裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

15日

木曜日

明日は初日か、の記

朝5時起き、寝ぼけ眼でモノマガジン映画特集号原稿。与えられたテーマは面白く、もっと時間的に余裕のある状態で書けばかなり凝れたのだが、なにぶん忙中にて、ざざっとかいなでしたような感じのものになる。もっともマニア向けじゃないからこの程度の濃さがかえっていいか。

書き進めつつシャワーしたり朝食(アボカド、ブドウ)とったり。完成させメール、10時、タクシーで渋谷。

ルノアールで『創』対談、岡田さんo((゜♀゜))oさん(何と読んでいるのか、みんな)と対談。二人とも夏バテ気味。

終わってその足ですぐ、池袋へ。昼飯食う時間確保できないので途中でコンビニでサラダドッグとチキン一本、買ってタクシー拾い車中で食べる。食べ終わったあたりで運転手さんに
「……テレビでお忙しいと食事もままなりませんねえ」
と言われる。アラ見てたのね(このフレーズ、自分で書いていて懐かしすぎ)。車中でアマゾンから電話。

10/22のアニメ夜話収録で北九州へ行ってくれないかと。こう急に来るところを見ると誰かがドタキャンしてきた代役か、と思う。すぐスケマネに電話して確認するが22は方向真逆の仙台で講演。

「“カラサワもおかげさまで忙しい身なので、こう間際のスケジュール押さえでは御期待に添えない場合が多く……”と嫌味言って断わるように」
と指示。なに、たまたま重なっただけなんだが(笑)。

シアターグリーン、5階のエリア171。ちょうど舞台設営中。家から持ってきた工芸品ぽい食器や置き物などを配置、ギャラリーらしくする。後半を中心に稽古。最初は前回と同じく50代教師あがり、という設定でセリフ回し等やるが、途中で座長から人物設定変更の指示、初日前日にこういうことのあるところがうわの空の痺れるところ。

スの自分にもどした方がよくなるが、なかなか戻らないのに自分で苦笑。途中アクシデントで流れちょっと中断されて緊張感走るが、基本サクサク。残暑見舞いに“舞台に立ったりしています”と書いたら、その一行で数年会っていない親戚から予約電話が入ったり、いろいろ。

携帯に電話、原稿催促一本、別件で進めている企画の件一本。また説明がややこしくわかりにくくなるが、要するにいま進んでいる某企画の、立ち上げの頃提出していたもう一本別の企画、こっちはてっきりその後の状況推移により消えたものとばかり思っていたら生きていて、なにやら大手が詳細を聞きたいと言ってきたので資料を用意できるかという件。

ちょうど稽古は私の演ずる人物が退場するシーンをやっていたあたり。この件も、すでに退場したと思っていた人物がキーマンなのだが、現実には退場したと思っていても思いがけずにまたひょいと舞台中央に顔を出してくる。稽古はどんどん進み、ラストも形になる。

小さなピースがかちりかちりとはまりはじめ、全体像が見えてきた感慨を書き連ねてもいいが、それよりはその役を稽古の中で完成させられないもどかしさが自分で演じていると先にたつ。私はやはり台本主義者なのだなあ。

10時、小屋を出て、打ち合わせ兼食事あるらしいが原稿あり、後ろ髪引かれつつ帰る。一旦渋谷の仕事場に寄り資料取って、新中野で豚キムチラーメン。

メールチェック、今日の別件の件、噛んできた大手についてブレーンH氏に調べてもらったがノープロブレム、ただしH氏曰く、こんな大手が噛んでくるとはよほど業界自体が過当競争なのですね、と。

モノマガ原稿は編集長からバッチリとの返事。しかし一日のうちに舞台に出る顔、原稿書きの顔、そして企画プロデューサーの顔、と使い分けが大変。怪人20面相にでもなった気分。

SFマガジン原稿。
曜日を全くトリ違えていた。半身浴して疲れを取り、ベッドに。

3時ころ、簿記の勉強終えて帰ってきたK子に例の企画、動き出したらそっちの仕切りでやるようにと指示。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa