裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

15日

木曜日

シーボーズ男は勝たねばならぬ

 そういうこと言うからスネて怪獣墓場に。朝8時半起床。昨日の疲れか寝坊。朝食9時。K子には野菜炒めとクロワッサン。昨日牛乳を買ったはずなのだが見当たらない。あれ、東洋館に忘れてきたか。私はタラコスパゲッティに、ライム果汁をたっぷり絞ったラッシー一杯。新聞の週刊新潮の広告で、“父・古今亭志ん朝の葬儀に出席しなかった長男の行跡”という見出しがなかなか裏的好奇心をそそる。そう言えば、『サンデー志ん朝』なんて番組があったがさて、死んだあとパロディ元の雑誌にこういう記事を書かれると予想していただろうかね。まあ、三遊亭円朝もグレた息子の行状に死ぬまで苦労したんだから。

 講談社Web現代から原稿OKのメール、ひと安心。リンク先のサイトからも好感触の掲載許可が来ているとか。来週の単行本打ち合わせの際に図版を持っていくことにする。仕事先にFAXしたりして、午前中は過ぎる。浦山明俊から大腸カメラを尻に突っ込まれている写真がメールされてきて、食欲がなくなる。

 昼、新宿に出て雑用。銀行で通帳記入。トラッシュポップフェスティバルから監修費入金、その他いろいろ。年越し金が入って何やら心は豊かである。昼食はC&Cの立ち食いカレー。やはり私にはちと甘過ぎる。帰宅して仕事にかかるが、体調が急に悪化して、ガックリと眠くなる。カレーが悪かったか、尻の写真か。3時から『シュレック』の試写会で、六本木までタクシーで行くが、車中で短時間だがグーと寝入ってしまい、これでは2時間の試写には耐えられまいと判断し、行くのを中止、買い物して帰って、しばらくフトンで横になる。全身痺れるような感じ。読売の夕刊を寝床で読む。カブールが解放されて、市民が映画スターのブロマイドなどを喜んで見ている写真が載っている。ここのこういう写真はどうもわざとくさい。

 6時ころ起き出す。体調は元に復している。タクシーで四谷荒木町、まさ吉にて、青林工藝舎主催の、書店さんたちを招いての飲み会。あの狭い店に30人以上の人数があふれて、すさまじい状況。高円寺文庫センターの店長さんに、“以前うちの店を紹介していただきまして”と挨拶される。ちょっとすぐその記憶が出なかったが、よく聞いたらブックTVの書店紹介であった。あの番組も今は懐かしい。勁文社を先日退社したOさんと挨拶。つい一昨日の睦月さんのカゲロー日記に出てくる人だった。世間は、というかこの業界は狭い。他にもくまざわ書店、ABC、ジュンク堂などの書店員さんたちがいっぱい。タコシェの人もやってきて、ぜひカラサワさんの本を置かせてください、というので、K子にUA!ライブラリーを入れるように指示する。前から私の本を欲しかったのだが、松沢呉一氏のカラミで声をかけそびれていたそうで、悪いことをした。松沢氏とは本当に切れたようである。

 も少しいろいろ店を回って挨拶したかったのだが、なにしろ次から次へと人が入ってきて、『オペラは踊る』の船室のギャグみたいに、これ以上人が入るとドアを開けたらなだれ落ちるというような案配だったので動けず。まんがの森の印口さんとMUの深海生物ボトルキャップの話、新東宝映画の話などずっとする。彼が“ほら、何て言ったっけ、あの映画”とストーリィを言う作品のタイトルを片端から私が挙げるので少し呆れていた模様。K子は高円寺文庫の若いアルバイトをいろいろいじっていじめていた。

 さつま揚げ、イワシシソ揚げ、おでん、焼うどんなど食い、ウーロンハイがぶ飲みして10時まで。一本締めでお開き。帰宅してメールチェック。太田出版Hさんからと学会年鑑の会員の原稿に取り上げられている事項について問い合わせがあったのでそれにのみ答えて、すぐに寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa