20日
水曜日
火山ちゅうもんはようぼるけーのう
タイトルは広島弁。朝5時目が覚める。どうしてもあと2時間、時差ボケが調節できず。朝食、7時半。クロワッサンと、キノコのコンソメ煮。週刊アスキー原稿を一本、書き上げる。ゲラ原稿チェック。旅行前に送っておいたダ・ヴィンチの映画アンケート、編集部の方で大変なカン違い(岡本喜八の『幽霊列車』を、柳家金語楼主演の『幽霊列車』と間違えてスチールを掲載)していた。あわてて訂正する。アブナい ところだった。
12時半に家を出て、新宿から小田急線で成城学園。昼メシは小田急新宿駅でまずいが懐かしい味のソース焼きそば。眠くて仕方なく、自動販売機で玉露カンを買ってガブガブ飲み、シャッキリさせようとはかる。開田、安達Oさんと待合せて東宝スタジオに、『ゴジラ対メガギラス』のアビッド編集作業を見学に行く。手塚監督にもお会いしたが、いわゆるオタク味のまったくない、よき怪獣映画ファンという感じの人で好感が持てる。スタッフに“あとたった五○○カットでしょ”と言われてひえ〜、と頭を抱えていた。見た内容は公開前なので発言を控えるが、パソコンが導入されて以来、映画編集というもののイメージはまるで変わってしまった。隣の部屋で暗い中にひっそりと置かれていた最高級フィルム編集機ステインベックの寂しげな姿が象徴的と言えるかも知れない。
ゴジラ映画が何故、第一作から『キンゴジ』『モスゴジ』を経て変遷していったかには、ちゃんと時代というものの変遷との関わりがある。それを考えずに、ただ一作目をあがめて、あそこに帰れ、と叫ぶのはイミがない。以前、平成ガメラの伊藤和典さんとも話したのだが、そろそろ、平成の怪獣映画は『キンゴジ』的なものを目指すべき時期なのではないだろうか。と、いうようなことを帰りの電車の中で思う。
いったん家に帰り、少し仮眠。電話数本。デジモノの映画評、『ガン・シャイ』を取り上げたいが、果たして日本公開されるのかどうか、問い合わせるよう編集部に言う。CS出演依頼また。ネット知人のIさんから恵贈いただいた貸本マンガをまとめて読む。池川伸治の『七才のペテン子』、タイトルも例によって凄いが内容も危ないアブない。哭きの竜さんから丁重なメール。コミケの伊藤くん本は本人からの抗議により、廃刊処分にしたとのこと。執筆者の皆様にはご迷惑を、ということだが私は別にかまわない。かなり激越な抗議だったようで、お気の毒とは思うが、様子を想うと苦笑。それにしてもまた、ずいぶん刊行からタイムラグのある抗議ではある。
7時、新宿伊勢丹。地下で買い物して、半にレストラン街の南欧料理屋『アジオ』で開田夫妻、K子と待合せ、食事する。卵入り麺のタリアテーレ、ゆうべ食べたモツ鍋のチャンポン麺と味も食感もほとんど同じ。ステーキを食べくらべてみようと、炭焼きペッパーグリルを頼む。たったの一五○グラム。確かにおいしいが、やはり“肉食ったあ”という充実感は生まれてこないよな。ビール、ワイン。イタリアで飲み損ねたグラッパ(ワインの搾りカスで作った焼酎)を飲んでみようかと思ったのだが、忘れてしまった。10時半、帰宅。