10日
土曜日
ヒジョーに検非違使ーッ
蛇口一角、平安京にあらわる。朝7時起床。今日はオールナイトなので、も少し遅寝の予定だったのだが、こういう日に限って6時ころ目が覚めて、本など読んでしまう。雨、降り続き。昨日ほどではない。朝食は、木村屋の和風食パンにチーズとジャム、果物はイチゴとバナナ。
日記つけ、風呂。おとつい取り替えた歯間ブラシ、今度のは調子よし。こういう小さい幸福というの、昔は大バカにしていたが(今でも小バカにしているが)、それでも年をとるとなんとなく、わかるようになる。鼻をかんで、一度で鼻汁が出切ったときに感じる達成感みたいな、後で考えるとホントにどうしようもない感じでも、人間幸せになれるのである。これは最近の発見であった。
昼は豚肉とキノコの塩胡椒炒めに菜の花の味噌汁。五穀御飯というのをパックで温めて。米、キビ、アワ、ハトムギ、オシムギをブレンドしたものだそうである。こういう雑穀類を交ぜた飯が、ふつうの飯よりいまや高いのである。これを11時ころ食べて出かけ、東急ハンズに買い物に行き、そこから新宿にタクシーで出て、ビデマに行く。こないだレンタルしたビデオ類を返却するためであるが、もちろんそれだけで済むはずもなく、いろいろ買うのである。レンタル会員になったときには、これは安あがりでいいわ、と思ったものだが、かえって店の策略にハマったと見るべきであろう。それでもいいものが手に入ると(DVD時代を見越してか、最近、貴重盤ビデオをどんどん放出しているようである。放出と言っても決して安くないし、ちょっと待てばDVDで出そうなものもあるのだが、ツイ買ってしまうのである)。店長さんから“『APE』のDVDが入りましたよ!”と声をかけられる。これが客引きになる店というのもここくらいであろう。ちょっと心惹かれるが、既にビデオで持っているのと、地域コード1なので、今日は控える。そろそろ地域コード対応のデッキを買わ なくては。
予定では帰宅して、今日のビデオトーク用のビデオを編集し、それから一眠りして体力を温存してオールナイトに臨む、というハズであったが、ビデオ編集しているうちに、アレも入れたいコレも入れたいと欲張りはじめ、とうとうK子と待ち合わせの時間ギリギリになってしまう。新宿で睦月影郎さんと合流、7時半に池袋着。新・文芸座の近くの北海道居酒屋『北の国から来た男』(すごい店名だね)に入って、腹ごしらえをする。生イッパイ、もっとやりたかったが眠くなるのでウーロン茶にして、いろいろと雑談情報交換。睦月さんの女性関連の苦労ばなしなどを聞く。なんか“男男といばるな男、男ぁ女の油さし”って歌を思い出す。
K子と睦月さん残して先に文芸座楽屋入り。下に快楽亭の新弟子のブラッCが待っていてくれた。Yさんといろいろ文芸座ばなし。旧文芸座のことがいろいろ思い出されて、胸がキュウとなる。話すうち、打ち上げのことに話が及び、エッ? と聞き返したら、トークが終わったらこっちは打ち上げに行って飲んでしまえばいい、とのこと。なアんだ。楽屋に中田雅喜さんが来てくれる。打上げに誘って、いよいよトークに入る。客の入りが最初薄いのが心配だったが、三々五々入ってくれて、最終的には7分以上の入りとなる。オールナイトでなら大したものである。ビデオ、ちょっとモタつきもあったが、まあ見られる。快楽亭が持ってきたお宝が、日曜劇場でやった山田洋次演出の『らくだ』。くず屋の久六が長家の若旦那に変更されているが、これが渥美清、らくだが犬塚弘、兄貴分の半次が若山富三郎、それに今回はそこまで上映しなかったが大家が柳家小さん。渥美清の口の回りのなめらかさに感動。
終わった後、快楽亭のおかみさんと秀次郎は『妖怪百物語』を見に残り(しばらくして“感動しました”と帰ってきた)、われわれは打上げに近くの寿司居酒屋へ。中田さんの独壇場となる。Yさん、“ブラックさんと唐沢さんのコンビはウチの定番にしたい”と喜んでくれた。2時近くまで話し込み、睦月さんの帰るタクシーに便乗させてもらって渋谷まで。タクシーの運転手が汐路章みたいな顔をしたおっさんだったが、これが運転ヘタな上に道を知らず、だいぶ遠回りした。3時帰宅、やれやれとい う感じで就寝。