裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

16日

水曜日

ぬこに釘

動物虐待をする人間には、何を言っても・・・・・・。

※『創』対談ゲラ戻し 『御利益』小屋入り

朝8時、目が覚めてしまう。
睡眠時間4時間半。
つらくなければいいが。

こないだ代替案を送った某企画、向うも種々、便宜をはかって
くれているようでありがたく思うが、いろいろ考えた末、
その便宜には乗らず、ひっこめることにする。
平山亨の教えを信奉する身としてのモットーは
「ひとつの企画に拘泥するな」
なのである。こだわってああだこうだいじくって所期のものと
形が変わってしまうよりは、次の企画を通すことに
全力を傾注すべき。

9時、朝食。
デコタンゴール(しょこたんブログと語感が似ている)と
ブドー(ひさしぶりの表記)、イチゴ。
移転前の羽田空港の食堂には、フルーツプレートモーニングという
果物とコーヒーの朝食セットがあってお気に入りだった。
いいものから無くなっていく。

原稿書きカリカリ。
カリカリというのは原稿用紙にペンを走らせるオノマトペだが
今はもちろんそんな音はしない。敢て表現すればキーボードの
パチパチであろうか。しかしそれでは感じが出ないんである。
月刊『創』オタク清談。私の話がグズグズなので、
かなり手を入れて、書き下ろしみたいになる。

上記のものとは別のところに出そうとしている企画、
これは代替案の代替案にあ、コレガアッタというものを
思い出したので、ちょっとそっちでまとめることにする。
それにしてもこの頃、企画を立てることが多く、また楽しい。
私はこれまで、本とか連載とかの企画書というのを立てた
経験があまりなく、だいたいが編集者との打ち合わせ、というか
雑談の中で“これこれこういうの、どう?”“あ、それ面白そう
じゃないですか”という感じで決めていて、そっちの方が
何かギョウカイジンぽくて気に入っていたのだが、
最近は企画書作りが趣味みたいになっている。
明確に方針が定まるし、スケジューリングしやすいのがいいが、
逆に、雑談での企画なら流れてもそう惜しいという気もせず、
忘れてしまうものを、企画書にまとめたものが流れると、
何か長蛇を逸したような気になって落ち込んだりすることである。
実際は企画というのは、どんな形のものであれセンミツ(千のうち
三つしか通らない)なのだ。

昼は弁当、ピーマンと肉の炒め物。
さらに原稿書き仕事して、3時、家を出る。
渋谷の仕事場に寄り、今回医者の役の人のために、
以前紀伊國屋の舞台で使った医療カバンと聴診器を
持って、下北沢へ。

丸ノ内線で新宿、小田急で下北沢。
車中、書評用読書。
全く期待しないでとった某書、意外に引き込まれて読んでしまい、
どうしようか迷う。
病気、老齢の著者が自分の死期を見据えた遺書的な本であるだけに、
ある種の迫力が伝わってくる。露悪的な描写(ことに性に関して)の
くりかえしに辟易させられるところはあるが・・・・・・。

下北沢駅前劇場。
エレベーターで三階へ。
ちょうど仕込みがほぼ終わって、場当たりが始まるところ。
照明、音響のチェック、暗転時の出ハケのタイミング確認などを
やりながら、本番用の舞台を作っていくのだが、この時点での
ギャグやセリフの変更もいろいろある。

全員、疲れがピークに達していて、なかなか動きがつらい
部分もあり。私も観ながら何度かオチそうになる。
疲れというより寝不足だろう。
今日は麻衣夢ちゃんがレコーディングで来られない。
代役をじゅんじゅん(吉澤純子)がやったが、ちゃんと
麻衣夢のセリフが入っており、立派に代役を務めていた。
ナベさんが感心していたが、私もびっくり。
まあ、彼女は台本チェック役(変更点などの)で、
稽古時もプロンプターを務めていたので当然とは言えるが、
こういう子はのびる。
引き換えて私はもう、昨日の緊張感がとけたか、今日はぐずぐず。

途中までつけて、後は明日。
まだ今日にいたるも飲みに行く組があるようだが、
仕事もあり、私はまっすぐ帰宅。
サントクで買い物しようとするが、12時までやっている店で
10時の段階でほとんどの商品が品切れ。驚く。
仕方なく、鴨肉と豆腐、レタスを買って帰り、即席鍋仕立て。
メールチェックなど。
いろいろあって、トンデモ本大賞、司会を緊急にやる
ことになる。構成台本をまた変更しなければならないが、
この時点でよかった。

レベッカこと菊ちゃんから電話で、『御利益』、予約電話に
唐沢さんからの紹介で、とあるだけで名前も連絡先も入ってない
のがある、とのこと。驚いて、mixiで訊ね人をかけたら、
運のいいことにマイミクさんだった。

それにしても、企画もイベントも執筆も、全部、複数のものを
同時に進めている自分にあきれる。
生来の貧乏性で、複数の仕事をかかえていないと安心できないので
あろう。それで始終ヒーヒー言っている。
これは改めねばと思うが、当分改まりそうもない。
蕎麦湯氷割焼酎2杯飲んで、早め(と、言っても12時半)就寝。

※向川圭介くんと菊ちゃん。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa