裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

24日

日曜日

インジケータと源氏鶏太は似ている。

 いや、ただそれだけですが。朝8時まで寝る。日曜だし、完全休養とはいかんが午前中は休むつもり。朝食、北海道から送られた雄渾なるアスパラガス、バナナ。食ってまた一寝入り、と思ったが寝るといろいろ気がかりなことを思い出してしまって、スッキリとは眠れず。一週間、いや三日でいいから東南アジアかどこかのリゾートで何も考えずボーッとしていたいと思うが、たとえそれが出来てもきっと種々の不安は 襲ってくるだろうな。

 K子は理事会に出かける。日記つけ、月曜にまとめてやっちまおうと計画している対談、打ち合わせ類の連絡メール打つ。これに案外時間がかかって、腹が減ったので 部屋にあったカップ焼きそば食う。

 モナぽさんに改めて東京大会記録手伝い、正式依頼のメール。12時半、出勤。講談社『FRIDAY』コラム、今回はと学会東京大会にかこつけてUFOネタ。書き上げてメール、それから昨日の花の祝い札につき、送花を頼んだ会社に苦情をFAX する。もちろん、当の祝い札のコピーもつけて。

 弁当、黒豆納豆で。講談社『週刊現代』から昨日書いた中尊寺ゆつこの単行本評のゲラ。タイトルをここはサブまで入れるようで、そのサブが長かったので三行オーバーとなった。削るのにちょっと工夫が要ったが、こういうふうに限られた字数の中で自分の書いたものを削る作業をしていると、通常の自分の文章の中にいかに無駄な言 い回しが多いかということに嫌でも気づかされ、文章修業になる。
「私は書いたものは書いたそのときで完結させているからゲラチェックはしない」
 と豪語しているモノカキがあるが、そういう人間はえてして文章が上達しない……のではないか。

 鶴岡から電話。こないだから気にかかっていた“ある件”をこの電話で確認。やはり入っていないか。いや、某イベントのギャランティのことなのだが、こないだふと気がついて何人かにメール打っていたのだが3月末という連絡があったのにどうも振り込まれていない模様。誰に訊いても“そう言えば振り込まれてないみたいですね”という程度の額なのが情けない。すぐ苦情のメールを送る。今日は苦情文を書いてば かりだな。

 と、思ったら花の店から謝罪と説明の電話。要するに東京外への贈花だったので地方の契約店に頼んだらそこがイモだったのもので、ということ。こっちもあまり事を荒立てるつもりはないが、向後ココロするように、と言って切る。『FRIDAY』コラムも速攻でゲラが出て、チェックして返送。週プレ用のB級ニュースネタ出しな どをしながら、後はダラダラと。

 10時、下北沢『虎の子』。久しぶりである。K子と食事。しばらく来ないうちに メニューなどが変わっていた。キミさん曰く
「最近はテレビで会うことの方が多いわね」
 『ごきげんよう』見たときはビックリ仰天したそうだ。牛すじ味噌煮、うどのキンピラ、冷や奴、おなじみタコの柚胡椒などどれもうまく、感心。毎度食っていたとき にはさまでありがたみも感じなかったが。

 酒はおすすめの『蒼空』というやつ、それから黒龍。同じテーブルに、後から男女カップルがやってきてついた。四十代くらいの髪の毛の薄くなった男と、三十代の知的美人タイプの女性。なんかアンニュイな感じの二人で、酒を頼んだ他、しばらく話 もせずにじっと顔を見合わせていたが、やがて男がぽつりと
「死んじゃったものは仕方ないだろ」
 お、殺人を犯したカップルか? と思い聞き耳を立てたがよくわからず。愛犬が死んで鬱になっているのかもしれない。こっちはやたらハシャいでいたので邪魔でした でしょうなあ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa