裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

7日

火曜日

イエス、イエス、イエス、イエスをねらえ

十字架では誰でもひとりひとりきり 私の預言も 私の説教も 誰もわかってくれない(エリ・エリ・ラマ・サバクタニ)

※『フィギュア王』原稿 『パチスロ必勝ガイドNEO』原稿 『邪道・毛唐の会』

朝8時目が覚めるも、あともう10分、もう5分と
ダラダラ。結局もう一回グーと寝入ってしまい、9時ギリギリ
に目が覚めてあわててシャワーのみ浴びて朝食。
歳をとると寝られなくなるなどと言ったのは誰だ。

9時朝食、キウイにブドー二種。
食欲、体力はやや回復したものの、気力のみ回復いまだし。
何をするのもオックウでいかん。
低テンションのままだらだらしていたら、フィギュア王から
昨日が〆切でしたが、というメール。
あわててテンションあげて執筆、午前中に一本、アゲる。
ふう。

日記つけ、など。
夏なのでビールのCMをいろいろ検索していたら、
ちょっとビザールなのを見つけた。
http://www.youtube.com/watch?v=IjOlvRttee8
カールトンビールCM。
歌っているのはカルミナ・プラーナの中の曲の替え歌。
http://www.youtube.com/watch?v=xH0TNRcqvWA&mode=related&search=
ジョン・ブアマンの映画『エクスカリバー』(1981)で
使われてから、ソード・アンド・ソーサリー系の創作物で
やたら多用されるようになった。
http://www.youtube.com/watch?v=uTtSU2pMalY&NR=1

2時半、事務所に出る。
トイレに入り、こっちでのトイレ読書用の新着雑誌を
パラパラ読んでいたら、今朝書いた原稿の中にカン違いが
一ヶ所あったのに気がつく。偶然にも、それに
関連した記事が載っていたのである。
あわてて、訂正をしたものを改めてメール。
それにしても西手新九郎、細かく働く。

白夜書房原稿、文字数確認、だだだと書き出す。
電話何本か。DVDデラックスのKくん、
打ち合わせのことともう一本、某社編集部に某企画、
出していいかとの問合せ。もちろん、かまわずと。
それから以前に取材を受けた某誌ライターさんから、
また類似の企画記事の話。取材かと思っていたら、
秋口から連載でよければ、という。
隔月誌なのでさして負担にもならぬだろうと思い引き受け。
まだどうなるかは具体的にはわからず。

原稿書き上げて、6時に事務所を出て、中野へ。
『邪道・毛唐の会』。快楽亭ブラックと立川談之助の、
真打昇進15周年の会である。
もう15年か。思えばあのとき、私となをきで会に出席したら、
マンガ家席につかされた。当時ほのぼの系四コマ全盛で
そういう人たちが揃っていて、話がまるで合わなかったのを
思い出す。

そこのマンガ家さんたちが揃ってTシャツ姿で、
吉川潮氏が彼らをつかまえて、
「だからマンガ家は常識がないって言われるんだ。
カラサワさんを見習え、ちゃんといつでもきちんとした服装
でいるだろう!」
と説教していたっけ。
その、世話人みたいな立場だった吉川氏が今やブラック糾弾の
最先鋒というのが、15年という月日なのだろう。

睦月さん、そのお連れの女流の人、あやさん、志水さん、
植木さん、それからK田くんなどの顔も。なをき夫婦も
来ていた。

開口一番は三四楼、こないだの会でもやった似顔絵ばなし。
こないだに増して脱力芸に。
それから二人の挨拶、ジャンケンして先攻を決め、
まず談之助が“挨拶代わりに”と立川流物語、やはりバカウケ。
他の噺家に対しての辛口の意見にもほぼ、同意。
器用にやりゃいいってもンじゃない。

それからブラックがなんと真面目に『近日息子』。マクラで、
「ええー、坂本頼光が、“私を知らないお客さんもいらっしゃる
と思うので、師匠、噺の中で軽く紹介しておいてください”と
言うので、彼のことを少し」
と、山本竜二のところに弟子入りしてホモ映画に出された話
などをたっぷり。後で頼光があせりまくっていた。

で、その坂本頼光の活弁。
『サザザさん』、今回は新作も入れて2本連続。
いや、受けた受けた。水木キャラへのオマージュがあるのだが、
その中でもすさまじく濃いのばかりをよくまあ、という感じで
取り入れている。
思えば真打披露は15年前だが、坂本くんに紹介されたのが
10年前、ところも中野の、何だったかもと相撲取りがやって
いるという居酒屋だった。そのときに、これから山本さんの
ところに弟子入りします、と言っていた18歳の紅顔の美少年
が彼だった。10年経ってしまったか。
これまで何の役にもたってあげられなかった。
これだけ大きく育ったんだ、向後はどんどん前に出そう。

前回、『トンデモ前夜祭』で大ウケしたのを
見て、談之助さんと“これは来年の大賞ゲストでどうかね?”
と話していたのだが、一応、もう一回見て同じようにウケたら、
と思って、今回、あやさんや志水さんにも見てもらって、
文句ナシ、のお墨付きをもらった。

そのあと、さらに一席ずつ。
談之助は高校野球ばなしで、久しぶりにスライディングを
見せるが、どうしたことかブラックは訛りは国の手形、と、
寄席でやるような地ばなし。和歌山県をやたら攻撃していた。
何かあったのか、と自分でも言っていたが。

終わって、トラジで打ち上げ。
頼光くんのお母さんばなし(未亡人であまり美人なので、
ブラックが“母さんとやらせてくれたらすぐ二つ目にしてやる”
と言ったという)で盛り上がる。
談之助の赤ん坊(勇登くん)もお母さんと一緒に来ていたが
相変わらず実にもっておとなしい。

あやさん、睦月さん、頼光くんなどとワイワイ。
夏バテでいつもは食欲ないのだが、今夜は楽しかったせいか
食うわ、飲むわ。オノから
「明日はテレビなのですからね、あまり飲んで、また
メイクの乗りが悪いとか言わないでくださいよ!」
と釘を刺されていたのだが、不思議と、飲んでもほとんど
酔わない。

12時過ぎ、お開きにして、あやさん、植木さんと
タクシー乗りあいで。家でメールチェック。
某仕事で、不景気ゆえのちょっとした規模縮小あり。
おやおや、と思う。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa