裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

28日

水曜日

テレビ打ち合わせと焼肉、の記

朝8時起床。アリナミンとコンドロイチンのおかげで筋肉痛だいぶ緩和。

朝食9時、ブドウ、ナシ、バナナ。昔から『テレビランド』でファンだった山田ゴロさんからマイミク申請があり、喜ぶと共に驚く。なぜ私のことを知っていたのだろうか?石森キャラのシャープな線が、この人のペンにかかると何とも可愛げのある、暖かい絵柄に変貌するのである。午前中かかってアサ芸『こんニュー』原稿書き上げ。徳間K元氏とツチダさんにメールして、急いでタクシー飛び乗って渋谷、時間割。1時、マイ・プランK氏。

テレビ関係の某件。最初K氏からお話が来たとき、こちらでO氏主軸にして進めていた件が、ちょうど持ち込み先とかに共通項あったのでこれは合体させれば強いだろうと思い、一本化させた。ところがそれが裏目に出たというか、お互いの思惑の違い(K氏の方は企画の規模を大きくしてどーんと通してしまおうという風、O氏の方は規模はそこそこにして、その代わりこちらの都合のいいように切り盛りできるようにしようという考え)が次第に顕著になり、またO氏の悪い癖の、内容より個人的つきあいの範疇で企画を通してしまおうという行動が露骨になり、さらにそれにK氏の方の連絡ミス、O氏の病気など、悪い材料ばかり重なってペンディングになってしまっていた。

改めてK氏と会って企画を見てみるに、なかなかの力作。こちら側の条件を提示して、今後、K氏側とO氏側の両面展開でやってほしい、もし万が一双方通ってしまってもなんとか対応するから、と言っておく。

本音を言えばもし仕事が決まるとするなら最初は規模がそこそこのものの方がいいし、もともと私にテレビ仕事の口を作ってくれたのがO氏なので袖にはしたくないが、ビジネスの相手としてはK氏が断然やりやすい。

いろいろオトナの事情で肩が非常に凝ったのでタントンマッサージで一時間、揉み込んでもらう。仕事場に帰り、〆切を長く放ったらかしておいた『男の部屋』の肉特集ムック原稿。

田村町『あら皮』の取材原稿である。書いているうちにやたら格調高いというか、大仰な文章になる。しかしまあ、あら皮のステーキを表現するのだから多少は大仰な方がよろしかろう。

ステーキのことを書き上げて原稿送って、すぐ焼肉の会へと向かう。5時15分、新宿西口地上ロマンスカー改札口。二見書房『雑学授業』打ち上げで相模大野『八起』ツアーである。

原稿だしたのがギリギリだったので間に合うかと気を揉んだがちゃんと時間チョイ前につき、なんと自分は運がいいんだとほくそ笑んでいたが、どうもホームの様子がおかしい。

聞いてみたら、なんと小田急線は今朝11時ころ、工事中にケーブルを間違って切断、そのために今日はロマンスカーは全日全面運休だという。

あちゃあ、と天をあおぐが、しかしまあ、これが午前中の事故で、いまこの時点ではダイヤに乱れがあるとはいえ小田急線そのものは快速も特急もちゃんと運行しているのが不幸中の幸い。

さっそく昨日とっておいたロマンスカーのチケットを普通の乗車券に清算。本当は昨日領収書をとっておいたのだが、それくらいはゴマカさせてもらう。

……そして、この事故でよかったことがもうひとつあった。最初におぐりが来て、それからYさんとカメラマンのIさんが来たのだが、藤本和也さんがなかなか来ない。
Yさんが“場所を間違えたのかも”とJR口や南口へ走るがおらず、しかも藤本さんは携帯を持っていないので連絡取りようがない。

ついに、本来ロマンスカーを取っていたら間に合わないという時刻になって、ふらりと現れた。単に時間に遅れただけ、というのが理由だったそうだがいかにも藤本さんらしいとはいえ困ったもの(携帯持たないのは別に主義主張からではなく単に持ちそびれたということらしい)。ロマンスカーを取っていたら、置いていかざるを得ないところだった。

結果としてOKだったのかも。六花マネも来る予定だったがちょっとトラブルあり来られず。事故の起こりそうな運気の日なのか?

快速で相模大野、八起。お母さんいつものように迎えてくれる。色紙におぐりとサイン。で、出てくる肉はタン塩筆頭にこれまたいつもの超美味肉。カルビをほおばったときのみんなの表情と目の輝きがCGみたいな変化を来した。さらにラムチョップ、レバ刺し、Yさんおかわりでまたカルビ。

みんなが肉に酔っているときに、ここがまた藤本さんでこの人、肉が一切食べられない。もちろんそれを最初にお母さんに言ってあるので刺身、サラダ、野菜煮付け、それから大きなタカベを丸のまま、焼肉の網で焼いてくれる。こっちの方が貴重かもしれない。とはいえ、みなみな肉に魅入られていて一切手を出さず。おぐりが角切りレバ刺しに塩、という取り合わせでおいしいおいしいと口に運んでいた。肉食いだな、この子は。満腹して、恒例の写真撮影、それで新宿まで帰還。

なんかいろいろ話したはずだが覚えておらず。テレビの件を話したらおぐり目を丸くして
「今日、初めて聞きました」
「うん、オレも今日、初めて聞いたんだ」
酒に、というより肉に酔った感じ。帰宅して半身浴、浴槽で山口敏太郎監修『本当にいる日本の未知生物案内』(笠倉出版)読む。

装丁を見たら井上デザインだった。仕事幅広いなあ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa