17日
金曜日
『しきる』
ああ、公園を作るのね。じゃ、まず書類をこの形式で……。朝8時半起き。ゆうべ半身浴したせいか、下半身に寝汗淋漓。日記つけ、メール連絡等して9時半過ぎに、アボカド半個とミカン。
天気状態極めて悪し。11時から時間割で日テレの打ち合わせなのだがこれに出るとそれだけで今日のテンション(テレビとラジオの録りが重なっているのだ)が使い果たされそうなのでオノにメール、変わりに出てきて、と頼む。ああ、マネージャーがいるというのはいいなあ。とはいえ、11時にはまだ時間割が開店していなかったり、東武ホテルに変更したがお互い顔がわからなかったり、いろいろあった模様。
12時半に渋谷へ。オノに報告聞き、そのままという感じで仕事場向かいのNHKへ。『週刊お宝TV』収録。昼飯は楽屋弁当で、と思っていたら時間が1時過ぎということで用意されておらず、食堂で急いで昼飯。ソース焼きそばを食べる。最近、コンビニのソース焼きそばもそれなりに美味くなっている時代に、この味のやきそばは返って貴重なのではなかろうか。
『アニメ夜話』の氷川竜介さんのポジションで『番組アナリスト』として第一回の『夢であいましょう』を解説するのだが、アニメ夜話みたいにマニアックな番組ではないので、やや解説も普通のことをしゃべって終わり、という感じになってしまう。これなら私でなくてもいいかも。
後半、席についてからのトークの方が遥かに私らしかった。司会はNHKで唯一、軽め系のイケメンアナである高山哲哉氏、それと麻丘めぐみ。中学校の時の同級生の山田という男が麻丘めぐみのそれはそれは大ファンで、将来自分は絶対麻丘めぐみと結婚するんだ、と言いきっていた。Hマンガ(『高校生無頼控』)を教室で読んでいて、セックスシーンになると
「ああ、オレもこういう風に将来、めぐみとするんだなあ」
などと口走っていた。中学生というのは久住昌之の指摘を待つまでもなく、人生で一番一番、バカな時期なのだから仕方がないが、それにしても、あのとき適当に山田に相づちを打っていた私は、それから三十数年後にその麻丘めぐみと一緒の番組に出るということなど、予想もしていなかった。山田が麻丘めぐみと結婚するということとほぼ同程度に、そんなことは妄想の域だった。人生、どういうことが起こるかわからない。
高山アナは私の大ファンだそうで、
「ブジオも毎週聞いています!」
とのこと。これには驚く。なんか、目をキラキラさせて私のしゃべりを聞いていた。収録が終わったあとも、
「先生は毎回この番組に出演されるんですか?」
と言うので、
「いや、この担当者は毎回変わるでしょう」
と言うと、
「先生に固定してくれるよう強く言っておきます!」
とのことで、嗚呼、ファンというのは有難きものかなと思う。ゲストのタケカワユキヒデ氏も大変によくしてくださって、ちょっと感動。
収録終わり、すぐタクシー出してもらって赤坂へ。今日のブジオ、ゲストが楽器を使う関係上、早めに入ってセッティング&リハが必要なのである。清水ひとみさんには、早く終わったら通し稽古に顔を出すと言ってあったのだが、ダメとなる。申し訳ない。
6時過ぎにTBSに入ったら、もう鉄平くんが来ていて、スタジオ廊下のテーブルのところで待ってくれていた。
「僕は時間には遅れません」
と胸を張るが、カーマニアで、運転したくてしたくてたまらない人だから、常に早めに現場には着くのだそうである(杉ちゃんは電車で来るのでちょっと遅れる)。
すぐセッティングに入ってもらう。衣装も用意してきているそうである。トイレに行く道すがら、談志さんがスタッフ大勢と廊下で何か打ち合わせなのだか議論なのだかしているのが目に入った。
シンタロウさんと目で挨拶。やがて来た杉浦さんとスタジオ入り、ミキサーのUくん、今日は音楽系のゲストだというので特別にいつものイヤホンの他にヘッドホンを用意してくれている。新品だそうである。気合い入っているな。
気合いと言えば杉&鉄も、ラジオなのにわざわざ衣装に着替えるという気合いの入れ様。鉄平くんは正統派の、杉浦さんはオシャレ系の正装だがオノとおぐりが思わず声をあげたほどの決まりよう。おぐりが実に珍しく、控えのソファで待っている鉄平くんを見て
