4日
日曜日
マクロファージはかき捨て
タイトルに意味はない。朝7時ころ目が覚め、しばらく床中でじっとしている。思い出し笑いなど時折漏らすのが自分でも気味が悪い。続いて、あのときアイツはこんなことを言ったが、あの言葉使いは何だ、などと、今度は思い出し怒り。フトンの中でじっとしているときの頭の働きというのは自分の自由にならないところが面白い。8時近くにやっと起き出す。最近ノボセ気味なので黄連解毒湯を送ってもらったのをのむ。朝食、K子にジャガイモとニンジン炒め、私は胚芽パンにチーズとジャム。
ゆうべ書き落としたことだが、楽屋にケーキが差し入れされていた。それも無茶苦茶に甘そうなやつで、岡田さんが大喜びしていたのはもちろん、眠田さんと私も、一回目と二回目の休息時間での疲れ養いにいただいた。食べながら“これ、ウチの女房が楽屋に来てみたら、きっと「なに、そのクソ甘そうなものは!」とか怒りまくるだろうなあ”と言ったのだが、終演後、楽屋に来たK子が、さっそく目にして“なに、そのクソ甘そうなものは!(K子は大の甘いもの嫌い)”と罵り言葉を吐いたので、眠田さんが“わー、ホントに言ったー”と大喜びしていた。基本行動原則に忠実な人間というのは、見ていて楽しいものである。
シャワー浴びている最中に、SFマガジンの短編のアイデアがまとまる。ウディ・アレン調のものになりそうである。日記つけているところに母から電話。他人の言葉づかいのがさつさでイラついた話をずっと聞かされる。親子で他人の言葉使いに神経を痛めさせられるのも、業であるかと思う。鶴岡からもひさしぶりに電話。仕事の話などを少し。彼の元には、まだトラッシュポップフェスの展示物、返却されていないそうである。ちょっと心配になってきた。中野監督や加藤さんのもの、大丈夫だろうか。確認をしておくべし。
原稿、Web現代に少々難渋する。今回はちょっと毛色の変わった内容。単行本にするときのアクセントになるかと思う。昼は冷凍讃岐うどんをもどして、ゆず胡椒で食べる。これでこの讃岐うどんも最後か、と思ったら非常にいいタイミングで、Nくんから昨日のオタアミ招待の礼状メールにそえて“また送ります”とのメッセージ。
昼飯食ってだるくなり、少し横になる。英文の資料を読みながらだったので、スグ眠くなってグーと三十分ほど。最近は昼寝から覚めたときが一番調子が悪く、手足はしびれ頭はぼやけ心臓はケッタイし呼吸は苦しく、死ぬかと思うほどである。まあ、すぐ正常に戻るのだが、普通、昼寝すると爽快になるものではないか? 快楽亭から電話。10日のオールナイトのトーク、一時間ほどで、ということだったが、私らのときだけ特別に一時間半でお願いします、とのこと。談志よりも長い時間をもらうのは名誉なことである(そうでもないか)。まあ、快楽亭と映画の話なら一時間が二時間でも尽きないだろうが、予備のテープは作っておいた方がよさそうである。
札幌のじゃんくまうすさんから目録が届く。私らの『UA! ライブラリー』が巻頭商品になっているのに驚いた。まだ印刷所からアガってきてないのだが、通販で予約を受け付けているので、注文はお早く。お申し込みはここで。
http://member.nifty.ne.jp/uramono/ualib/uatop.html
6時、原稿取りあえずアゲ、買い物に出かける。道がえらい混雑。地方の車が大量に都内に入り、それがぐるぐる回っているらしい。渋谷近辺の路駐もはなはだしい。帰って、談志の『子ほめ』のCD聞きながら夕食の支度する。豚バラとモヤシの蒸しもの、キノコ鍋、キュウリ酢の物。それにきのうロフトで裏モノの黒さんから貰ったワイン。キノコ鍋に、スーパーで売っていたハモを入れるが、くんせいみたいなパサパサのハモだった。ただし、ダシはよく出たようだ。あと、御飯ほんの少々に札幌から送ってきたカレーかけて。
ビデオで怪談もの2本。『事件記者コルチャック』の『凍結細胞から生まれた北極原人』(相変わらずサブタイトルが長い!)の回と、若山富三郎が民谷伊右衛門役の『怪談・お岩の亡霊』(加藤泰監督)。コルチャックはもう、大塚周夫の独演会を聞いているおもむき。ストーリィなどどうでもよろしい。字幕で見たらまったくイメージが違うんだろうな。若山富三郎の伊右衛門、落魄の浪人という役とはいえ、セリフまわしなどまるで無頼漢で、どうしても武士に見えない。鼻下のヒゲが目立ち、まるきり『極道』の島村オヤブンである。祝言の晩にも無精髭を剃らないのはヒドいではないか。最後、直助(近衛十四郎)の死に様はきちんと見せて、伊衛門の方はロングで映すだけ、というのもどうもよくわからない。とはいえ、虐殺シーンなど、加藤泰演出の押し殺した迫力の妙味だけは十二分。