裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

11日

木曜日

アルカイダのテロリスト、WTCに911(くいちっち)

なんでなんでなんで、どうしてどうしてどうして自爆がそんなにいいんだろう
                     (911被害者追悼タイトル)

※『パチスロNEO』原稿、B社企画打ち合わせ、ミリオン出版原作(ラスト)

朝9時起き、45分朝食。
3時就寝だった割にそれほど寝不足感なし。
朝食、バナナダイエット。

遅れに遅れた『パチスロNEO』の原稿。
短いコラム、という意識が常にあるのだが、
さて字数を書き出す前に確認して、あ、こんなにあったのか
と思うことしばしば。
オタク的なダベりを主にした原稿なので、
書いても書いてもまだ足りない、という意識があるのかも
しれない。

某業界最大手から打診あり。
期待はしないで待つことにする。
こういうことで稼いで金にならない趣味に使いまくるというのが
理想なんだがなあ。

弁当、サバの塩焼き。
それから、昨日半チクになってしまったミリオン原作、
これが最後の一本だ、と力入れて書き進む。
カーテンを閉めきって仕事していたが、あけて外を見ると驚いた
ことにスコールのような大雨。

途中、4時に新宿へ出て、ニュートップスでB社打ち合わせ、
の筈が相手なかなか来らず。オノからのメールを確認したら、
4時半から、だった。本も何も持ってこなかったので
無聊のまま30分、過ごす。
半、今度は一階と二階で行き違いになったようで、
何とか落ち合えた。

B社社長N氏、編集ディレクターのAさんを紹介してくれて、
以後はこの女性が担当になる。
コンセプト説明がこのN氏はやたら明確であり、
具体的。ただし、そのコンセプトに合うスタッフを探しだすのが
明確なだけに大変かもしれない。
来年二月に向けての作業、今日から始動。
全部予定通りに回っていけば、それ以降三つのプロジェクトが
最終的には平行して動き出す。

終って、西口のハルクで買い物。
さらにちょっと所用で調べごと、まず一安心。
地下鉄で帰宅、ミリオン原作、今日じゅうに終らせるべく
ラストスパート。
その間に買ってきた豚タン一本(360円也)を
ネギ、ショウガ、ニンニクと共に1時間半、茹でる。

原作、元ネタの事件は資料調べていくうちにたまたま見つけた
もので、これが最終話になるという意識はまったくなかったが
まとめの部分で、本自体の総括になるようなテーマが浮かび上がって
きた。おお、と思う。

9時ジャストに書き上げ、編集YくんとK子にメール。
思えば実際の進行打ち合わせが7月4日であった。2カ月半の
作業時間で完成か。ふう、と息をつき、茹で上がったタンを薄切りにして、
香菜入りのニンニク味噌ダレを作り、これで。
あとは刺し身コンニャクと茹で落花生、ラッキョウなど。
酒はこないだのお仕事でいただいたチューハイ缶。

DVDで『ミドルトン一家ニューヨーク万博に行く』
をやっと見る。午前様続きで見られなかったもの。
1939年製作の、ウェスティングハウス社のプロモ映画プラス
時代を反映した反共愛国映画みたいなおもむき。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001EMT996/karasawashyun-22
大規模な工業の機械化は、国民から仕事を奪うのではないか
(そこをコミュニストにつけ入られるのではないか)という、
当時よくウェスティングハウス社に寄せられたであろう
FAQに答える映画にもなっている(もちろん、機械化により
作られた製品は質がよく、安いので消費が拡大し、産業も拡大し、
仕事の需要も増えるのです、という超前向きな回答であるが)。

この博覧会の名物だった人造人間エレクトロの動く映像も貴重
だが、とにかく1939(昭和14)年のアメリカの生活水準の
高さに仰天する。この映画を観たら、日本も対米戦争に突入する
気がかなり失せたのではないか。

ミドルトン一家の長女がつきあっている彼氏を、両親も祖母も
早く家に連れてきて紹介しろといい、長女は彼とはつきあって
いるけど恋人じゃないわ、本当に好きな人は別にいるの、と
告白する、というくだりも実にアメリカ的。
「日本では娘につきあっている男性がいると聞くと親は心配
するが、アメリカでは娘が年ごろなのにボーイフレンドの
一人もいないと聞くとかえって親は心配する」
と教わった(本で読んだ)のはこの映画から30年もたった
昭和40年代半ばのことである。
ちなみにこの長女を演じたマージョリー・ロードは当時人気の
B級映画のヒロインで、ベイジル・ラスボーンのシャーロック・
ホームズ映画などにも出演している。

映画は彼女をインテリぽい美術論でごまかしてモノにしようと
していた隠れ共産主義者のマカロフのインチキをあばいて
追いだし、元の彼氏でニューヨーク万博の案内係をやっている
ジムと彼女がヨリをもどしてハッピーエンド。
脚本の無理さ加減もいかにも時代であって、結構でした。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa