裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

14日

土曜日

反体制低気圧

デモ隊は寒冷前線に見舞われました。

※『オールド・フランケンシュタイン』稽古

朝、8時半起床。
朝食は豆乳とハンバーグパン。
漢方薬、ビタミン剤、野菜サプリ、クロロフィル錠など
例の如く摂るが毎度の日記では煩雑故記さず。
入浴歯磨き等これまた煩瑣敢て記さず。

S社に著者近影写真を送る。プロフィール用ではなく、
タイトルデザイン用。なかなかいいものがなく、苦労。
土日は市橋容疑者の取り調べも休みで、喪女たちも静かな
模様。ところで、そう言えばあの宅間守にもこういうファンが
つき、最終的に獄中結婚した女性にライバルたちが嫉妬する、
という騒ぎまで起ったことを思い出した。

ライバルの一人だった女性の、宅間処刑後のインタビュー
(サイゾー2004年11月号)を読んだことがあるが、
「私は社会的にどこか問題がある男性を愛してしまうんです。
私、小学校のときからいじめられていて、大人になってからも、
疎外され続けてきました。だから、同じように社会から疎外された
犯罪者に強く惹かれてしまうんです。支えてあげたいと思って
しまうんです」
と語っていて、なるほど、と思ったことを覚えている。
今回の喪女たちの市橋おっかけや、腐女子という存在も、
基本はこの疎外感を共有する者への親近感、という感情をその
基本とするだろう。もちろん、腐女子文化などは今や単純な
そういう分析を超えた存在に巨大化してはいるだろうが。

とにかく年末にかけ、たまった仕事を片づける時間調整が必要。
そのためには時間に余裕を作るのではなく、余裕をなくすことを
せねばならぬ。余裕ができると、ついぼーっとして
しまいがちである。時間的に余裕がないと、何とか隙間を見つけて
片づけよう、という気持ちになる。

昼はご飯一膳、シューマイとレタスのおひたし、茄子漬物、
味噌汁等であっさりとすませ、台本のラスト部分改稿にかかる。
原稿用紙(まあワープロであるが)の上で作り上げたキャラクター
を稽古で実際に動かしてみて、その演者が自分の個性と合成
して作り上げた舞台上のキャラクターになった時点で、
ラストへの持っていき方がかなり変わってくる。
そこらを勘考しての改稿。

五時、家を出て荻窪。今日は天沼会議室の先の、
本天沼の区民集会所の会議室を使う。
受付のおばさんたちがここはやたらに親切。

まだ風邪流行していて、今日はあゆみに加えエリックも休み。
別府ちゃんのマリアを中心にヌキで進めるが、もやしも別府ちゃんも
何故かエンジンかかるのが遅い。
ひとつには、みんなそろそろホンを離れてセリフを暗記して
演じはじめているので、さぐりさぐり、というところがどうしても
出てしまうからだろう。

やっているうちに調子あがってくるのでいろいろサジェスチョン。
ギャグはハッシーにまかせるが、放っておくとシーンという
シーンにギャグを入れたがるので、不要と判断したところは削る。
お芝居を見に来る客はギャグがないシーンでも大丈夫、ついてくる。
イゴーラ役の由賀ちゃんがだいぶ“出来て”きた。あとちょっと。

舞台の演出は以前も銀座小劇場でやったことがあるが、
ハマってくると、こいつをこう使いたい、ああ使いたいと四六時中
頭の中で考えていることになる。地下鉄に乗っていて、いかにも
ツンとした感じのお姉ちゃんを見ると、ああ、この人が役者で
あったらぜひこういう役をやらせたいと思い、立ち食い蕎麦を
すすっていて、ふとその脇を意地悪そうな婆さんが二人、なにやら
人のコキおろしをしながら通り過ぎるのを見て、ああ、この二人で
こういう芝居を書いてみたい、などと妄想することになる。

9時、終了。雨がやんでくれたのがとにかくありがたし。
帰り際、受付のおばちゃんたちから手作りのジャムをいただく。
今日はそのまま帰ろうと思っていたのだが、なんと昨日飲んだ
ナベさんが律義に今日も来る(昨日はハッシーがいなかったので)
というのでつきあってとん吉(焼鳥屋)。
ハッシー、ナベさんの友情に喜んで大熱弁。
鳥串、里芋、はんぺん焼きなどの他、まぐろぬた等。
ビール飲む。

12時、帰宅。来年にやりたいことを少しまとめてみる。
まったく新しいシステムを作らないとやはりダメか。
いろいろと困難と障害がある。
とはいえ、そのシステム作りのことを考えるとウキウキして
止まらなくなる。
12月の台本にも少し目を通し、寝たのは2時半。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa