裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

28日

土曜日

俳句会系

「男子(おのこ)等の 汗こもりたる 部室かな」朝起きたらもう9時。

ゆうべ、帰宅してベッドに入ってすぐに寝ついたのだが、夜中から明け方にかけて何度も目が覚めたりまた寝たり、寝ているんだか起きているんだかわからない状態になったりして展転反側していたので、寝不足。

風呂入らず朝食、トマトとタマネギとセロリとポテトのスープ(春咲小紅ちゃんが“日記に毎朝のスープを書いてくれないと落ち着かない”と言うので特にくわしく)。母は昨日のブジオが今までで一番面白かった、と言う。母にもわかる話題だったからであろう。

新聞にまだ渋谷容疑者の記事。昨日小林麻耶が言っていたが、この容疑者が唱えていた魔法の呪文というのが“しーくる、しーくる、しーくる”というものだという。
「人に話すと命がなくなる」
と話すのをこばんでいた呪文をなぜ知っているのかわからないが、局の男性アナたちが真剣に唱えていたというのが笑える。“しーくる”とは、彼女(she)が来る、という意味で、なるほど、小学生が思いつきそうな呪文だ。

すぐ日記にかかりたかったが、旅行前に2本片づけねばならぬFRIDAYの4コマを先にやる。ネタが昨今テレビでしょっちゅう流れているものなのでカブらないよう、切り口をいろいろ試行錯誤。ちょっと大変。

12時、母の室から電話で、なをきが来たという。行って、一緒に昼飯を食う。インターネットの話になって、二人声を揃えて
「あの検索エンジンというのはこの一〇〇年で最も便利な発明ではないか」
と話す。ことにわれわれ、モノカキとかマンガ家とかにとっては、すでにそれなくしては生きていけないツール。母も、銀行に出す委任状の書き方を“ググって”調べたという。頬肉の牛丼とけんちん汁。牛丼、濃厚な味で美味。

それから自室に戻り、すぐまたFRIDAYにかかり、2時、完成させて講談社KくんとK子にメール。仕事場へ行く。そこで手紙類チェックして、すぐ時間割へ。村崎さんとの『社会派くんがゆく!』対談。ほぼ2時間、ホリエモンから一夫多妻男まで。こないだのホリエモン号外はアップ直後、何だか凄まじい数のアクセスがあったという。そんなに過激なことは言ってない筈なのだが……。携帯発信の話、それからアスペクトPR誌(隔月刊)に連載予定の私のエッセイの話などもちょっと。

終わって体があまりにダルいのでタントンへ。幸いついてくれたのが最も理詰めに(?)揉んでくれる先生で、「骨の周囲の肉の凝り様がひどいです」と言ってギュウギュウ。やはり寝不足と神経の緊張が原因か。

6時5分前までに終わって(そう頼んだ)、大急ぎでタクシーで駒劇場まで。ロフトプラスワンの前でラジオライフのTくん拾い、中に入る。途中ではれつさんにも会って一緒に入るが、楽屋に挨拶して、ふと見たらはれつさんがいない。あちこち探し回ったが不明。四次元のポケットにでも落っこちたか、と心配になる。

小腹がすいたところだったのでケンタ買ってきて齧る。やがて開田夫妻、やってきて例のごとく同人誌売り。さらにしら〜も来たので桟敷席に上げる。やっとはれつさんも見つかったので(買い物に出ていたとのこと)、これまた桟敷へ。くすぐり男爵によると今日は前売りの予約が凄かったそうだが、これはブジオ効果か?

ドイツのインターネットテレビが入るという話だったがどこにもゲルマン系の顔は見えず。その変わり夕刊フジが入っていた。猫戦車マリィさんにブジオ出演を依頼。さて、で、試合。前半は当社比1.5倍くらいの迫力とエロで、見ごたえ十分。

稲妻サンダーのダイナミックな試合っぷり、ダイエットでスマートになっても出るところは少しも痩せていない見事なモモ・ブラジルの肉弾美、なぜかうつぼのぬいぐるみ(正力さんのマリンパークみやげだとか)を大事そうにかかえているハルウララ、そのハルウララの“彼氏”になって、ヒモ的に彼女に金を稼がせようとしている内山沙知佳。実によかったが対照的に後半はグズグズで、これもまたくすぐリングスぽい。陰険に対戦相手のステージ衣装を楽屋でズタズタにする(ところを隠し撮りされている)ぶりっ子アイドルのひろひろ。M男性に容赦なく蹴りとパンチをたたき込む練習生レイ(とぼけた感じの笑顔を見せながら、というところ、不気味)。それ相手にひろひろが勝ってしまうところも意外でいい。そしてまた例により正体不明の超人で出てきたプリンセス。しゃべくりで相手を混乱させといて、さあ、というときにゴングが鳴って、ずっこけて倒れるあたりのタイミングがムチャクチャにうまくて、はれつさんが感心していた。はれつさんは実は今日は別件で話があって、その前にちょいとくすぐリングスでも、ということで呼んだのだが、結局いたくここが気に入って、その話ばかりになってしまった。カンフーミキは無表情でビデオ片手に相手に迫るのがよろしく、春咲小紅は自縛自吊りをやっていたがその手際のよさに感心した(沙知佳も自吊りして、バッ、と逆さ吊りになって見せたが見事!)。
そしてそして、今日が引退試合の(シャレかと思ったらそうじゃないらしい)マッド(略)リーの酔っ払いオヤジぶり。
試合しながら目薬をさして
「涙で前が見えませぇん」
とやると、他の全選手も目薬さして
「涙で前が見えませぇん」
と連発、そのナンセンスな繰り返しギャグに爆笑。いいかげんにやっているようで、個々の試合はかなり考えて仕込みをしたネタばかりで(ことにビデオは毎回凝りに凝っている。お笑い系の劇団でもこんなに凝るところは少ない)、それをアドリブと強烈すぎる一人々々のキャラが完全に解体した末に現出するステージ上の渾沌がくすぐリングス。途中で試合中にやぶれたストッキングなどのオークションがあるので、その進行役をかって出る(こないだ秋葉原の東京ペディに出て、自分にオークション司会の才能があることを確信した)。
くすぐり告知では神田森莉先生や夕刊フジの人、マイミクのユウトさんなどがくすぐられ、というか男性は脱がされていた。

試合終わり、物販の同人誌にサインしたりして撤収、ビルの上の厚田村で打ち上げ。ハルウララの携帯で村田らむくんなどと話す。11時半、辞去してあや、Tくん、しら〜、はれつといったメンツでもんじゃ焼きの大阪屋。ぐだぐだといろんな話で盛り上がる。

某ロリ系のAVに出ている人気AV嬢、すでに30は過ぎているのに、童顔で肌がつるつる、中学生の役をやっても不自然でない。理由をあやさんが訊いたら、
「どんなに仕事や飲み会があっても、12時前には帰って寝る」
のだそうである。
「やはり若さの秘訣は早寝だねえ」
などと感心していたが、おしゃべりに気をとられていて気がついたら2時過ぎ。若さも蜂の頭のあったものに非ず。タクシー乗りあって帰宅。

大阪屋で水割りの小ビンおかわりして飲んで、飲みすぎと言われたが、今日もかなりのハイテンションなので、きちんと酔っぱらってからでないと寝られず、明日がつらいので飲むのである。そのおかげかベッドに入ったとたんに熟睡。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa