裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

9日

水曜日

びよーんの妻

「腹の皮つまんでひっぱると延びやがるんだよ、ウチの女房」

※T社原稿 『安屋敬一郎のX−ファイル』3ステ

いい気候になってきて朝晩、寝やすし。
その分、ベッドから離れたくなくなる。
そんな中の夢。
舞台が珍しく、タイかフィリピンの高床式の住居。
家長は70過ぎの老人で、暴君の如く家人の上に君臨している。
家族ばかりでなく使用しているロボットもこきつかい、
新婚のロボット(こういうものが出てくるところが夢である。
『禁断の惑星』のロビーに似ていた)の奥さんの方が、
夫の体を気づかってもおかまいなしである。
それを見ていた私がキレて老人につかみかかり、
「オレやあんたはもういつ死んでもおかしくない歳だ。
若い奴らに少しは親切にしてやれ!」
と怒鳴りつける。

9時半朝食、葡萄(マニキュアフィンガー他)、野菜サンド。
野菜サンドはパンが余っている由で、劇場に持っていくように
指示される。

自室に戻り、原稿。
天候かんばしくなく、どよんとした曇天。
とはいえ、〆切は過ぎており、何としても今日中にあげねばならぬ。
資料本等前にして、書き出す。

途中、快楽亭ブラックからの電話連絡もあり、何度か中断
しながら書き続け。
昼は母の室でカレーうどん。うどん少し固いが、ダシは実にうまく
全部飲み干してしまう。

原稿、3時45分にアゲ。途中何度もオチそうになるのを耐えて、
書き切った。400字詰め換算10枚。
たまらず、ベッドに倒れ込み、30分ほど気絶的な眠り。
パルコブックセンターにひさしぶりに行ったら閉店していた、
という夢を見てギョッとして飛び起きる。

母から貰ったサンドイッチ持って下北沢。
『安屋敬一郎』三度目。
どうも気がゆるんだか、みんなミス多し。
中でも一哉アニキがいきなりセリフミス(間違えて呼びかけるところを
正しく呼びかけてしまった)、ストーリィが台本にして4ページ
飛んだ。みんな楽屋で大笑い。しかしそこで自己紹介するはずの
キャラをどうするかなど、大慌て。

「舞台で黙秘権使わないでほしい」
とニヤニヤしながらシヴさんが文句つけていたが、しかし
シヴさんは上手い。いくつ引き出しを持っているんだろう。

終って、何か非常な疲れを感じる。これは舞台の疲れではなく、
原稿書きの疲れだろう。ハッシーが竹橋の店に誘ってくれるが
ちょっと竹橋までこれから行く気力はなし。
オオゼキで買い物して帰宅、マグロの刺身とレタス鍋で
酒飲んで寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa