裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

26日

金曜日

胸の谷のナウシカ

宮崎キャラの胸って案外大きいよね。

※ミリオンコラム3本目 『リーディング・ホラー』本番

赤ん坊が産まれる夢。
大柄でかわいらしい赤ん坊だが、喉のところに赤いボタンが
ついており、これを押すと眠るので、便利だなと思う。
やがてその子は育って自分で歩くまでになるが、ガガンボを
蛇蝎のごとく嫌い、たたき殺す。
家族(ヒゲ面、作務衣姿の男で、誰だかわからず)がその
ガガンボの死骸を捨てようとしたら、まだ生きていて逃がして
しまい、子供が嫌うものをなぜ逃がした、ときつく叱る。

5時に何故か目が覚めてしまい、寝床読書。
7時に再度寝て、上記の夢を見る。
9時、起床。バナナダイエット朝食。
北海道のMさん(ファンの人)からメロンが一箱、届く。
こりゃ劇場に持って行かねば、と思ったが、メールを見たら
劇場にもすでに送ってあるとやら。

10時入浴、日記二日分つけた後、ミリオン11月新刊
『カルトの泉』のコラム、3本目。
スピードあげて書く。
要は書き出しが問題で、ここがうまくいかないと着地も
うまくいかない。

弁当はさんで(牛肉とピーマンの炒め物)、書き上げて
Yくんにメール、急いで家を出て、下北沢。
風がすっかり秋の風。ちょうど外で看板を出すなどしていた
松下あゆみに、
「季節の変わり目をこの劇場で体験しちゃったんだなあ」
と言ったら、そうですよねえ、と感慨深げ。

本日は朗読劇。
二村ヒトシ監督と鈴木希依子ちゃんと私。
二村さんと私はそもそも、何でつきあいはじめたんだっけ。
もう、そんなことも忘れるほど、古いつきあいである。

ダンドリ、照明の打ち合わせ後、読み合わせに入る。
希依子ちゃんと二村さんの組み合わせがどうか、一抹の不安
あったが、二村さん喜んでくれているよう。
一番難しい言い立てのところがやはりまだなので、
二人で演技をつける。
しかし、最初の読み合わせのときにかなり不安だった希依子ちゃん
の朗読、この二日間で見違えるまでに上達。
自分が楽しんで読んでいる、ということがよくわかる。
二村さんも、やはり根は演劇畑だな、ということが、
劇場での打ち合わせで表情がどんどん演劇人のそれに
変化していくことでわかる。
やはり、芝居小屋はホームグラウンドなのだ。
最後までの難関は音楽で、最初用意した現代音楽はちょっと
二村作品には不気味すぎてダメ、『黄昏』でも使った
叙情系のに変えるが、今度は尺あわせが難しい。
音響のMくんが頑張ってくれて、なんとか調節し、それに
ラストを〆る私が合わせてセリフをおさめるようにすることにする。

朗読劇は地味なものなので、入りが心配であったが、
今日にスケジュールをあわせてくれた編集者の人なども
おり、また、母から電話で、今日行くわよとのこと。

ケンタ1ピース、腹に入れて押さえにし、
さて、いよいよ本番。
簡単な挨拶の後、まずは前座でルベルの『暗中の接吻』を
希依子ちゃんと二人で朗読。
希依子ちゃん、顔中汗まみれの熱演。
私も大いに熱を込める。

続いてがいよいよ二村さんに登場願って、
『さるにされる』。
この話、大好きなんである。そのうちアンソロジーを
組むことがあったら、ぜひその中にも収録したい。
かなり複雑な話だと思うのだが今日のお客さんカンがよく、
ツボツボでちゃんと受けてくれる。
私はスケベな中年風俗誌編集者、店長のばあさん、そして猿の王の
3役。どれもすでに自分の持ち役としているもので、特に今日は
猿の王が評判よかった。
希依子ちゃんも好演だが、最終稽古のときが一番よかった。
ここは残念!
とはいえ、2番のよさではある。

そしてラストの音楽、私のセリフと見事にシンクロ。
ぴたり、とセリフ終りと合わさる。この気持ちよさといったら。
これを体験してしまうと、舞台というものから離れられなくなる。
まあ、麻薬であろう。

開田さん、バーバラ、QPさんなどと挨拶。小学館のSさんも
来てくれていたようだったが仕事の合間に抜け出してきた
とのことで、すぐ帰社していた。

打ち上げ、金曜でもありえん屋。
中央公論のKさん、アスペクトのK田さん、それにS社Tくん
R社Sくん、さらに二村さんの担当の編集の人など、出版系
打ち上げとなる。
希依子ちゃん、臆せずに二村監督にAV業界の話を聞いていて
感心だと思ったが、途中からなべさん加わって、話がどんどん
ディープになってきたので、オノたちの席に避難させ、
こっちはオトコ同士でディープばなし。
2時過ぎまで、またまた飲み明かし。

※本日の主演3人。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa