6日
日曜日
北大路オタンチン
オタンチン・アスパラガス。
※『ラジオライフ』原稿
8時起床、ちょっとストレッチ。
今朝の夢は
「カエルは生物ではない」
という命題をくどくどと説明する先生の話を
聴き続ける、という夢。
9時朝食。
イチゴ数粒、オレンジ小半顆、ヨーグルト、
カブのスープ小カップ。
一年くらいずっと、朝食時にサクロフィルをのんでいる。
去年の夏、体調不調から汗に嫌な臭いがついてひどかったせいだが、
のみ始めて半年でそういう臭いが消えた。
まあ、これは暑さが過ぎて汗をあまりかかなくなったせいかも
しれない。果たして本当に効いているか、今年が楽しみである。
日記つけ、この一年のいろいろ楽しみなことに
思いを馳せる。
とにかくシコミシコミ、と思って仕事。
ラジオライフ原稿11枚半。
チャールトン・ヘストン死去の報に感慨深し。
父がわれわれ兄弟を誘って見に連れていってくれた最初で最後の
映画が『十戒』だった。
中学一年くらいのときだったか。
“神様”をどう描くのか興味があったが、炎の中から響く声、
で処理していたのに感心した。
このとき、神の声をやったのはアシスタント・プロデューサーを
やっていたドナルド・ヘイン。
あれだけの大作映画なのだから、もっと大物役者にやらせて
いたかと思ったが、案外そこらへん、手近で間に合わせていたのだな。
この『十戒』や『ベン・ハー』など、映画で神の声を聞く
役が多かったヘストンだが、1990年、ポール・ホーガンの
『Mr.エンジェル・神様の賭け』では神様の役を特別出演で
やっていた。出世、というべきか。
それにしても、本名ジョン・チャールス・カーターというのに驚く。
映画監督になっている息子がフレイザー・ヘストンを名乗っているが
七光りを期待してのことか。
伊丹十三の『ヨーロッパ退屈日記』は、ヘストン主演の映画
『北京の55日』に伊丹が出演したときの撮影日記だが、
出演している俳優たちがどんなにバカ話に興じても、最後は必ず
ヘストンへの賛辞になると書いてある。
彼はいい奴だ、あんないい奴はいない、背広はまったく似合わない
けど、彼は本当にいい奴だ、と。
確かにヘストン映画で彼が背広を着ていたシーンはあまり
記憶にない。
トーガ(歴史物)か、ジーパン(西部劇)か、あるいは
裸(猿の惑星)か。
いや、もちろんオーソン・ウェルズの『黒い罠』など、
背広を着た役もいっぱいあるのだが、彼が背広を着た姿の
イメージは、その人望から就任したさまざまな団体の
代表として、だった。
映画俳優協会、そして全米ライフル協会も。
彼の政治意識はどちらかというとリベラル派だった(人種差別反対
運動で政府と何度も対立している)が、マイケル・ムーアなどから
保守反動の親玉のように描かれたのも、団体の代表であるからには、
その会員の利益を守るのが責務という、友人たちからの信頼を
裏切れない、人間性によるものだったのだと思う。
私のお気に入りは、彼の役柄の中では珍しい悪役の部類に属する、
リチャード・レスターの『三銃士』『四銃士』における
リシュリュー枢機卿。
猫背のギプス、つけヒゲ、つけ鼻などでヘストンとは思えない
メイクをして、一筋縄ではいかない策謀家の枢機卿を見事に演じて
いた。実はこの役はヘストンの前に、ジーン・ケリー主演の
『三銃士』で、怪奇役者として有名なビンセント・プライスが
演じていた役どころ。
ヘストンがプライスのやった役を演じたのはこれが二回目で、
最初は『地球最後の男オメガマン』。これがプライスが主役を
演じた『地球最後の男』のリメイクなのである(ウィル・スミス
のは三度目)。
なお、この二人、『十戒』では共演。ヘストンは言うまでもなく
モーゼで、プライスは奴隷を酷使するエジプト人の総督バーカの
役だった。
彼以上に演技のうまい役者は今後も出てくるかもしれない。
しかし、彼のように70ミリの大スクリーンが似合う、スケールの
大きい役者は出てこないのではないか。
映画の黄金時代は過ぎたのである。
先日のリチャード・ウィドマークの死去にもからみ、
真にそういう感じがする。
昼は頬肉のハッシュド・ライス。
コンドロイチンが凄まじい。
食べながら、原稿書き進む。
前回に引き続き大名秘話みたいな話になってしまった。
5時まで、どこにも出ず、ひたすら原稿書き。
完成させてフー。
新宿まで出るが、出ただけで疲れ果てて、ほとんど
何もせず帰ってくる。
原稿に体力気力を使い果たしたか。
メール、こないだ母になったばかりの子から、第二子を身ごもった、
という報告。これが正しい一般女性のありかたなのだろうが、
ちょっとまごつく。
ネギトロ巻、煮卵、イカクンなどで酒。
いろいろと浮かぶアイデアを書きためる。
資料ビデオみなくてはと思うが結局安きに流れて古い戦争もの
など見つつ、蕎麦湯氷割焼酎4杯。
1時半就寝。