裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

19日

日曜日

オー、アキハバラード、アキハバラード、パオパオパ

♪僕の大好きなエロゲーソフト、パパから貰ったエロゲーソフト、
とっても大事にしてたのに、壊れて出ない画面がある……。

※夏コミ参戦

明け方早く、最低も極まる夢。
公開収録のテレビの司会を引き受けたはいいが
スタッフが無能のため、お城のようなホテルに
客がほとんどおらず、しかもアシスタントの子がまた
無能で途中でやる気をなくしてしまい、
ほとんど反応がないまま、一人声を嗄らして司会する。
落ち込むだけ落ち込んで(orzの格好で)ホテルの室に帰ると、
そこがまた大部屋の入れ込みで……というもの。
アシスタントの子は知らないではない女優だが、
かつて私が認めたことや親しくつきあったことなどない子で、
なんで出てきたのか不明。
たぶん、あれとあれであれの心理で……などと想像は
出来るが。

これを見て目が覚めたのが3時。
昨日の極ホルモンの脂とホッピーで、やや腹具合悪し。
トイレ使ってまた寝たら、今度はさっきのを取り戻すような
愉快な夢。
私が開発したカニ型ロボット(トランクケースに六本の
機械足が生えているような格好)が活躍して、機密書類を
奪った犯人を逮捕するというもの。

4時半、ベッドから起きて日記つけなど。
出かける準備(タオル、着替え)はもういいので、確認のみして、
もう一回寝て、6時半に起きる。
シャワー浴び、勝負シャツ(というほどのものじゃないが)
着替えて、コンビニで飲料と食料調達、7時10分過ぎ、
タクシーでお台場ビッグサイトへ。
07年夏のコミックマーケット。
今年はこの猛暑で体力の徹底的消耗が予想されるので、
ちと緊張気味。久しぶりに麻黄附子細辛湯を3服のんで、
気合いを入れて向かう。

右隣のブースの人に挨拶、左隣はバーバラ、その隣が談之助と
コウタマ(『高座の魂』)、さらにその隣が角でと学会と
眠田さん、そしてその真向かいがなをきのところ。
新刊(無事に出来ていた)『Bの墓碑銘』(中)を持って、
あちこちに挨拶。
なをき、『Bの』を見て
「前に(上)出してからずいぶん間があいてたよね?」
というので、
「マニアック過ぎて売れないんだよ」
と言うと、
「面白いんだけどね〜」
と。石上三登志の『地球のための紳士録』(『奇想天外』連載時
のタイトルは『Who's Who of Who』読んでいた世代には
ハマると思うのだが。

しら〜さん、と学会のS井さん、電脳丸さんたち、山本会長、
それに引田さん、談之助さん、鯉朝くん、IPPANさんたち、
オノ&マドと集ってくるが、バーバラが遅れているので、
合体セッティングがなかなか出来ず。聞いたら西にもブースが
とってあり、カケモチなのだとか。
設置しながら、オノが昨日の日記読んだらしく
「小倉×天達本、チョー読みたいです」
と言うので見せてやる。見たとたんにモウイイヤになった模様。
ベルさんが来て、挨拶。執筆した同人誌(米やん本)、いただく。
貴重な写真がいっぱい。

9時ころにはなんだかんだで設置完了。あぁルナの助くん、
もやしくんにも手伝わせて。
10時、拍手と共に開場、今回は壁際に走る列がひとつ先の
通路だったので少し静か。開店と同時に買いに来た人がいた。
さっきもなをきに言ったが、コミケで完売するのは
雑学ものか、ブジオや鈴木タイムラーなどの出演番組本で、
『Bの墓碑銘』はマニアックすぎて、濃いファンには喜ばれるが
一般にはいまいちウケが悪い。今年は暇だろうと思っていたが、
どうして、ネットなどであれはよかった、という濃い人たちの
評判が広まっていたせいか、大売れ、とまではいかないが
途切れずに波が来て、思ったよりずっと早く印刷代が出た。
三冊買ってくれた人もいたし、
「待ってたんです〜」
と喜んでくれたファンもいるので、本当に出してよかったと
思った。途中でK子が来て、
「印刷費出たの? じゃ頂戴」
と、金を出させて持っていく。オノと、
「芝居に出てくる悪徳高利貸みたいだ」
と笑う。

内容が特殊なので立ち読みを禁じるわけにいかないのだが、
文字本というのは、じっくりと読みふける人が多く、
後ろのお客さんに迷惑になることも。
それと、じっくり読む人ほど、結局は買わない。
あと、忙しいときに限って、だらだら長く話そうとする人が来る。
オタクしゃべりで、分裂症気味にとにかく私と話したくてだらだら、
と言うのはまだいいが、
「こりゃすごい。こういう本は商業出版で出したら?」
というので、マニアック過ぎて出してくれないのですよ、と
答えると、
「そこであえて火中の栗を拾う出版社はいないのか〜」
と叫んで、で、そこまで言って、結局“今日はちょっと”と
買わないで帰った人がいた。

知り合いの訪問も途切れず、おみやげ、差し入れなど
いただくのも途切れず。付け落としを最初からお詫びして
おくが、ササキバラ・ゴウさん、天動説の方々、光デパートさん、
茶臼山鮒子さん、マスミさん、カスミ書房さん、美好沖野さん、
みなみさん、KOwさん、本郷さんK川さん(台湾での写真
いただく)、江戸栖方さん(後期もよろしくと頼まれて恐縮)、
堀有機さん、デシ人間さん、田川滋さん、FKJさん、猫柳さん、
リーナイさん、spファイルの方々、ドラゴン山崎さんはじめ
文サバ関係の方々、トゥーン関係の方々、なかちんさん、
najaさん、ちょんげらさん、安達OBさん、加藤礼次朗、
その他本当にたくさんの方。

そうそう、久しぶりに奥平くんに出会った。
声をかけたらすぐ、職場にいるエホバの証人信者の
話をウレシそうにしはじめ、変わらないなあ、と喜ぶやら
呆れるやら。

一番驚いたのは、“おひさしぶり”と目の前に川柳川柳師匠
が立ったので、エッと一瞬思ったが、髪の毛が白髪とはいえ
豊富にあったので、あれ、違ったかと思ったら、
なんと講談社のW・K氏だった。年取ったなあ、と思ったが
思えば彼と仕事をしたのはもう10数年前。

いろんなマンガ家さんのエッセイ作品に登場する名物編集で、
昔、私やK子、なをきともちょっと因縁のあった編集者である。
名刺をくれて、
「ちょっとお仕事をお願いしたい」
と言われたのにまたビックリ。
後日、連絡することにする。

朝は涼しかったが昼から次第に暑くなり、ブースにやってくる
お客さんや、通路を通る人たちの表情も、しだいにうつろに
なってくる。汗をボタボタ垂らしながら立ち読みする人もいて
ちょっと気になる。私はそう汗もかかず。
相変らず、大波でなく小波の常に寄せてくる状況で、
午前中に大勢が決して、2時ころ引き上げ、という以前の
ような状況でなく、結局、委託本などを引き上げて
撤収にかかったのが3時過ぎ、撤収が3時半というギリギリ
だった。マドと助くんという肉体労働してくれるスタッフが
いたので助かった。

オノマド、助くんとタクシーに相乗りして、渋谷の仕事場。
いただきものとかを置き、売り上げの計算。
風呂場(使うのは1年半ぶりくらいか)でシャワー浴びて
汗を流し、Tシャツも取り換える。
そこから出て、センター街の立ち飲み屋でとりあえず内輪乾杯。
山手線で日暮里、もんじゃの大木やで打上げ。
30分くらい、電車の中でちょっと疲れ出てウトウト。
行ったらすでに20人以上が集っていて、
大将大忙し。幹事役のIPPANくんがバテているので
「役に立たねえ幹事だな!」
と大将に怒られているのが笑った。

では、と音頭をとって乾杯。
私は食べにかかる前にあやさんに恵命我神散をもらって
バテている胃を活性化させる。
バーバラのスタッフや助くん、電脳丸さんなど、ここの店が
初めてという人も多く、一品ごとに歓声があがる。
最初は刺し身盛り合わせ、その後“例の”肉、そして
メンチ、もんじゃというコース。
もんじゃは十人前を一気に巨大ボールで作り、
それでも足りずに二人前追加。

遅れたが声ちゃん、もやしくんも肉に間に合い、
饗宴という感じ。メンチにコテを突っ込むと、肉汁が
びゅっ、と吹き出す。今日は大将がやけに機嫌よかったのが
印象的だった。一緒に写真撮ったり、私のことを
「先生はうちのもんじゃのコーディネーターだからね!」
と言ってみたり。

メンツがメンツだけに、食いながらも
話題は途切れず。今日のコミケで熱中症による死亡者が
出たというウワサが出たが、本当なのか?
また、ちょうどテレビでやっていた24時間テレビの
萩元欽一の70キロマラソン完走に突っ込む突っ込む。
助くんを最後に大将に紹介、ボクサー同士、贔屓にして
やってよと口添えしておく。

さんざ食ったが、飲み足りない、と言う声(私の心の中の)
あり。いろいろ今日、小さいことだがわだかまりのとけた
こととかいろいろあったからだろう。もう一軒、と
飲ん兵衛連中に声をかけ、日暮里の『バンダイ』へ
(飲み屋の名である)。私、談之助、オノ&マド、I矢、
しら〜、植木不等式、バーバラ、引田、声ちゃんというメンツ。
すでに出来上がっているので、もう騒がしいのなんの。
懐かしのテレビ番組のテーマをみんなで鼻歌合唱したり。

12時に引き上げ、山手線に乗ったが、若い女性が、われわれ
に取り巻かれた形になったとたん、席を立って、電車を
降りてしまった。われわれの全身から発するもんじゃ臭さと
肉臭さ、ニンニク臭さ、汗臭さ、オタク臭さにアテられ
たんじゃないか、と話し合う。

新宿からタクシー、帰宅は1時。
そう遅くもならなかったな、と思いつつ、精神的には
大満足のものあるも、肉体的にはかなりのダメージが
あるのを自覚。この年齢でこの暑さの中、あの強行軍の
一日を見ると、欽ちゃんがどうこうとか言ってられない。

☆写真は打上げ風景。
・肉にナイフを入れる大将のご機嫌な顔。
・メンチを切り分ける私のご機嫌な顔。
・十人前のもんじゃを持った某K書店部長のご機嫌な顔。
 ご機嫌すぎてちょっとブレ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa