裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

20日

金曜日

大神宮メッセージ

被害者が手に握っていた、このおみくじの意味は?朝6時半起床。気圧乱れている感じ。このところ毎日麻黄附子細辛湯のお世話になっている。入浴、日記つけ、9時朝食。リンゴ、豆のスープ。

毎朝のお仕事はスパムメールの削除だが
「内田です」
というのと
「有紀です」
というのが連続で来ている。中身は普通のエロメールなのがつまらぬ。
「離婚したばかりで体が求めています。誰か北の国で冷えきってしまった私を暖めて……」
とかいうのではないかと期待したのだが。

バーバラから本の販促について打ち合せを、というML書き込み。ブジオ収録の前にTBS一階の喫茶店で、ということだったので、じゃあその前の幻冬舎のT(とても可愛い)Yさんとの打ち合せを前にズラそう、と六花に連絡させたら「実はその前にも打ち合せが入っていまして、時間繰り合わせが難しいので日を改めて」と返事が来た。しばらく泣きあかす。もっとも、おかげで時間が空いたので単行本書き下ろし分原稿、やや進んだがそれは泣いたあとの話。

山田誠二さんからメール、猫三味線DVDに出てもらった小村りこちゃんが今度東京に仕事の拠点を移すというのでその話。こないだDVDの特典映像で彼女を見て、改めて可愛い子だったんだなと再認識した。京都では撮影で頭がイッパイで、そんなことを考える余裕すらなかったのだな。

1時出勤。仕事場で弁当を使う。スジコと酒粕漬。NHKBSのUさん来。新番組レギュラー正式決定の報告と、その第一回用の番組資料ビデオを持参してくれた。毎週レギュラーでないのが残念、と思っていたが毎週この資料ビデオを全部見て、しかも自分でいろいろ調べないといけないとなると火を吹いていたかもしれない。他に電話いろいろ。

東京中低域の水谷紹さんにメールの返事を書いたり。あと、『クラッシュ』はコメントが宣伝に使われることになった。そうなるとどう褒めるか、いろいろ頭を悩ます。ひねった映画だけにコメントもひねらないと。

5時半まで原稿書いて、家を出てマネと一緒にタクシーでTBSまで。I井ディレクターはTBSまで自宅から歩いて通っているとかという話を六花から聞く。今度健康のために一度私も歩いてみるか。

ちと早めにつくが、気圧の関係でテンションいまいち。ベトナムコーヒー(ミルク&砂糖の代わりにコンデンスミルクを使用)で血糖値上げてテンションアップをはかる。バーバラ来て、岡田さんのこと雑談。おぐりも来たので本の販促の話。イベント系が中心になるけれど。

6時45分、スタジオ入り。岡田さんが案外早めに入ったので、雑談。出版社とのトラブルが一段落したのでちょっとハイっぽく、話が非常に面白い。これで今日は楽が出来る、と喜ぶ。内田春菊など、あまり自分からしゃべらないゲストは(それも存在感あっていいのだが)こっちが全部話題をふる必要があるので。

小林麻耶、シーフードヌードルを持ってきてスタジオで食べていた。打ち合せの最中も岡田斗司夫絶好調、森羅万象に知識と自分の意見を語り、スタッフ全員感心したり笑ったりで、楽しい派楽しいが全然進まない。

8時、いつも通り番組開始。大人のしゃべり方で、と言っても多少低めの声で話すだけだが。岡田さんも今日はオタク度抑えて、大学の先生ぽく。なにしろ持ってきてくれたCDが野本かりあというのだから。話術さすが。アカデミックでしかもブラックで抜群に面白い。ブログ書き込みもこれまでの最高数を記録、軽く眞鍋かをりを抜いた。いや、楽な放送だった。どれくらい楽だったかというと、生放送しながらスタジオ内のモニターに映る『まさかのミステリー』見て、そのウスさにツッコミ入れていたくらい。ゴジラのぬいぐるみの再使用はゴメスが先だろうがっ!

続いておぐりのソウルフードコーナーは“くじら”。仙台の『一乃谷』から送ってもらった生肉を食する。おぐり自身は今日の昼、渋谷のくじら屋に行ってステーキランチを食べてきたらしい。こっちもついこのあいだ大阪で食べてきたばかりだが、流れ上、そこは言わない。歯茎はさすがに小林麻耶も気味悪そうだったが、生さえずりは好評。おぐりがそれを一口食べていきなりマイクの前で「むーふふふふふふふふふふ!」と笑い出したのにびっくりした。おいしいと笑い出すタチらしい。こういう反応、普通の人はしないよな?

その反応にひかれたか、放送が終わったとたん、ほぼスタッフ全員がスタジオ内に乱入、四方八方から箸が伸びてあっという間に鹿の子、赤身、ハツ、小袋、睾丸などクジラのほぼ全部位がなくなった。

I垣Pの要望で初めて、ゲストにも参加してもらってポッドキャスティングを録音。テーマは試験。K子の簿記の試験の話もちょっとする。岡田、六花、バーバラ、おぐり、I原というメンツで麦屋で打ち上げ。後からI井くんも加わる。サーヤネタでI井くんがマジ極まる表情で
「サーヤは美人。結婚したい。不倫でもいい」
と言い、
「住んでいるマンションの一階にコンビニがあるはずだが、そこにバイトで入ろうかと思う」
と、出会うダンドリもシミュレーション。そういうのが好きな岡田さんに馬鹿ウケ。それでほぼ2時間、盛り上がっていた。

呆れて聞いていたおぐりが、店を出たところで
「I井さんは才能ある人と思っていたんですが変な人だったんですね」
としみじみ言うので
「クリエイターの世界で才能というのはどれだけ人と違うヘンなことを考え、実行できるかということなのだ」
と教える。凡々たる常識人はクリエイターになり得ない。不道徳を讚えよ、非常識に拍手せよ、変人をめざせ、奇人にあこがれろ。

終電で帰るみんなを送ったあと、I井くんとちょっと仕事の話なども。頬にチラと冷たい感触が。粉雪がチラつきはじめた。

タクシーで帰宅、なぜかあまり酔っていなかったのでホッピーなど飲みながら、
『ウルトラQ』のゴメスの回を見る。原型がモスゴジであるが改めて見ると装飾過多の、変な改造だねえ。2時、就寝。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa