裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

18日

水曜日

精液なき見直し

「年だからもうワシは枯れとる」(藤井財務省)

※雑用、原稿、稽古

朝10時起床。
空は晴れているが寒気かなり厳し。
朝食は調整豆乳飲んですます。
催促電話多々、かかるが身動きがとれぬ状態。

昨日の原稿の図版送ろうとするがスキャナーの調子悪し。
スタートボタンを押してから実際にスキャンが開始されるまで
数分もかかる。
何とか終えて編集部に送るが、やはり実物があった方が、と
いうのでバイトさんに取りに来てもらうことにする。
時間を無駄にした。

昼食12時、母の室で。
牛肉炒めと納豆、梅干でご飯一膳。
森繁追悼で本来真っ先に出てくるべき竹脇無我が一切マスコミに
顔を出さないのは、やはり鬱がぶり返したのか、と思う。
以前、『大木屋』で快楽亭ブラックの知りあいが
「鬱は自殺した親父(昌作)の遺伝ですよ。まっとうな親が自分の
息子に無我なんてつけますか」
と言っていたのを思い出す。

市橋関係、だいぶ過剰報道も収まった感じ。
事件としては単なる死体遺棄容疑に過ぎない、しかも
酒井法子のような芸能人でもない事件がここまで騒がれたのも
珍しいと思う。女性パワー強し。

こんなつまらん事件、つまらん犯人でなぜ騒ぐ、と言う人も
多いが、つまらん犯人だからこそ、女性たちはそこに自由に
絵(妄想)が描けるのだと思う。市橋は白いカンバスなのである。
個性があまりに強く、自己主張があまりに激しい犯人には、
なかなか自己投影しにくいものだ。
こういう、犯罪者のアイドル化に興味を持っている女性マイミクさん
から、正田昭(バー・メッカ殺人事件犯人)はアイドルに
なったのに、山口二矢がアイドルになれなかった(女性にとっての。
右翼の皆さんにとってはアイドルである)のか、という質問が
あったが、これが答になるかと思う。
最近のアイドルやヒーローに個性が希薄な理由も同じか。

公演の案内メールを出す。
3時、図版を取りにメディアファクトリーの女の子が来る。
原稿書きの真っ最中で身なりに気をつかっていない姿で、
ちょっと恥ずかしかった。

5時、家を出て荻窪、バスで井荻まで行き、そこから歩いて
四宮区民集会所。しかし遠い。
とはいえ、雨が降っていた昨日に比べれば格段に早く到着。
ついてしまえば極めて使い心地のいい会議室なのだが。

今日はハッシー、テリーに加えて琴ちゃんまでもがテレビの
収録で欠席。しかし、その分、純子とあゆみのパートを集中して
作れたのはラッキー。動きの部分は麻見さんに多くをまかす。
ノーコンタクツはダンスを多く取り入れている舞台なので、
人の動きに関してはもう、安心してまかせられる。
あと、ハッシーがつけたギャグを、二人のものにするために
かなり自由にやらせてみる。さすが同期、アドリブは見事。
あとは細部の気になるところだが、そこは全部が固まって
から、バリを落としたり磨いたりしていく。

終って、松下あゆみの復帰祝い、ということで純子ともども
食事に誘う。井荻駅近辺というのはホントに店が少なくて
探すのに苦労したが、串焼き屋があったのでそこで。
まずまず、アタリの部類。牛スジ炒め(煮込じゃない)、
椎茸のヘタ焼き(写真)などという珍しいものもあった。
ヘタ焼きは噛みしめると旨いが、右下の奥歯がうずきだし、
あまり噛めず。

雑談いろいろ。演技の話もいろいろ。この二人(だけ)と
飲むのは珍しいが、なかなか有益だった、と思う。
帰宅、11時半。ニュースなど見ながらメール類いくつか。
気がついたら1時半を過ぎていた。焼酎ロックで飲んで寝酒にし、
ベッドへ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa