裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

22日

日曜日

のり弁当急行殺人事件

ま、忙しいんでげすから、シャレも急場でげすから。

※『オールド・フランケンシュタイン』稽古

朝8時起き。
寝床でストレッチして、無理に目を覚させる。
朝食、調整豆乳とブルーベリーデニッシュ。
日記つけなど。

今日から終日稽古。
時間がどんどん無くなっていく。
楽しくて楽しくて、そしてあせるし、こういうときに
あいつの手が借りられれば、という無理な思いが脳裏を
ぐるぐるして、理不尽な怒りもわいたり、一方で感謝の念で
胸がいっぱいになったり、いろいろな感情が交錯。

12時、昼食。母手作りの牡蛎佃煮で茶漬け。
他にお新香、卵焼き。

とにかくあせりがそろそろ出てくる。
気分を転換させるために車中徳川夢声『夢声戦争日記』を
久しぶりに読む。この日記に出てくる当時の夢声は私と
同い年くらいである。その彼が、私と同じく50過ぎて芝居
の世界に入り、稽古だ公演だとドタバタし、丸山正夫に
「どうか台詞を覚えてください」
と頭を下げられるなど、苦笑しながら読む。

天沼会議室で、純子とあゆみの衣装をチェック、一部
手直しなどし、打ち合わせ。音楽作ってくれるグレート義太夫
さんの話など、ちょっとハッシーと。それから通し。
後半に入るか、くらいまで。主人公の別府ちゃん、今日は
非常によろし。もやしも完成に近い。琴重、さすがのキャラ作り。
佐々木テリー、麻見さんはまず心配なし。
由賀ちゃん大きく完成に近づき、あとは台詞の粒立ち。
ハッシーがまるでセリフ入ってなくて、爆笑につぐ爆笑。
まあ、この人はギリでも大丈夫、だろう。

菊は器用だから何とかなる。岡っちも少し。
エリック、集中が必要。純子とあゆみはまだ精いっぱいという
感じで、余裕持たせた上で引き締めが必要。

いろいろと完成度の違いが個々であるものをひとつにまとめて
いく作業、思えば大変なことをやっている。
やはり稽古にせめて3週間は欲しかった、と、自分が出るときは
稽古日が少ないとやれありがたやと思うのに、演出のときは
そう思う。

私の特別出演用の衣装と小道具類を持っていく。
そう言えば演技で舞台に立つのは9月以来。
稽古なのに上がって上がって、まるきりの素人に戻ってしまった。

5時、稽古場移動。近くの台湾料理店でハッシー、別府ちゃんと
ラーメン。それから本天沼の方に移って、音響のミヤッキ
来るのを待って通し。ミヤッキのパソコンで山口さんの映像を
流し、それに音楽をつけてみる。見事なシンクロにて、
みんなに見せるが感嘆してくれる。このオープニングに恥ずかしく
ないような芝居をしてくれよ。

前半通しで、と指示したが、流れができていたので後半も全部
通してしまう。立ち位置や出などを直し直しまた直し。
何とか成立する、ということはこないだわかったが、そうすると
今度はもっとよくするには、というポイントが見えてくる。

9時アガリ。音響製作のために今日は帰る、と言ってあるのに
飲みましょう飲みましょうと誘われて、ついに根負けして
1時間のみ、と宣言して、商店街の中にある“恋物語”という
店へ。店名に全く似つかわしくなく、山小屋作りで、剥製類が
あちこちに。狩猟肉のお店らしく、エゾシカ入荷とあって、
串焼き、レバ焼きなどのメニューがずらり。
陽気なお母さんと話ながら、私、ハッシー、早さん、琴重。
串焼きもいい味だったが、レバ焼きが絶品。豚のレバのような臭み
全くなく、牛のレバより歯ごたえあり、これはよし。
聞いたら息子がしとめたエゾシカだとか。

うわさ話などいろいろ話して盛り上がり、料理にも話の内容にも
後ろ髪引かれたが、1時間半で切り上げて私のみ帰宅。
酔いをさますために1時間ほど寝て、それから音響合わせ作業。
3時までやって限界になり、ベッドに入る。
やはり一度アルコール入ると駄目だな、こういう作業は。

*稽古風景とエゾシカ串焼き。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa