30日
金曜日
忘れがたきアラファト
ト、しか合ってない。朝8時起床。女房が病気の二日間連続で酒飲んで帰って深夜帰宅というのはなかなか不良夫なことである。今朝はK子、午前中に診察に病院へ出かける。彼女がいないと台所がここまで雑然となるか、というくらいにひどい有り様になる。いろいろやらねばならぬこと、〆切過ぎた原稿などが山積みなのだが、気が散って何も手につかず。その手につかぬ状態にさらにイラつき、一切のことをする気がなくなる。困ったものである。
12時、どどいつ文庫伊藤氏来、いろいろ雑談するが、これも上の空だったかもしれない。トラッシュポップの代金請求でやはり小トラブル(連絡ミス)があったらしい。ゴジラ屋さんにも迷惑をかけたらしい。非常にすまない気持になる。お互い仕事なのだから、金のため、と割切り、代理店のことはオレの管轄にあらず、と気持を整理すればいいのだが、監修という立場にある以上、どうしても自分の胸が痛んでしまう。こういう人間はかえって人の上に立つべきではないのだろう。佐藤一斎(それにしても小泉総理ってのはこういうのを見つけてくるのがうまいなあ。ブレーンは誰なのか?)にどうすればいいのか、訊いてみたいものだ。
2時、時間割にて光文社『フラッシュ』インタビュー。連続である。こないだの、『ハリー・ポッター』マンガキャラ見立て、は配給会社から“こんなにわかりやすい紹介記事は初めてです”と非常なる好評だったとか。いいかげんに思いつきをべらべらしゃべっただけであったのだが、わからぬものである。今回はエロ写真ポーズの歴史。これも、昨日おとついのドタバタで何も準備できず、書庫から手近の資料をかき集めて持っていっただけ。しかしこれも案外オモシロがられる(カメラマンさんはいなかったので、お世辞かどうかわからない)。凝っていろいろ手間をかけた御馳走を作るより、パパッと手近の材料で即席の料理を披露した方が喜ばれる場合が多いようなもの、なのかもしれない。
その後六本木まで出てクスリ類買い物。K子の風邪がうつったか、こちらも胃腸の具合悪し。体力があるからまだ、大丈夫だが。銀行行って入金確認。世間一般から言えばかなり稼いでいる方だと思うが、出銭もまた多い。タメ息をつく。帰宅したらK子、病院から帰って寝ていた。ほとんど痛みは去った由。胃カメラ検査は拒否したそうだ。
6時、時間割にまたいく。JCMのMくんと。請求書を今日までに提出しなければいけないのだが、ドタバタで書けないので、作って持ってきてもらい、ハンをつく。新しい仕事の話など。落語のコンテンツを作りたいという。プロレスと落語の類似点を指摘したらソウイウ説ハ初メテ聞イタと驚く。そうだろう、オレも今考えついたものである。視点なんてものはどこからでも当てられ、どんな結論だってそこに持っていける。世の中になんでも言えないことなどない(漱石が『猫』の中ですでにそれを喝破している)。要はその視点の目新しさと、無理なく見事に結論を導いてみせるだけの技術が誇れるだけで、これが真理だ、などといばって見せられるものなど、文科系ではほぼ、あり得ないのではないかと思う。
食事の支度をしようとしたら、K子が外で食べたいという。月末の金曜で大丈夫かと思ったが、豆腐料理に電話したらあいているというので、出かけておぼろ豆腐、金目鯛刺身など。K子がそんなに食べられないので、私は帰宅してからもう一杯、泡盛のハイボールを飲みながら、ビデオを見て11時ころ就寝。早いが、明日からリズムを平常に戻すための調整である。