裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

8日

水曜日

王さんと11人の仲間

王監督、野球からサッカー監督へ華麗なる転身!

※『ピンポン!』出演 『地獄の楽園』お払いと稽古

朝、ウトウトしながら、泥湯につかる夢を見る。
女の子なども一緒で、ちょっと色っぽいところもあって
よろしい夢だった。ちなみにメモが出てきたが、
昨日の朝見た夢は『核戦争後のアメリカ』みたいな
50年代のB級映画で、核シェルターの中で暮すアメリカ人
家庭の話。一家の主人は牧師だが、放射能で人間になったので、
元はイカだったという。
で、娘の恋愛とか、話がいろいろあって(忘れた)
最後に、そのイカの牧師が目を覚まし、ああ、
全部夢だったかよかったよかったと窓の外を見ると、
いま、まさに核ミサイルが落ちるところ、というもの。

8時に起きて、入浴。
寝汗と風呂での汗で喉、無茶苦茶に渇き、
コカコーラゼロをがぶのみ。
母が昨夜置いておいてくれた
サンドイッチを噛って朝食。
ゆうべ事務所に届いた、今日の『ピンポン!』の
ネタをチェックしながら。

やがて時間になったので台湾製のスーツ、用意。
思ってた以上に派手。
やや、着るのをためらうような色である。
衣装々々、とつぶやいてスーツバッグに入れる。

迎えに来ていたオノと一緒にハイヤーで赤坂。
コロムビア通りの再開発進んでいる。
この一般住宅と業界入り交じっているあたりが実に赤坂で
味わい深かったのだがなあ。
車中、携帯にディレクターさんから電話、
今日のニュース、何を取り上げるかは大体、
ここで決まる。今日は宮崎さんがHIVの感染率拡大
のことを取り上げるというので、私はも少し軽く行こうと
こっちから提案。ダルビッシュにしますか、と言ったら
エステ被害で何かネタは、と言うので、以前『怪体新書』
で使ったネタを披露したら、それでお願いします、と。

楽屋入り。スーツを見てオノが
「水色と言っていたけど、シャーベットグリーンじゃ
ないですか」
と言う。これは私も驚いた。
店で生地を選んだときはシャーベットグリーンと認識して
選んだのだが、なにしろ数十色の中から選んだわけだし、
その後は、ホテル、自宅のウォーク・イン・クロゼット、
そして今朝の洗面所(鏡の前)と、全部電球の灯のもとで
だったので、水色に見えていたのであった。

スタッフ、出演者ほぼ全員に
「素敵な色ですね」
と、微妙な表情で言われる。
最初は恥ずかしかったが、しかし不思議なもので、30分も
着ているうちに慣れてきてしまう。

こないだのラジオもそうだったが、多少バテ気味の体調の
ときがテンションを適度に保てるようだ。
最初から、コメント(雑学ネタ)がポンポンとはまり、
無駄がなく進められ、宮崎さんとも適度にからんで露出度も
結構。別に自画自賛ばかりでなく、オノの証言によると
福沢アナのマネージャーが褒めてくれていたとか。

事件ネタでは、標茶町で110匹の犬を飼育している
女性、北原めぐみ(34)氏に宮崎さん、食いつく。
「110匹ワンちゃん大迷惑」
と言いたかったがさすがにそれは我慢。
この女性の、あきらかにどこかズレているのだが、
そのズレに全て自分なりの理論武装をしている
ところがイタくて凄い。ネット用語で言う“香ばしい”
というやつ。
「なかなかいいキャラだね、この女性は」
と宮崎さんと話し合う。

収録終わり、渋谷までハイヤーで送られて、アジアン・ムーン
で昼食。例の件のことなどで笑いつつ、トム・ヤム・ヌードル。
『サイゾー』から文具系のネタでインタビュー依頼
来ているとか。

仕事場に戻り、バーバラなどと雑談。
日記つけ、原稿チェック、それから白夜のキャプション。
思い掛けないところで昨日の原稿にうっかりミス。
ウィキペディアを安易に信用したミスだった。

http://www.youtube.com/watch?v=nBeUGqeYsQg&mode=related&search=
↑クールエイドのCM。
http://www.youtube.com/watch?v=xUUuvK1Gs50&NR=1
↑ぬいぐるみ、多少改良(口が動く)。
クールエイドとは要するに粉末ジュースで、安さもあって
アメリカの子供たちには無茶苦茶ポピュラーな飲み物。
クールエイド・マンが壁をぶちやぶって現れるというのがパターン
なので、↓こういうパロディも出る。
http://www.youtube.com/watch?v=CDAbcBTNlLI&mode=related&search=
あ、これもBGMに『エクスカリバー』を使っているな。

ちなみに、ガイアナ人民寺院の集団自殺事件で、毒が混入された
のもこのクールエイド。それ以来、
「クールエイドを飲むな」
という言い回しがアメリカでは定着したそうで、
「盲目的に人の意見を信じて従うな」
という意味だそうである。飲み過ぎている連中の多いこと。

5時半、仕事場を出て、天沼会議室。
久しぶりにあぁルナティックシアター稽古。
今日は(なにしろ上演するのが怪奇ものなので)
近くの八幡神社でお払いをする。
清めの手水が光センサーで出たり止まったりするのが時代で
ある。祝詞の中の“……あぁるなてぃっくしあたーの……”
というところがなかなか珍。

神社の杜、自然豊富で、今の季節に自然豊富ということは
蚊がやたら出るということで、みんなあちこち刺され、
私もひじと小指を刺される。
しかし、太秦での撮影のときもそうだったが、
東京とか京都とかの蚊は小型で、刺されても腫れて
痒いのはほんの一、二時間ほど。
北海道の蚊に刺されて育った身にはさしたることもなし。
やはり北の蚊は薮っ蚊で、大きかったのだな、と思う。
子供のころ、蚊に刺されるということは一日二日、
痒みと腫れに耐えねばならぬということであり、
まぶたのあたりを刺されようものなら、お岩さんみたいに
腫れ上がって、少なくとも一昼夜はそのうっとおしさで
どうしようもなかったものだった。
今は北海道も都会化して、蚊も軟弱になっているだろうが。

稽古再開、私の役、ほぼ固まる。
今回も怪演というかオーバーアクトできそうで
実に楽しみである。
しかも役名が“沼田”。これは、沼田曜一調でやれという
お達しか?
爆笑に継ぐ爆笑で、2時間の稽古はあっという間。

その後、ハッシー、maimちゃん、鮎ちゃん、琴重ちゃん
で焼肉屋でビール。いろんな話題出て、盛り上がる。
今日も実はバテ鬱で、稽古、出ようか出まいか迷ったのだが
出ればまことに楽しく、また盛り上がる。
出る、とテンション上げるまでが荷なのである。
後から助くんも加わり、12時過ぎまでなんだかんだ。
タクシーで帰宅、やはり荻窪・新中野は近い。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa