裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

18日

水曜日

ワルトハイマー病

昔ナチスにいた? 忘れたのう。

※ブックフェア用原稿 打ち合せ二件

朝、6時に目が覚めて二度寝。
そのときに見たのは
「牡蛎の身のような色をした、薄い長方形の牛肉片が
ミルフィーユのように重なり合っていて、その端っこの
方が燃えており、それが“君の家だ”と言われる」
という、ダリの絵みたいな奇っ怪な夢。

8時45分、目が覚めて入浴。
体力の消耗が激しいので、昨日からだが補中益気湯を
試みている。気のせいか、足のむくみがずいぶん軽減した
感じがする。もっとも、補中益気湯の副作用のひとつに、
むくみというのがあるのだが。

午前中、いろいろ雑事でイラつき、仕事にならず。
『シング・シング・シング〜昭和のジャズソング名唱選』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HUJE/karasawashyun-22
の戦前編を聞く。ヘレン隅田の個性が凄い。
昼は母の室で鶏そば。

2時には家を出ようと思っていたのだがなんだかんだで
2時半になってしまう。車中、買った『サイゾー』を読む。
『オタクギョーカイの闇』の記事。昨日の対談で話が出た
“オタク老害”の話、この記事中では“第二、第三世代対
第四世代”というククリになっていた。私からすれば第二、第三
はほぼ、カッコでくくれるように思うのだが。
それにしても、岡田さんと私のククリが“と学会”というのは
いかがなものか。むしろ“オタクアミーゴス”の方が適当だろう。

荷物が続々と届く。お中元、寄贈本、通販で買ったもの……。
3時半に、時間割。
B書房打ち合せ。編集Eくんと、今度クロスワードパズル
から来た編集さん、実質作業をお願いすることになる。
11月に刊行予定という話になるが、その時期、たぶん
他の本もラッシュになると思うので、いろいろ調整が
必要となるだろう。
『新・UFO入門』の理論をこっちの本でも敷延して
欲しいと言われる。なるほど、そういう応用が出来るか。
偶然だが、別の打ち合せをしていたバーバラと並びの席になる。

1時間ほどで打ち合せ終えて帰宅。
原稿書き、H書房のフェア用原稿。書庫から、もう十年も
手にしていないかつての愛読書をひっぱり出してくるときの
ちょっとした嬉しさ。

その執筆の途中で、こないだインタビューした原稿の
チェックが届く。いいかげんなことをしゃべりまくっていたので
かなり訂正。
さらに、上の応接室で仕事しているオノからいくつか
メール。それへの対応。

今日は6時に築地で打ち合せなのだが、原稿、その他連絡事項
全て終えたのが6時。急いで事務所を出て、
タクシー拾って築地へ。途中、数寄屋橋のところで
丸川珠代の選挙演説。応援演説の平沢勝栄が、
「本人も泣いて謝罪しております。反省しておりますので
ぜひ、一票を……」
とやっていた。気持ちはわかるが、しかし選挙演説としてどうか。

打ち合せ、なんとか間に合う。
編集長と話しているところに、ハッシーから電話。
そう言えばもう、『地獄の楽園』顔合わせだなあ。
終ったあと、骨折と台湾旅行のことでちょっと話が盛り上がった。
8時半終了、出した原稿の訂正などが来ていないかの
確認のために、一旦仕事場に戻る。
H書房のIくんからは
「なんという瑣末なことを取り上げた内容!」
という絶賛の(と、注釈があった)メールが来ていてホッと。

そこから幡ヶ谷。植木不等式さんと待合わせだが、
なんと、昼も偶然隣り合わせだったバーバラが、しら〜さんと
打ち合せで隣の席にいた。そればかりか、マイミクの
u3coverdaleさんとまるさんも(この二人は別々に)店内に。
「株主総会か」
と驚く。しら〜、バーバラの二人は席に呼んで、一緒に。
植木さんが知りあいから貰ったという中国の白酒を持ってきて
くれたが、そのビンのデザインが、ちょっとインディ・ジョーンズ
シリーズの小道具みたいなデザインで面白い。
開け方が最初わからず、コイン投入口のような穴があるので、
ここをコジあけるのでは、と五百円玉を差し入れてウンと
力を入れると、上の飾り蓋が取れる。
その飾り蓋の中に何か、紙が丸めて詰めてある。
なんだろう、と開いてみると、これが何と中国の10元紙幣
だった。何なんだろう、消費者還元かしらんと、みんなで
話しあう。

台湾旅行で食べたものなどの話で盛り上がる。
臭豆腐を今度ぜひ一度食べてみたいと私が言うが、
しら〜は、以前夜市で臭豆腐の麻婆豆腐というのを見たこと
があり、怖気をふるったという。
思いついたのだが、落語の『酢豆腐』、あれはもともとは
臭豆腐だったのではあるまいか。それがいつのまにか
(江戸時代、臭豆腐など知っている人が少なかったろうから)
スドウフになったのではないか。実際、春風亭昇太などはこれを
“台湾名物”として演じているという。

昨日と同じく、店に入ったときは食欲がほとんどなく、
酒ばかり飲んでいたが、酔いが回ると元気になってきて、
最後に残ったリーメンまでさらってしまった。
12時、先に帰ったバーバラを除く、男三人でタクシー
乗りあいで帰宅。

シャワー浴び、メールチェック。
仕事絡み三件、一件は例のイギリスのテレビのことで、
うーん、協力はしてもいいが金にならなさそうだな、という
内容だった。やはり取材力に懸念があるところは……
という感じ。

あとの二件は出版絡みと映像がらみ、どちらも思っていた
以上の好感触(あちらが積極的)、おお、と小さく声をあげる。
連絡を各関係者に一応メールして、就寝。
K子が寝室を片づけているので、パスポート等重要書類の
在り処が一瞬わからなくなってあせる。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa