12日
月曜日
対談と原稿と稽古、〆で酒の記
朝7時半起床。朝食9時。冷やし茶わん蒸し、リンゴ。テレビ見つつ自民圧勝原稿一本目。「木村べん氏当選!」とアナウンサー言うのでえっと耳を疑ったが、同姓同名の別人だった。
メーリングリスト回ってきて、稽古場集合、5時半の予定が7時になる。内田春菊からひさしぶりに手紙。以前、なにか新刊と共にお願いごとの手紙がはさまっていたものをウチに送っていたらしい。読んでくれましたかー、とある。仕事場の乱雑さゆえに見のがしたか。改めてその先日の手紙のご用事なあに、と返事を書く。とんと黒ヤギさんである。
近況、彼女らしくまたフツーじゃない家庭状況らしく、しかしそれを自分のアイデンティティにしている風もあり。『ひよパジャ』、誘っておく。昼2時15分前、神保町。路地奥のカレー屋さんでイカリングカレー。家カレーを外で食べているという感じで、案外うまかった。
集英社会議室で担当Sくん、ねがっち。旧担当Mくんも同席、ちょうどよかったと渡し忘れていた夏コミ同人誌進呈。
見沢知廉氏の話ちょっとMくんと。以前担当していたとか。マザコンだったから、残された母親が可哀想だとMくん言う。私は目の前で自殺された恋人の方が可哀想だと思う。おぐりちょっと遅れて来社、顔中に汗をかいていた。対談、二回分。
フェチオタク系記事に、以前のMくんは半分は理解を示していたが、新担当Sくんは“ケッ”と吐き捨てるような反応でおぐり大笑い。しかし、昨今の週プレはバンカラ半分オタク半分で成り立っているのである。対談は面白いおぐりの反応も得てつつがなく終了。秋口の写真撮影を行う。
これから劇団の事務仕事に向かうというおぐりと一旦別れて仕事場、自民大勝原稿二本目。案外時間かかり、完成が7時回る。45分に東大島。東京のこっち側はどうも苦手である。
稽古。昨日は完全に素で演じていたが、今回は50代という設定年令にやや沿ってやってみる。わざとくさくなった感あり。ここの芝居の中ではちょっと浮く。ただし、私個人としてはやや、ツクった方が演技は楽。どっちをとるか、だ。
いんちきフランス語もまぜてみる。それにしても、『ただいま!』の医者に比べると役づくりの楽なこと(あの医者のキャラは最後までよくつかめなかった)。あれをこの調子でやれていたらなあ、と思う。
座長、おぐり、しま、奈緒美、コバーン、それにしなっちという中心メンバーはそれぞれのいつものキャラだが、今回は現在若手トップの金沢くん、それから今回が初舞台の新人久保田くんの二人がそれぞれ新鮮なキャラで大変に目立っている。金沢くんは以前の役とは見違えるようだし、久保田くんの、これまでのうわの空の芝居にはちょっとなかったやや反社会的なキャラが非常に風貌などとマッチして、ひょっとしたらこの舞台、この二人がブレイク候補かも、とさえ思える。
帰りはしなっちに車で送ってもらう。
「忙しそうですねえ、しかし」
と言うので、10月のスケジュールをちょっと話したら
「死にますよ、それ」
と呆れられる。新宿で降ろしてもらいK子に電話、虎の子へ。シシャモのスモークと、真鯛とミョウガの生ノリ和え旨し。磯自慢の大吟上おかわりおかわり。11時半には帰る。
K子はこないだの午前様が翌日の仕事にやはりかなり響いたらしく、
「もう夜明かしはやらない」
と言っている。どうだか。