「振り向くと(おぐりの待機ポジションの後ろあたりにゲスト用ソファがある)いいオトコがいるというのはいいものですねえ」
としみじみ言っていたとか、言わなかったとか。
しかしそのせいで上がったか、収録前写真ではまるで精気を吸い取られたような表情でした、とコメント欄に書き込まれるありさまで、撮影したNくんに
「写真のイメージって大事なんですから〜!」
とケンツクを食わせていたのに笑った。
海谷さん今週もスタジオに来る。マネージャーとでも思われていないか。仕込みを終えた清水ひとみさんも放送開始前にスタジオ入り。で、放送開始、まずは“蘭の英名「オーキッド」はタマタマの意味”という雑学で麻耶をひっかけて受けをとって。で、満を侍してゲスト登場、名刺代わりに『剣のずいずいずっころばし』スタジオ内生演奏。小林麻耶、驚倒、感嘆、大喜び。
「すごーい! 毎週来て欲しーい!」
と叫ぶ。
続く『美しく青きドナウ川のさざなみ連続殺人事件』では、調整室内爆笑、I井D立ち上がっての拍手。ツカミはOKで私はしてやったり、の表情をしていたであろう。
それから改めてトークに入り、二人の鉄オタぶりの披露、2ちゃんねるで早く“杉鉄ってどうよ?”スレが立ってほしいという話も当然出て、ブログコメント欄が活況を示す。
「2ちゃんを見ながらラジオを聴いてる俺は勝ち組」
みたいな。しかし、仮にもクラシック畑の人呼んできて、最初の話のテーマが鉄オタってのがどうにも。
そのあと、鉄平くんのバイオリンミミック、さおだけ売りの文句をバイオリンで再現するのは山田真哉先生に聞かせたい気がする。そのあと、ナマでまた『アタックNo.1』の『月光』を聞かせてもらい、なんとこれだけやってほぼ時間ピッタリに終了。自分の仕切りにほれぼれとする、というのも滅多にこういうことがないからだが。
その後、おぐりのソウルフードコーナーは“イタリアン”。平めんにひじきや桜の花びらを練り込んだ麺の方はまず普通だったが、次に出たのが新潟ではポピュラーという“みかづき”のイタリアンの再現、すなわちソース焼きそばに(パスタの)トマトソースをかけたもの。ただでも濃い味のもののうえにさらにこんなものを……とゲテ扱いしていたが、これが案外食べられるのに驚く。ソースの濃い味を、トマトソースの酸味が和らげている、という感じ。小林麻耶も
「おいしい!」
と珍しく☆三つ判定、おぐり“ヤッター!”と大喜び、
「じゃ、私もあとで食べてみます」
と。食べてないのかよ。何か落語の『ふぐ鍋』を思い出させる。
ここは少し駆け足になったが、最後の告知の部分では清水ひとみさんにちゃんと告知をしてもらえて、私としては義理を果たした感じでホッと。今回は全てのコーナーで必要な情報をきちんと盛り込め、時間的にも無理ない進行でカチッとおさまった。そのため、いつもは“あっという間でしたね”となるわたわた感がなく、1時間が実にみっちり詰まっていた感じになる。たぶん、金曜ブジオ全放送中、これは最もカタチがきちんとついた回になるのではないか。
そのあとで写真撮影。杉鉄の二人は早々と紙幅に着替えてしまい、一緒に携帯写真撮ろうと思っていたおぐりは残念そう。オノは、放送中に忘れて出来なかった“ファミマのドアの開閉音”ネタを、鉄平くんにやってもらって感激。
「鉄平ちゃんが私だけのためにバイオリンを演奏してくれたんですよ!」
「うん、ファミマだけどな」
小林麻耶はアニクラにサイン貰って喜んでいた。
「“麻耶タンへ”って書いてもらいました」
「違う! 麻耶タソだ! ソでしかも半角なのだ!」
「わかりませ〜ん」
ポッドキャスティングはお題が“ラーメン”、おぐりにも入ってもらってそれぞれのラーメン談義。まずは無難に。
清水さんはまだ稽古に、おぐりもライブの準備で帰り、海谷さんは麻雀があるのでと帰る。ブログに終了コメント書き込んでいたら、オノから、I垣Pからの伝言耳打ち。まだオフレコだがちょっとテンションあがる。杉鉄とマネージャーさん、それからI井、オノ、イニャハラさんでワインバー。会話盛り上がって楽しい一夜になった。
鉄平くんの秘かな趣味の話も聞いたがこれもオフレコ。明日は連続でテレビ撮り、しかるのち舞台初日。この凄まじいスケジュールは人生初である。タクシーで帰宅し、すぐ寝る。