裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

15日

月曜日

オーバー・ザ・レインボー将軍

早口で読むこと。

※アルゴピクチャーズ打ち合せ DVDデラックス打ち合せ 『幽』原稿

ゆうべの『巨人と玩具』の影響そのままの
オムライス(ハヤシライス?)開発競争史の夢。
しかしユニークなのはその開発競争のエピソードごとに
ウィキペディアの次のキーワードをクリックして
先に進んでいく。
パーティでそでの下をばらまくために大量の紙幣を
銀行からおろさせたり。

7時半、起床。
風邪、なんとかおさまる。
入浴、洗顔。
日記つけなどして、9時、母の室で朝食。
ピオーネブドーと二十世紀梨、それに味噌汁(卵入り)。
卵入りはダイエットによくないとも思うし、
卵一個くらいどうってことないとも思うし。

自室でいろいろ雑用。
今日の打ち合せ用の資料など揃えたり。
昨日のmixiの検索ワードの2位だか3位だかに
『ヅラ刑事』があったのに笑う。みんな呆気にとられたので
あろう。最初の10分見て、これは録画してゆっくり
見ようと思ってとってある。

長崎の12歳の少女誘拐“お兄ちゃんは悪くない”事件で
ネットは混乱状態、“これ何てエロゲ?”ってコメントを
数十個も数えた。私は『シベールの日曜日』を思いだす。
あの少女(パトリシア・ゴッチ)も12歳だった。

長崎は以前に12歳男児の幼児殺人事件があったところ。
チャンポン食ってると発育が早いね、と社会派くんなら言うところ。
しかし別に長崎でなくても、今の12歳なら恋もするし
(今回のが恋かどうか知らないが)殺人もする。
私の12歳当時を思い出してもマセとオクテの差は雲泥であった。
一線を引かないと法律は施行出来ないのだろうが、
一概に“まだ12歳”などというひと括りは無意味であろう。

握り飯で昼飯とって、急いで外出。
地下鉄で赤坂見附。駅からあがるところで声をかけられて、
見たらDちゃんだった。出がけに美人と会うのは幸先よし。
そこから歩いて、赤坂のアルゴピクチャーズ。
山脇学園の裏手はややこしいので迷うかなと思ったら
すんなり来られた。

O社長とHさんと打ち合わせ。
出している企画に類似(と、いうか元祖みたいな大物)の
企画が動いていることがわかり、その対策。
もっとも、話を聞くとこっちとは大もとのテーマが共通な
だけで表現はたぶん全く違うものになるのでは、ということで、
とりあえずは静観。月末にこっちのやること片づけたあと、
向うの情報ももう少し入れて、再度打ち合わせを、と。
アルゴピクチャーズの人がこないだのブラックの落語会
来てくれていたそうで、私の落語を絶賛してくれたとか。
他にちょっと、と学会関連で相談事も。
それに関連して、無茶苦茶偶然だが、『巨人と玩具』の話を
出したら驚いていた。
川本三郎がいま、アルゴの企画の映画教室で、イチオシしている
作品だそうである。

そこからちょっと次の予定まで時間空いたので、
赤坂見附付近まで遠回りしながらぶらぶら。
ここら、再開発されないことを願う。
見附の駅近くの青野で、赤坂もちを買う。

そこからタクシーで渋谷、東武ホテルでDVDデラックス
K谷くん打ち合せ。昭和末期のロリコンブームについて。
他にあまり客がいなくてよかったが『ヘイ! バディー』
などテーブルの上に置いて話すのはちょっと気が引ける。

事務所に帰り、オノが今日はいないので一人で赤坂もちで
お茶。やはり私は麻布青野のウグイスもちの方が好みかな。
きなこの香りが向うの方が上、なのである。

もともと麻布青野の鴬餅は『圓生の録音室』(京須偕充)で
圓生の好物(『圓生百席』はこの近くのスタジオで収録された)と
知って立ち寄って買ってみたのだが、ギャガやブエナビスタ
の試写室が近くなので、試写があるたびに買って食べている。
食べるたびに圓生と、それから『ウルトラQ』のバルンガを思いだす。
変なものを連想するものだが、なにしろバルンガの奈良丸博士こと
青野平義がここの3代目当主で、この鴬餅も彼の発案によるもの
だというのだから仕方がない。

青野平義は家業のために文学座をやめたが、役者の道を諦めがたく、
弟に店を譲って(ここらへん、潮健児さんにも似ている)
再び文学座へ。しかし、賀原夏子らが文学座を脱退、劇団NLTを
立てたときにそこの代表となった。劇団設立と運営に多大な努力を
をしたことで、今も六本木に青野平義記念館があるほどの大物だが、
その活動のバックに、老舗の菓子屋の御曹司としての豊富な資産力
があったことが大きかったろう。

新劇界に重要な貢献をした人物なのに、『ウルトラQ』はじめ、
『仮面ライダー』では怪人イソギンチャックに襲われる鉱山師の
老人とか、『人造人間キカイダー』ではダイダイカタツムリ
開発チームの一員(確か)とか、何故か特撮・ヒーローものに
奇妙な役で出演している。われわれにとっては嬉しい人だったが。
あ、昨日の私の日記に芦辺拓さんがつけてくれたコメントにあった
『マンモスタワー』にも出演しているのであった。

食事会の店の予約をしたり、雑用すませ、
風邪で執筆が遅れていた原稿、書き始む。
『幽』の連載コラム(4000W)を7時までかかって
書き上げる。図版がないとちょっとわかりにくい原稿になった。
それから、バスで新中野まで帰り、サントクで
買い物。タラのアラがあったので求め、これでバター煮。
タマネギとニンニクのみじん切りを炒め、塩コショウした
タラの表面を焼き、これにスープと白ワイン(無ければポン酒)
を加え、好みで醤油、砂糖も少々、最後にバタを半かけ入れて
煮る。できるだけコッテリとした味にした方がおいしい。

ホッピーやりながら晩飯。
サントクで買ったトロのにぎり、脂っこすぎて半分残し、
パストラミサンドを作って食べる。
12時、就寝。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa