。今日の店員さんも、アドリブのやりとりが
まことに面白く、てっきりどこかの俳優かと思ったら
(場所柄)、普通の大学生アルバイトだった。
豚鼻、ナンナンコツ(ナンコツのもっと柔らかいの)、
中落ちカルビなど。

ホルモン焼き食べながらいろんな話。
本多劇場の支配人がこないだこの芝居を観にきて爆笑していた
そうな。
梅酢サワーをがぶがぶ飲んで、今日もベロ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa