裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

8日

月曜日

タバスコが目にしみる

香辛料運は悪くない〜(中島みゆき・歌)

※NHK『熱中夜話』総集編収録 『トンデモ怪談噺の会』@下北沢

朝9時起き。
酔って寝たので覚えてないが、ちゃんと服をクローゼットに
かけ、ズボンはたたんである。
酔わずに寝たときの方がそこらに脱ぎ捨ててあったりしないか。

9時半朝食、バナナダイエット。
『特ダネ!』に今日出演する談笑が出ていた。
NHK『熱中夜話』収録のため、暑い中背広を着て出る。
途中コンビニで買い物をするが、ちょっとアクシデントあり、
一旦家に帰らねばならず、時間をロス。

15分遅れでNHK到着。
特番あるせいか、控室が満杯だそうで、ぐるぐると廊下を曲がり
くねったサザエのどんけつみたいなところ。
時代がかった木製の洋服掛けや、昔の学校にあったような
スピーカーにちょっと感動。昭和の香り。

デスクのYくんに挨拶。
奥様の焼いたチュニジアパン(このあいだ『ハンニバルドゥー』
に行ったとき、モンデールにくわしくレシピを教わっていた)
をいただく。

メイクして、共演の朴ロミさんに挨拶。
マイクテスト時に
「二日酔いです〜」
とやったらスタジオでウケていた。
総集編なのでいつもの番組群に比べ、セットが簡素。

今回は総集編で、これまで半年間に放送された番組の名言、
名場面集。真田幸村ファンの女性の
「ノー幸村、ノーライフ」
だの、鉄塔マニアの人の
「出来れば家にも一本、鉄塔が欲しい」
だの、ビートルズマニアの人の
「(ホワイトアルバムを聞くのは)国民の義務ですから」
だのセリフの後に、私の
「(ヒーローソングは)熱くなきゃダメなんです。熱いというのは
濁点なんです」
が取り上げられていた。

司会のビビる大木と田丸麻紀も、今日はそれほどアテられる
相手がいないのでいい感じで調子出していた。
朴ロミさんはこの番組のナレーションの他、愛犬家の回にも
登場して、
「犬を抱きしめたときのクサい匂いがいいんです!」
とか言って見せ場を作っている。

私はと言えば、二日酔いなのでしっかりしなければ、
と思っていたのが逆にテンション高めたが、いやもう、
しゃべるしゃべる。自分でも呆れるくらいしゃべって、
普段よりしかもイイコトを言う。
自己採点で言えばこの数カ月の番組出演の中で一番
エエコトを言った。
収録終ったあと、ロミさんに
「よく、頭の中で考えていることをすぐ言葉にできますねえ!」
と感心された。雑談で、お互いが芝居をやっていることがわかった
ので、終ったあと、楽屋でチラシ交換。
しかし、横山智佐さんといい朴ロミさんといい、
最近声優づいている。

事務所に寄って、FAX(去年開発した抱きマクラ、
好評につき今年も販売継続決定とか)、荷物など受け取り、原稿。
講談社週刊現代マンガ評。
これを書き上げて、急いで下北沢へ。
入り口のところでフワリさん、リクトくんと会う。
すでに談之助、談笑が入っていた。
照明、音響、出の手順などのチェック。
寄席と違いこういうことを細かく打ち合わせをするあたりが演劇。
遅れてきた鯉朝さんも無事、入った。
楽屋では談之助が、怪談の部分では鯉朝が、それぞれネタの確認で
ぶつぶつ。新作の会ならではの光景。

横山智佐さん、腹巻猫さんも来場。智佐さんからは手作りの
“ルパンあんパン三世”をいただく。Yくんの奥さんからの
パンといいルパンあんパンといい、よくパンをいただく日。

で、開演。前座代わりに出て、今回の怪談噺の会の趣旨を説明。
さらにこっちのミスで一部告知で出演者が快楽亭ブラックに
なっているが、もしお客様の中にあの毛唐を見に来たという
物好きがいたらお詫びを、と。
ネタは以前怪談の会でやった『カゼッタ岡さん』。
怪談部分の語りがうまく言ったので、どんでんの部分での笑いが
凄まじく大きく、内心しめしめと。

続いては鯉朝、リクエストで『動物圓(園ではない)』。
バージョンアップで、グロっぽいギャグがさらに付け足され、
ますます凄い話に。
「まったく、いつやれなくなるかわからない話なんで」
と言っていたが、これはぜひまた近々に演じてもらう場を作ろう。
それから談之助は、今回の相撲騒動のアブナいネタふりから
めくらの小せん作『支那の野ざらし』という、
放送禁止用語が二つ並ぶこれまたアブナい話。
作中にも支那関係の雑学的ネタがいっぱい。
とはいえ、野ざらし自体は支那の『笑府』にある話
(楊貴妃の骨を弔ったらその晩楊貴妃がお礼にと夜伽に来たという
話を聞いた男が、自分もやってみたらその骨は張飛の骨で、
その晩張飛がやってきて「お礼に尻をお貸ししたい」と言う、という話)
の翻案なので、こっちの方が本家なのだ。
こっちではやってくるのを張飛でなく樊噲に変えているのは
オチの都合だろうが。

そしてトリは談笑。これもリクエストで『猿の夢』。
途中でタバコを吸うシーン、いくつかの会場では本当に
火をつけて吸って、あとでお目玉をくらっているが、
ここはもし火災報知器が鳴るとマンションじゅうの警報が
鳴る仕組らしいので、吸う真似だけ。
オノが、そこでハラハラしながら本多慎一郎さんを
見ていたとか。ちなみに慎一郎さんはそのシーン爆笑していたとか。

終って、智佐さん腹巻さん、jyamaさんQPさんなどに挨拶。
まちゅくみさんは遅れたので私の話だけ聞けなかった! と
残念がっていた。
しかし、私は最近演劇業界人ぽくなっていたが、虎の縞というか、
やはり感性は落語寄り寄席寄りの人間なのだな、とつくづく思う。

智佐さんのルパンパン、みんなで食べる。
“可愛い〜”と女優陣に大評判。
しゃくれ形のあんぱんに、チョコで顔を描き、髪の毛のところは
ゴマ入り生地で。手がかかっていることよ。

文福で打ち上げ。
話題いろいろ、談笑さんの弟さんが以前あぁルナにいた、という
話でやはり盛り上がる。なんでも以前は寿司屋をやっていて、
寿司屋の娘とできちゃった婚をし、その娘の家の店を継ぎ、
一気に嫁と子供と仕事と都内の家を手に入れたとかで、
談笑曰く
「やたら気の早いわらしべ長者みたいな話で」
というのに笑う。
本多さんはこの落語会、またやりましょうと言っているようで、
レギュラーにするか、とハッシーと話す。

二軒目行きましょう(恒例)となり、新雪園へ。
ここでもワイワイ、結局帰宅二時過ぎ。
ええと、ホラリオン開幕から今日で一週間、一日除いて全部
午前様。よく次の日に起きて仕事とか出来ているものである。

※写真は朴ロミ(名前のロがワープロにない文字なのでカタカナ
表記)さんと、横山智佐さん作の“ルパンあんパン三世”。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa