裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

13日

土曜日

サグラダ門外の変

ガウディの教会の門前で井伊直弼暗殺!

※文化放送アンケート 風邪っ引き

不快な夢で6時ころ目覚め、二度寝して9時起床。
風邪っ気抜けず。
入浴せず朝食、二十世紀梨、リンゴ、茶わん蒸し。

日記つけ。
黒川紀章氏の訃報、asahi.comのニュースより
wikiの書き換えの方が早かったとのこと。呵々。
mixiに書いた私の訃報文へのコメントに、
「ビッグボックスの改装を見ることもなく亡くなって」
というのがあった。あれもまた、黒川氏の設計だったのである。
と学会の例会が早稲田で行われることになって(その前は
駒場東大だった)からは定期的にこの下で待合わせをする
ようになったが、いつも瀬戸物とか、古本とか、干物とかの
即売会が行われていた。黒川紀章の設計した中で最も
庶民的な建物だったと思う。

11月に予定していた台湾旅行、キャンセルする。
室蘭での講演と重なるので、前半をキャンセルし、
後半日程から参加の予定だったが、室蘭〜台北の飛行機賃が
それだけで安価ツアーの台湾旅行代くらい出てしまうのと、
その近辺の予定が単行本〆切、落語公演、舞台公演、いずれも
ギチギチに詰まってきて、ちょっと身動き取れなくなったため。
非常に残念だが仕事には替えられない。

昼12時ころ、パイデザが母の室に昼食に来るので、
ご相伴。カキフライ、カキのチャウダー。
仕事のこと家庭のこと、いろいろと雑談。
K子の逸話でみんな笑う。
安倍首相のDVの話など、へえってな情報もあり、
ワイワイ話しているうちについ、2時過ぎになった。

自室でいろいろ雑用。
来週出演の文化放送から来た質問表に回答。
60年代の映画でおすすめのカルト作品を、という設問、ただし
「番組が番組なのであまり猟奇的でないものを」
というのが難しい。『地獄』とかはダメか?

計算機何度も叩く。『アンドナウの会』の目的でもある、
“ペイする企画”の最低ライン出し。あそこでやると入場料
いくらで、席数いくつだから……と計算。結局、興業という
ものはスポンサーの冠がないとせいぜいトントンにしか
ならないことを確認したにとどまる。
みんな苦労しているんだなあ。

体ダルくなり(風邪のせい、というより風邪薬のせい)、
4時ころ、ベッドに入る。本読むうちトロトロして、
7時半まで寝てしまう。
起きだして、サントクで買い物。
今日、外出はこれだけ。

手間のかかるものは作りたくないので扁炉(ピェンロー)。
ちょっと作り過ぎたか、と思ったがぺろりと食べてしまった。
「鼻風邪はおそろしいほど飯を食い」
か。日本酒とホッピー。

DVDで久しぶりに中野貴雄監督の『女体渦巻地帯』(1992)。
これも風邪気味の目で見るには最高の作品。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002J52U2/karasawashyun-22
このあいだの文芸坐でのトークでも新東宝映画に対し
熱い想いを語っていた中野監督だが、その気持ちはこの当時
から全く変わっていないのだなあ。
ワンシーン出てくる監督本人を見ると、体形はかなり変わって
いるが。一方で二村ヒトシは体形も雰囲気もまったく変わらず。

ペイ(麻薬)の密売屋の親分、平賀勘一と子分の二村ヒトシの会話。
「ところで親分、ペイって何ですか」
「そんなことオレに聞くな。麻薬かなんかの一種じゃねえのか」
「でも語源は」
「しつこいなお前も」
「気になります」
……確かに昔のアクション映画には何の説明もなくペイの密売って
のが出てきたなあ。
老婆心から解説すると、ヘロインの粉末の白色から、
白の中国語読みパイが隠語になり、それがなまってペイになった
のである。

12時過ぎまで結局飲んでしまい、昼間寝たから寝られるかな、
と思いベッドに入るがいつも通りグー。あれは昼寝ではなく
風邪でのダウンだから睡眠時間に入ってないのかも。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa