28日
月曜日
イメクラのお市
あの、松山容子さんみたいな衣装で。朝7時50分起床。なんかぐっすり寝た。このところの睡眠は熟睡(だからあまり変な夢も見ない)、時間もたっぷり取れていて健康的である。ただし、下唇の端が、口唇炎の治りかけのカサブタを歯ではがしてしまって痛いのと、右の鼻腔の中がちょっと腫れていて、鼻をかんだりつまんだりすると痛むのが気になる。朝食、おなじみのスープ煮。K子にはジャガイモとカボチャの繊切り炒め。田中真紀子×鈴木宗男対決、鍔迫り合い続く。怪獣対妖怪という感じ。円谷系と水木系のキャラ。NGO問題よりこっちの方で国民が大喜びするのが、日本がワイドショー文化たるところである。
私は鼻をしょっちゅうつまむ癖があるので、鼻腔の腫れが痛いので往生していたらちょっと西手新九郎、Web現代でこないだ紹介原稿を書いた“鼻摘みフェチ”サイトの人のメールが編集部から転送されてきた。こないだの風船フェチサイトもそうであったが、フェチ系のサイト運営者の人というのは、さすが、われわれ平凡人とはいささか異なった感性の持主で、ふつうでは思いつかない部分にいろいろ要請を出してこられる。今回の訂正要求も、普通なら“なんで?”というようなものだったが、担当Yくんと、“凡人にはわからぬこだわりがあるのだろう”ということで、それに応えることにする。
『と学会年鑑2002』、確か正式に書店に並ぶのは今日から、のはずだったが、なんと、もはや増刷決定。しかも増刷部数がちょっと近来にない(初刷部数もかなりのものだった)数。なんでも取次がそろそろと学会本に慣れてきて、各書店への配本の案配よろしきを得たためとかであるが、これは執筆したわれわれとしても驚く数及びペースである。やはり、初刷部数がある程度ある方がその後の売れ行きは延びる。出版不況は、その風評に及び腰になっている出版社が自ら招いていることなのではない だろうか?
昼、札幌の実家から注文した薬と一緒にカレーが届いたので、これと豆腐汁で。それからSFマガジンしばし書くが、どうも最初のクギが間違って刺さってしまっていたらしく、書いててどんどん面白くない方向に行く。内容とネタについては面白くなることがわかっているので、一時タナ揚げとし、今日〆切の『クルー』原稿。これは順調に行き、3時までに書き上げてメール。昨日の日記の談生のネタを書き忘れていた(最初に『赤螺屋(片棒)』の改作を演った)ので書き足し。しかし、談生みたいな芸を何といって評価すればいいんだろうなあ。上手い、と言うと露骨なウソだし、凄い、というのもまだこの程度で言ってはいけない、という気がする。何かやらかしてくれそうだ、という期待が内部でフツフツ湧いてきているような、という感じか。志ん朝師匠には申し訳ない指摘だが、志ん朝がいなくなったことで、落語界は何か大変に面白くなってきた、という気がする。危機感がみなぎってきたというか。それにしてもこういうときに仕事が忙しくて、今、危機感の最前線にいる若手の芸を聞いて回る時間のないのが残念である。
『本パラ』のテレコムスタッフから電話。結局、今回は問題が作れず、見送りになったとのことである。ネタ自体は面白かったのだが、コーナーが伏せ字クイズなので、それに見合う部分が見つけられなかったとのこと。テレビというもの、案外融通が効かない。ネタがよければクイズの形式の方を変えればいいに。ちょっと、そっちの方でまた御協力を、と言われる。
急いで家を出て、西永福佐々木歯科。右奥歯の治療であるが、カサブタの出来ている唇を押し広げられるのがつらい。隣の治療台にやたら口の達者な小学生の男の子がいて、削られている間は“ウー、ウー”と泣き声を上げているが、終わったとたんに“ああ、気持いいんでツイ笑っちゃった”。こちらの治療をしながら先生が吹き出していた。本日はそこの型取りをして、料金なんと240エン。前回の1000分の1である。その落差に苦笑。
4時半、渋谷に戻り、銀行などに寄ってから時間割、廣済堂出版のIくん。前勤務先に今月15日までいて、16日から今の勤務先と、一日もブランクなしで仕事続けているとのこと。今回は新職場についた挨拶だけ、ということだったが、案外話がはずんで、新刊企画がいくつか出る。植木不等式氏などと、今度飲みましょう、と約して別れる。
家で留守録などチェック。8時、神山町『花暦』。サヨリ刺身、カンパチ塩焼き、ノレソレぽん酢、ネギおかかオニギリなど、どれも美味。なかんずくカンパチ塩焼きはうーむ、とウナった。ほんと、ここの板前は腕がいいなあ。今日、美人女将と一緒にメガネを新調していた。貧相な顔に似合わぬ(ホント、似合わぬ)おしゃれな縁ナシメガネで、あれは女将の見立てか、ひょっとしたらプレゼントだろう。うーむ、関係が気になるトコロである。気にする義理もないけれど。帰宅、メールチェック。パワパフがらみのお仕事がありそう。少し幸せな気分になって床につく。