裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

金曜日

アーメンで恋をして

 修道院の禁断の恋。朝7時半起床、寝汗淋漓。風邪は治ったハズなのにどうしたかな。朝食、イチゴとリンゴ。体重、ここ二ヶ月では最も減少。昨日メシものを食わな かった御利益か。

 日記つけ、資料本読み(3日の対談用)でふと気がつくともう11時過ぎ。急いで仕事場へ。タクシーの運転手が女性で、いまどきのワカモノへの不満をたらたら。聞 くと28歳の息子がいまだに生活費をねだってくるらしい。

 休日なので電話連絡等はあまりないが、メールでの打ち合わせいくつか。黒豆納豆 でメシを食い、原稿書き。ローソンで図版資料を送付。

 地下鉄半蔵門線で神保町、都営新宿線に乗り換えで篠崎。うわの空の稽古に参加。見学は何度もしていたが参加は初めてである。油断していた。最初に聞いていたのが東映戦隊モノのパロディぽいシーンというので、そんな感じ(そこでカメオ的に一回笑いとって去る、みたいな)出演かと思い、いろいろ脳裏に想像して、飯塚昭三の声マネなど練習して準備していたのだが、ここの芝居は当日までにどんどん変化する。その設定が消えて、普通にみんなの芝居に入って混ざりアドリブで芝居をする、という役になっていた。全然予想していなかったので、どう混ざっていいかわからない。頭の中が真っ白になって、いま、目の前で行われている設定すら理解できない。

 ダメがどんどん入ってアワワ、アワワ状態。芝居の経験はないわけではないが、最初のエチュードで左手に台本がない、という状態がこれほど心細いとはつゆ、思わなかった。二回、三回いろいろココロを落ち着かせてやったがダメ。これでは初日まで に役が無くなってしまうぞ。

 汗ダラダラでなんとか理解を求めようとみんなに質問、役をつかもうとしたがカラ回り。大迷惑をかけた。今日はちょっと用事があるので早引けにさせてもらい、返りの電車の中で、さて、なぜ最初の演技プランにああもこだわったのか? と考えた。

 エチュードは芝居や演技を作っていく段階で、なにも固まってなくてもいいのに、途中参加故に早く役に入り、きちんと芝居をやろうと思うココロがあせりを生んだのだろう。フリートークが出来ない人間じゃないんだから、そのまま反応するがままでいいじゃないか。まあ、役がどこまで残っているかわからんが、とりあえず明日は自然体で望もう。そう決意したとたんに緊張がとけ、ガクッと落ちそうになった。

 8時半、帰宅、家でゲラッチさんをお迎えの会。客にダラさん(フリー編集のNさん)がいて、この人とは最近、連絡不通だった。ちょっと、ペンディング中の本の打ち合わせをと思い、時間を作ったのであった。なんかいろいろあって、やや引きこも りっぽい状態だったらしい。再開の件のみ約す。

 あえて頭に何も考えず、リラックスして食事と酒。話題はK子とIさんがゲラッチさんを相手ににぎやかにやっていた。ポーランドではいわゆる吹き替えというものがなく、原語の音声を小さく流し、かぶせるようにしてナレーター(たいてい男性)が弁士のように男女ともにセリフをしゃべる、という。いわゆるボイスオーバー。日本 だとUFO特番のこの形式をタモリがパロディしていたりしたっけ。

 11時ころお開き。そのあと資料本いくつか読みつつ酒は控えてベッドに入り、K 子と会話。1時ころ就寝したと思う。

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