9日
木曜日
おいらはトラウマー。やくざなトラウマー
発作が起こればPTSDになるぜ
※『サイゾー』取材、廣済堂打ち合せ、あぁルナ稽古
朝8時30分起床。
目が覚めたのは6時ころで、寝床で小穴隆一『二つの繪』
(昭和31年、中央公論社)読む。
芥川龍之介についての、無二の親友のエッセイだが、
芥川の自殺が二十代のときに不倫をした罪悪感と、その不倫相手
(名はこの本では“□夫人”と伏せられているが秀しげ子)に
つきまとわれていたことだったとか、友人たちにはずいぶん前から
自殺をほのめかしていて、小穴含め友人たちもそれを了解して
いたとか(松本清張も不思議がっているが、小穴はなぜかそれを
積極的に止めようとしていない)、まあそういうことは他の
本でも知っていたが、龍之介が友人たちの間でも評判の巨根の
持ち主だったとか、中国旅行に行く前に星製薬に行って
ルーデサック(コンドーム)を何ダースも買っていったとか
(使わずに全部人にやってしまったそうだが)、淋病持ちであった
とか、芥川龍之介のイメージをいろいろ崩す描写がいっぱいである。
入浴、母とK子が甚兵衛の新しいのをこないだそれぞれ買って
くれたので、洗濯したてのを着ることが出来てさわやかである。
ゆうべ、焼肉を食った上にハッシーと屋台のラーメンまで
食べてしまったので体重が心配だったが、増加なし。
岡田斗司夫氏と同じ体重なのに、向うは凄く痩せたイメージ
で、こっちは“最近太ったね”と会う人ごとに言われるのは
間尺に合わぬ気がする。
9時朝食。オレンジーナ、注文したのが昨日届くことに
なっていて、ちょうど配達時間がテレビ収録だったので
受け取れなかったが、母の室に届いていた。
桃とブドー、青汁。
日記つけ、雑用いろいろ。
http://www.youtube.com/watch?v=Y4LIThTB8Ww
↑中国のロボットおじさん。イギリスのテレビ司会者、ポール・
マートンが中国を訪問するシリーズのひとつ。
人力車ロボット、ちょっと欲しい。
2時半、家を出る。タクシーで渋谷。
車中で五目いなり寿司と昆布のおにぎり(コンビニで購入)
を噛って昼飯がわり。
いや、“酷暑”といった暑さ。セミの鳴き声、仕事場の
近辺にしきり。
3時半、東武ホテルで『サイゾー』のインタビュー。
インタビュアーはもと、創出版にいた人。
お気に入りの文具について。
インタビューはごく普通に済む。
なんと、同じところで小野仁美ちゃんに会った。
ライブの打ち合せだそうである。
美人になったなあ、と思う。
時間が半チクになったので、そのまま時間割に
行き、スポーツ紙など読みながら
次の打ち合せまで待つ。25分ほどで廣済堂出版の
Iくんと、営業の人。
来月の札幌でのサイン会と講演の打ち合せ。
ホテルがやはりなかなか取れなかったそうである。
前日入り、当日(講演後)帰京だが、前日夜は
主宰者が一席設けたいという。
母がちょうど札幌入りしているので、もう一日早く
行って、久しぶりに豪貴などと飯を食おうと思う。
ホテル手配できれば、だが。
一旦事務所に帰り、オノと(よくオノという名前で親戚か
と思われているが関係ないのである)札幌のホテルの件を。
その場で探して予約してもらおうとしたが、
どうしたことか、さっきまで通じていたパソコンが
私のもオノのも、つながらなくなる(サーバが見つかりません、
の表示になる)。昨日から無線LANの調子が悪かったようだが
私のはつなげられていた。
オノに対処まかせて、あぁルナ稽古に。
桃井の西荻センター。
私の出の部分は一個所のみの稽古になったが、
だいぶ役(キャラ)が固まってきた。
若手たちにまだとまどいが見えて、テリー兄さんがいろいろ
指示して、自分でもやってみせる。
アドリブの天才というのはこういう芝居の世界には大勢いる
のだろうが、彼の場合、演出の経験もあるので、それを
きちんとコトバにして相手に伝えられる。
なぜ、その芝居がだめで、じゃあどうすればいいのか、と
論理的に説明できるのである(普段の彼が全く論理的な性格で
ないことを思うと驚異であるが)。
改めて凄い役者だなあ、と思い、ハッシーが私に誰よりも
「何とかあいつを売り出したい」
と強調するのもよくわかったような気がした。
バスで荻窪駅まで行き(方向としては逆なのだが)、
またとって返してクイーンズ・シェフで買い物し、帰宅、
トンカツと小茄子の浅漬けで酒。
中川信夫監督『人形佐七捕物帳・妖艶六死美人』見る。
見ているうち“アッ、これ前に見たわ”と気がついたが、
どうせストーリィなどは大した意味を持たない(最後の謎解きは
かなり無理がある)。中川信夫らしい怪異ムードと、
当時(1956年)の新東宝は金があったんだなあ、と
感心する大川のセット(船は豪華だし、ずっと向うまで続く橋は
どうやって撮ったのか?)を堪能。
「そいつがいっち心配(しんぺえ)だ」
というような、脚本の江戸言葉表現もいい。
粋人・茨木屋鵬斎役の市川小大夫がさすがに巧く、途中で、
酔って幇間と“獅子舞踊り”をちょい、と披露する場面、
御仕込みが違います、と言いたくなる。
江戸で評判の美人という六人の美女が次々殺されるという
話だが、彼女たちより佐七の女房・お粂役の日比野恵子の方が
美女。調べたらミス日本出身、山本富士子の後輩。それならばと納得。