裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

10日

金曜日

クローニン月影兵庫

 旦那は小説も書くんだねえ。午前7時半起床。朝食、白桃とガスパチョ。白桃(ナンビョーさんからの到来もの)はこれで食べ尽くした。日記つけ、シャワーを浴び、いくつかメール片付ける。そろそろ各編集部はお盆休み。Web現代も一回休載なので気が楽である。

 10時半、タクシーに飛び乗って国会図書館。三度目の正直。午前中の貸出が11時45分までなので、急いでパソコンで検索(昔のカード式が懐かしいが、しかしこれも便利という点ではえらく便利だ)し、五冊ほど資料本を借り出す。それほどの稀覯本ではないのにちょっと呼び出しが遅くてイラつくが、最初からコピー用と閲覧用の資料を分けて借り出したので、無事、昼休み前にコピー依頼(こっちは12時15分まで)も出来て、あとはゆっくりメモをとったりなんだり。ここの使用規則を改めて読んで、入館資格が20歳以上、とあることを初めて知った。18歳以上20歳未満の者は係に相談のこと、とある。私は19のときからここを利用しまくって、一回も相談などしたことがないのだが。

 朝が軽かったので腹が空くが、ここの喫茶部で食べようと思うほど無謀ではないので(以前ここの明太子スパ食べたときには驚いたですよ)、2時まぎわに出て、半蔵門線で渋谷まで帰り、回転寿司江戸一で六皿ほど、それとアサリ汁。回転寿司なのにほとんど回っている皿を取らず、注文ばかりしているおじさんがいた。食後、駅前の東京三菱に行き、一万円を小銭にくずす。コミケ用である。と学会会誌用の釣り銭は事務方が用意してくることになっているのだが、K子の同人誌(再版『奇形児』)用に。イベント欄にも情報アップしているが、今年の夏コミ、と学会ブースはは12日(日曜)東−O02aなのでよろしく。

 渋谷の公園通りを歩くと汗が吹き出てくる。ひさびさの暑さ。とはいえ、7月末ほどではない。地面が冷えているからでもあろう。公園通りにやたらテレビのクルーが出ている。駅から公会堂までの道で5組、見た。帰宅、電話頻々。鶴岡から、こないだの日記の、結婚するという××××さんて誰ですか、という質問。教えてやると、ああよかった、女性が四文字で男性が三文字ですからね、まさかとは思いましたが、と言う。だったらもっと驚くよ。と学会の藤倉珊氏からも電話。SF大会のこと、コミケのこと。長山靖生氏の件を確認したが、やはりと学会に籍をおいたことはないとのこと。大月氏、完璧な誤爆である。誰か教えてやってくれ。あと、海拓舎Fくん、原稿の初稿を持参してくれる。お盆中に赤入れる予定。

 それやこれやで、少し昼寝でもと思ったが果たせず、仕事にかかる。サンマークの原作で最後に残ったやつを3時から5半時までかかって書き上げ。6ページのマンガにストーリィ(人間の一生)を凝縮するという作業はやはりくたびれる。とはいえ、何とかお盆前には、と予定していたこの原作仕事がアガって、ホッと一息。

 6時、出かけて青山紀ノ国屋で夕食の買い物。まだ夏本番真っ最中という感じだが暦の上ではすでに立秋を過ぎ、二十世紀梨が出ている。われわれ夫婦の大好物。初物を食って七十五日生き延びよう、と早速購入。帰宅、ネット関係で連絡少し。話題になった××××さんから“そうです、結婚です”とメール。11月からこちらへ出てくるそうである。飲み仲間が増えるのはうれしい。K子の『男前』に送られてきたナンビョーさんの手記のインパクト、イノチぎりぎりの部分でのギャグに完全脱帽。それに付されてきたK子のコメントのけしからんこと(笑)。

 8時から夕食のしたくにかかり、45分ころ、二人でメシ。鶏すきに鮎ごはん、タコと枝豆の梅肉和え。これは虎の子でおいしかったのでウチでも作ってみたもの。ビデオでこないだ送られてきた『コンテンツファンド』、それと某所で買った『獣人雪男』。地味だというので東宝が発売を見合わせた、そのサンプル版の流出もの。昔、オールナイトで観たときは開巻十五分くらいでグーと眠ってしまったものだが、今見返すと、レトロなミステリー調が案外いい感じである。助監督が岡本喜八だったのですな。特撮映画は大嫌いと聞いているが、この作品に関わったからだろうか。缶ビール小2本、ハイボール2杯。

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