裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

20日

日曜日

日記メモ

朝10時起床。
凄い大金持ちに地方都市を案内される夢。
自家用車内で本格的フランス料理が食べられるシステムになっていて、
まず食前酒にキール・ロワイヤルが出たところで目が覚めた。

書き下ろし原稿、カリカリ。
荒船山山中に遺体発見、臼井儀人さんらしい。
マスコミに一切顔を出さない人だったが、一度だけ、仕事で
お顔を拝見したことがある。と、言ってもその場(私や半田健人
くん、お笑いタレントの人たちとかがクレしん映画について語る
カフェ)の隅にお客としてぽつんといらして、姿は見かけたが
てっきりエキストラ要員だと思っていた。
そして、番組が終る間際に姿を消し、司会者が
「あちらのお客様からこれを」
と何かを渡される。見ると、色紙にしんちゃんの絵と
「これからもオラをよろしく」
と添えられた(文句はウロ覚え)サインがあって、みんなが
「あの人が臼井先生?!」
と驚くという演出。とはいえシコミではなく、マジでみんな驚いた。

人知れずそこにいて、人知れず去っていく……そういう生き方は
カッコいいものではあれど、今回みたいな去り方はいただけない。
生きていていただきたかったが……。黙祷。

日曜なのでメールも最低限。
K子とちょっとメールやりとり。
母とも。
探し物で時間をつぶしてしまう。

5時、家を出て中野芸能小劇場。
アンドナウの会“某“上映会。”某“なのは完全予約制なので。
某プロダクションの方々が大勢見えており、Kさん、Nさん、Sさん、Fさん
などを席に案内するときにちょっと胸がときめく。
芦辺拓さんご夫妻も来てくださる。
一方で、完全予約制と知らなかった方々をお返しすることになり、
心痛む。唯一、川崎からわざわざやっていらしたという80近い(?)
お婆ちゃんとその娘さん親娘のみは、あまりに気の毒と思い、
入れて差し上げた。

110席の小劇場、ほぼ満席の盛会となる。
まず上映前に氷川竜介さんと挨拶に立ち、このフィルムの現在の状態や、
レンタル会社での保管の状況などを説明し上映、それから
氷川さんと30分ほど対談。
宮崎駿さんとの関係などからはじめ、
私は内容と時代、製作国の当時の事情などを中心に。
氷川さんはパースペクティブのことなど。
それからもう一度上映。入れ換え無しでやったが、何と半数近くの
人が”もう一度“鑑賞してくれた。これを逃したら今度はいつ、という
気持ちがあったのだろう。

終映後、映画関係の方など、多くの人から”いいものを見せていただき
ました“”対談が興味深い内容でした““よく上映してくださいました”
とお礼を言われる。こんな上映会も初めてである。
主催者のTさんと、“やってよかったね”と語り合う。

撤収準備をしていたらFさんのお使いの方がきて、
「皆様の打ち上げの足しに」
とカンパを手渡してくださる。さすが、気配りが違うと感服。
ご本人なら厚意のみ受け取って固辞するのだが人を介されては、
その人が子供の使いにならないよう、受け取らざるを得ず。
これも上手なやり方だ、とひとつ、勉強になった。
Tさん、受付のNさん、N女史、上映技師のぎじんさんとアニドウ
メンバーの某さんで、金竜門で打ち上げ。
Fさんからのご厚意を使わせていただく。
上映会にいらしたマイミクのかきたまさんも同じ店にいらした。
もちろんシャオヤンロウ、待望の(前回は“仕込み中”という
ことだった)ニラミソも出た。ビール、大変おいしく乾杯。
話はずんで、11時半ころ解散。
充実した会だった!

Copyright 2006 Shunichi Karasawa