裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

6日

土曜日

三遊亭炎上

ブログコメント、御乱心!

※『探偵! ナイトスクープ』電話出演 『エンサイスロペディア』キャプション 大和書房マンガ部分原稿 『第四回奇想天外シネマテーク』

朝、7時ころ目が覚めて書評用の本をひろい読み。
昨日の飲みすぎのせいか、鬱っ気。
なかなかベッドから出られない。
無理して起きだす。

8時半起床、入浴。
札幌の実家にいた頃は風呂は夜入るものだったし
東京で暮し始めても銭湯は一日の締めくくり、だったのが
結婚してからいつの間にか朝風呂が習慣になり
その後帰省したら何と実家までが朝風呂派になっていた。
昔は朝風呂は正月のものだったのだがな。

9時、朝食。
二十世紀梨、アレキサンドリア、カボチャスープ。
『ぶらり途中下車の旅』、旅人が小泉孝太郎。
出てきた“自動串刺し機”が面白い(焼き鳥や団子など、
何でも自動的に串刺しに出来る)。
こういうの、昔から飽きずに何時間でも眺めている子だった。
YouTubeで“自動”で検索。
http://jp.youtube.com/watch?v=99lhDJ6fhIU
↑自動たこ焼き機

http://jp.youtube.com/watch?v=PkBxVQw5Brs
↑コーヒー自動販売機。オチがいい。

http://jp.youtube.com/watch?v=Bc3oXFx7sC4
↑特許出願自動ジンギスカン鍋洗い機。

http://jp.youtube.com/watch?v=_2YRRSEb3Sw
↑台湾の自動黒板拭き機。そんなニュースでやるほどの発明か?

http://jp.youtube.com/watch?v=SUjyYWp0vKk
↑能登の回転式自動干しカレイ製造機(?)

日記つけなどし、台湾旅行幹事のK川さんにメール。
旅行の日がちょうど北海道での講演仕事にかぶさっている
ので、その対策につき相談。

午前中はずっと明日の東洋館での落語の稽古。
地噺が楽なので『紀州』にすることは前から決めていたが
さて、どうやるか。圓生のテープそのままじゃ芸がないし。
12時半、母の室で昼食、サバの味噌煮と
落葉(キノコ)の味噌汁。
ナメコよりあっさりしていていい。
これ、どうも長野で食べたイクチと同種らしい。

1時半に予定では『探偵! ナイトスクープ』から
電話あるはずが、高速道路が三連休初日で異常な渋滞らしく
まだ東京に到着していないという。
そう言えば長野に向かった開田さん一行のバスも渋滞に
巻き込まれているそうな。
結局、途中何回か連絡あり、電話インタビュー(松村邦洋
さんの)を受けたのは2時間遅れ。

ネタは90歳のお婆ちゃんが記憶していた二村定一の歌。
二村定一という人の説明に、
「ほら、誰でも知っている“♪恋人よ懐かしい歌を歌おうよ……”
の『アラビヤの唄』を歌った人」
と言ったが、松村さん、この歌を知らなかった。
えー、知らないのか、今の人は。

そしたらその会話を聞いていた90歳のお婆ちゃんが、即座に
「♪砂漠に日が落ちて……」
と、ほぼ完璧に歌ってくれた。
お婆ちゃん、ナイス。

しかし、これで原稿仕事なども2時間、繰り延べになって
しまった。パチスロ必勝法Neoのキャプション、大和書房の
K子担当分原作、送るのが4時近くになる。
今日は夕方から怪獣ファンクラブGの飲み会、
また銀座で夜からあぁルナのコントライブがあったのだが
どちらにも行けず。残念。

しかし今日はさらに深夜から池袋新文芸坐での
『奇想天外シネマテーク』のトークがあるのだ。
原稿アゲて、9時半池袋まで。
文芸坐、入り口近辺にもうかなりの人数。
楽屋で本日の映画選定者の中野貴雄監督、IPPANさん、
しら〜さんと挨拶。
中野監督、日記で最近ダイエットをしているということを
書いているので痩せているかと思ったらかえって肥大している
感じ。大丈夫か。

受付のところに降りて、jyamaさんなど知り合いに挨拶。
オノ&マドも来る。rikiさん、匠の寿司を差し入れ。
にぎり、さすがの美味。
某所の話なども聞く。なるほど、そういうトリックか。

10時半、出て45分のトーク。
お客、かなり入っている。いままでで最高ではないか。
やはり新東宝映画は集客力あるのか。
新東宝という会社へのわれわれジャンク好きのあこがれ
から話をはじめ、どんどん客を置いていくトーク、
しかし場内は中野トークで爆笑に次ぐ爆笑。
「岡田茂さんが石井輝男監督の葬儀でスピーチしまして、
“忘れもしない石井輝男の映画で、何という映画だったか……”っ
て、忘れてんじゃん!」
など、もうブレーキがきかない。

「新東宝の女優ってのはいろいろと名称があって、ヴァンプ女優、
わき毛女優、ヘビ女優……」
と私がフると、
「何か、オイル女優とか三面女優とかもいそうですね」
と中野監督。
「古代女優とか宇宙忍者女優?」
「古代女優ってのは山田五十鈴ですかね」
などと。いや、これほどバカバカしい話題も世の中にちょっと
ないであろう。

トーク終って、サインなどして、いよいよ上映開始。
最初は小野田嘉幹(平田昭彦の兄)の『女奴隷船』(1960)。
中野監督の話に、大蔵貢が大河内恒平の『九十九本目の妖刀』を
映画化するにあたり『九十九本目の生娘』という日本語として
おかしいタイトルにして大ヒットさせた、というのがあったが
これも原作のタイトルは『お唐さん』(中国へ売られる従軍慰安婦
のこと)。それを『女奴隷船』ってタイトルにしてしまう
(奴隷船は前半1/3しか出てこないのに)のが新東宝テイスト。
「ストーリィラインがまるで見えない」
と中野監督が言う通り、ドンデンに次ぐドンデン返し、
強い奴が出てきたと思うともっと強い奴がさらに出てきて
話をもっていく。
で、一番ツオい奴として出てくるのが丹波哲郎。
主役の菅原文太と共に、裸をやたら見せて女性ファンを
キャーキャー言わせた(当時)のだろうが、銀ラメで前のはだけた
ジャニーズみたいな衣装を着ているのが大笑い(このとき38歳)。
渡辺宙明の音楽が異様にカッコいい。

休み時間にロビーでハッシーに挨拶。
ちょっと頼みごと。
それから次が『怪談・本所七不思議』(1957)。
さっきの『女奴隷船』が、丹波哲郎の非常識なまでの
カッコいい悪役ぶりを観る映画だとすると、こっちは
天知茂の非常識なまでの悪の色気を観る映画。
痩せぎすでまつげの異様に長いその美貌。
このとき26歳。
それにしても、タヌキの恩返しという子供向けのテーマで
不倫乱脈極まるストーリィ、まったくこの当時の映画は
あなどれないな。

明日があるのでここで失礼し、
オノ&マド、アスペクトのK田くんと恒例になった
焼肉のいろは。
人物月旦などいろいろ楽しく、真露ガブガブ飲んで
ニンニク焼きガバガバ食べた。
明日の体臭はひどいことになっているだろうな、と
思いつつタクシー相乗りで帰宅。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa