裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

23日

金曜日

フェラチオなことを申すな!

 上様の御前で尺八のことなど。朝7時起床。今日明日はハードスケジュールなのでも少しゆっくり眠りたかったのだが、こういうときに限ってまた早く目がさめたりする。朝食、スープスパ。本日はと学会例会につき、ネタ等を整理。道新コラム原稿のみ書き上げてしまおうとがんばる。11時半ころ芝崎くんが来て、倉庫がわりにウチに置いてある会誌を持っていく。新事務方の請負う最初の例会なので、かなり燃えているようである。私も早めに行くから、と彼に言っておいたのだが、結局、モタついて12時20分までコラム、かかる。K子と連れだって、ピンクハウスの近くにある九州ラーメン屋で昼飯。1時ちょうどに会場に到着。渋谷でやってくれると近いので非常にありがたい。

 例会、参加者50数名。盛況である。運営委員中、皆神龍太郎、永瀬唯、眠田直の三氏が欠席なのは残念。発表は山本会長以下、例によってみなネタが濃く、爆笑の連続。藤倉珊氏が復調してきたのが喜ばしい。昼休み後に事務局から、例会を今後年四回、期日固定で開催することを提案、全員一致で可決。山本会長曰く“イザヤ・ベンダサンは全員一致はユダヤ社会では否決される、って書いてますが……”に全員大笑い。前回はここの会場の撤収時間厳守のために発表できない人が出たが、今回は発表時間を短縮してサクサク進み、なんとか駆け込みで最後まで発表できた。K子も親父の葬式で拾った葬儀グッズネタを発表。例のまんだらけのコスプレ店員さんはじめ、今回は女性が参加者に目立つ。岡田さんが連れてきた美女はじめ、ヤナセくんの隣にも女性がいる(二次会でヤナセくんはそのことばかり質問され、参っていた)。

 二次会は九州。前日に予約を入れておいた。会場の撤収時間がキッチリ決まっていると、店の予約には便利である。昼に九州ラーメンを食べ、夜が九州居酒屋で、明日はホントの九州に行くわけである。二次会、4時間近くを飲んで話して、これまた大盛り上がり。鶴岡と『デッドオアアライブ』ばなしをする。気楽院さんがこの作品をまだ見ていない、というので、“中国人マフィアと刑事が男と男の対決をして、最後に地球が爆発する映画”と教えたら、アタマが混乱したような顔をしていた。凄い省略だが、決してウソは言ってない。そうそう、シリーズ最終作の試写状が来ていた。あの最終作はどうなっておるのか、見にいかずばなるまい。第一作を映画祭で上映したときには暴動が起こりかけたそうである。K子はまんだらけコスプレ店員さんと話がはずんだようで、自分がモデルで社長の古川益三撮影の剃毛SM写真集を貰っていた。明日の軍歌会にも誘った模様。

 9時、散会。芝崎くん、会誌売れ残りを家まで運んでくれる。急いで寝る。変な言い方だが、なにせ1時から『社会派くんが行く!』の打ち上げなので、少しでも寝ておかないと体力が持たない。が、テンション上がっているのでなかなか寝つけぬ。ウトウトしたあたりで電話入り、公会堂ナナメ向かいのアジアンレストラン『モンスーン・カフェ』。K田さん、K瀬さんはじめアスペクトのスタッフ、カメラマンで世田谷で職務質問された坂本光三郎さん、それに村崎さんと奥さんの森園みるくさん。警察がやってきた話で当然大盛り上がりであり、私と村崎さんの会話、ほとんどトークライブになる。K瀬さんが何度も吹き出していた。森園さん、ちゃんと私の日記を読んでいてくれてるそうで驚く。後からK子も加わる。森園さんとN・Y在住の生田くんが共通の知り合いとわかる。世界は狭い。いや、モノカキなんてのの世界だけか?

 3時半、会場入り。『エッグサイト』である。ここ、以前は『エッグマン』と言っていたが、いつの間に名前が変わったか。入ってステージを見ると、ラップとVJに合わせ、若い男女がグニャグニャと、狂牛病のように踊っていた。MCのオンナノコに、“なんて言ってお二人御紹介しましょう”と訊かれたので“変なお二人です”と言ってくれと言うと、“イェーイ、ホントにそれでいいんですかぁ?”とヨロコんでいた。この時間に客とかいるのかよ、と村崎さん不安がっていたようだったが、数十人入っている。驚いたことにこのイベントは日欧メディアチェンジなるところが主催の、『クリエイターズナイト』というイベントの、その最終ステージ、つまりトリなのであった。クリエイターズナイトの概要はと言えば、“ラブ&ピースのメッセージを世界む向けて発信し、クリエイターならではのやり方で、クリエイティブ・エクスチェンジを堪能しよう(サイトによる)ココロミのイベントらしい。『社会派くん』てのはまず、ラブ&ピースとは対極にある本ではないか、と思うのだが。

 トーク、なにしろ客層がつかめないし、ほとんどのことを食事しながらしゃべってしまったもので、何となくギコチない。しかし、客たちはなにしろ、こういう内容のトークは初めて聞くらしく、女の子などで、身をヨジって笑っているのがいた。あといやに笑う一団がいるな、と思ったら、と学会の例会に来ていた、Sさんや植木不等式さんの一行だった。後で聞いたら、あれから三次会やって、さらに幸永で焼肉食って、もう終電終わったあとなので新宿から歩いて渋谷に来たそうな。酔狂な、いや、まことにありがたいことである。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa