裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

12日

日曜日

帰省ラッシュ、僕はもう疲れたよ

元ネタを知らないとシャレでもなんでもないですな。

※『地獄の楽園』一日稽古

朝6時に目が覚めて、寝床で『国語辞書誰も知らない出生の秘密』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794216033/karasawashyun-22
(石山茂利夫、草思社)を読む。金田一京助とか新村出とか、
辞書を引くたびにコトバの神様のような存在として
目に名前が飛び込んできていた人たちの“実態”を、編集者
たちへのインタビューを通じてあらわにしていく、
知的スリルに富んだ好著なのだが、“辞書の名前はどれも
似ていて識別が難しい”という理由で、“視覚に訴える表記”と
して著者が採用している“コージ苑”“新潮コクゴ”“レイカイ”
などという表記が、本の品格を少しく下げているような
気がしないでもない。“コージ苑”には、著者は知らない
だろうが同名のマンガがあるので、特に。

9時朝食。スイカ一切れ、ブドー四粒、梨二切れ。
メールチェックしたりなんだり。
いささか腹立たしいこともあり。
こっちの苦労も知らないで、と心の中でつぶやく。
ワンフェスに出店している方々からお誘いのメール、電話等も
あるが、今日は稽古で一日杉並区を離れられない。

http://www.robpongi.com/MovieStillPages/blackmisosoup.html
↑北朝鮮版『みそ汁の歌』。
http://www.robpongi.com/pages/comboPOTATOPRIDE.html
↑同じく『じゃがいも自慢』。
北朝鮮食べ物ソングの最高傑作は“♪二人で食べていて
一人が死んでも気がつかないほどうまいよ〜”
という(朝鮮語で“ほっぺたが落ちる”の意味の言い回し)
『冷麺の歌』なのだが、それはまだYouTubeでも
発見していない。

1時まで原稿(佳声自伝)。
それから出かけて、荻窪。『地獄の楽園』、今日は全日稽古
である。清沓中通会議室。荻窪駅から歩くかと殊勝な
心がけを出したのがアダになり、炎天下を30分以上、
エンエン歩くハメになり、用心のためにプリントアウトして
手に持っていた地図が汗でふやけてやぶれてしまう
ような案配だった。
やっと到着、みんなに大汗を驚かれる。
こういうこともあるかと思って掛け替えのTシャツを
用意しておいたのが正解だった。
遅刻かと思ったらいろいろと用事でまだ来ていない人もあり、
到着から十分くらいに開始。
また座長が最近ハマっている“脳内メーカー”ネタで
みんなワイワイやったり。

稽古、今日は私のパートはまだあまり進まず。
ダンドリを組むのみになる。
役の入れ替えなどあったり、変更いくつか。
松山幸次のキャラが大変に面白くなってきた。
松っちゃんという人も不思議な役者で、
決して器用ではないのだが、いつでもおいしい役の位置に
きちんとついて場をさらう。
今日も二シーン、爆笑もののギャグが出来た。

みんな、稽古のときはそれぞれお気に入りのスナック菓子
などを持参。maimuちゃんが、名古屋のファンから
貰ったという味噌味キャラメルを配っていた。
全然ダメ、という人と、案外いけるじゃない、という人とに
分かれる。私はまったくOK。

9時に撤収、また30分かけて荻窪まで。
今日から参加のNC赤英と乾ちゃん、伊藤くんと
ハッシーと『やるき茶屋』飲みに行く。
マンガ家の年収の話、うちのK子の話、
佐々木輝之がいかれたおっさんの鉄道自殺を助けて
死にかけた話、いろいろと仕事関係でのオトナの事情の話など。

ここの店に働いているおばちゃんがいるのだが、
決して不親切ではないのだが、愛想が悪い。
いいかげん飲んで、最後に腹を作ろうと思って
「このアカモクうどんってやつね」
とメニューを見てたのんだら、ソバが出てきた。
「うどんって頼んだよ」
「うどんはないの」
「メニューに書いてあるじゃない」
「今日はもう品切れだからおそば」
「だったら頼んだときに言えよー!」
というやりとり。“うどん切れてしまったんですがおそばでは
いけませんか”も何もなし。普通ならムッとして怒りだす
ところなのだが、このおばちゃんが、
“いかにもそういうことをやりそうな”
キャラクターで、しかもあまりに堂々と
「品切れだからおそば!」
と言いきるもので、吹き出すしかなし。
吹き出したところでこっちの負け。
キャラクターというものがいかに大事か、思い知った。

タクシーで12時過ぎ帰宅、まだアルコールが足りなかった
ので水割り缶を飲むがまずい。
ホッピーに切り替えて、コロンボのDVDを見ていたら
1本まるまる見てしまった。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa