27日
月曜日
太陽は東にのぼり、シニシズム。
どうせ頂点にあったって、いつか沈んでいくのさ。朝6時半起床、8時朝食。ホワイトアスパラガスのスープ。美味しとも美味し。朝食はこれだけでもいいくらい。服薬、明目仙、小青龍湯、黄連解毒湯、麻黄附子細辛湯。ずいぶんのむもの。
テレ朝のワイドショーで相撲界のタニマチ講座。ためになる。大阪谷町に相撲の好きな医者薄恕一という人物がいて、相撲取りからは診療代をとらなかった、というのは知っていたが、これが明治というのは意外。案外新しい言葉なのである。とにかく江戸時代、大名が担っていたパトロンの役割を、明治以降は地方の実業家が肩代わりした。近代日本社会の経済構造と相撲は密接な関わりがあったわけで、常識としては知っていたが、具体的にどれだけの金をかけてどんなことをするのか、元・貴の花のタニマチ(娘に貴子と花子とつけている)自身の口から語られると実感をもって理解 できる。
また、地方でケの日常を送っている人たちにとり、興行は一年に一度のハレのイベントなわけで、ハマりこめばこむほど非日常的快感が味わえるのであろう。ここを番組ではあまりつっこんでいなかったが、自分がイベント業界にいる身としては非常によくわかる。
「なんでここまでするかな」
というくらい大規模イベントには身銭をきって協力してくれる人がいて、聞いてみると本人はそれが極めて嬉しいのである。われわれフリーには逆にちょっとわからないくらい、一般人というのは日常に華のない、帳面上で全て結論の出る世界に生きており、人間というのは最低でも年に一度、過剰な蕩尽を必要とするのだろう。それを思うと、一概にタニマチは古い、改革しないといけないシステムとも言えないのではないか。相互に満足を与えるシステムとして、もっとうまく利用できる方法がありそうにも思える。バタイユの蕩尽論でも読み返してみるか。若貴問題からバタイユに行 き着くとは。
日記つけ、アサ芸『こんなニュースに誰がした!』執筆。麻黄附子の効果かずんずん進んで11時には脱稿、ただし字数合わせがあるので仕事場のパソにメール。11時半、出勤。車中、潮匡人『常識としての軍事学』(中公新書)読む。ジェットコースターのような語りの構成力見事。それ故にただよう明らかな胡散臭さ(読者自身に一考の余地を残しておかないので、本能的に眉に唾をつけたくなる)まで含めて学ぶ ところ多し。
ついてすぐ、アサ芸少し直して送り、黒豆納豆以下同じで昼食。卓上ライトが切れていたので東急ハンズで買ってくる。ミリオン『実話ナックルズ』最終回原稿、後半2/3をガリガリと。母が来て居間の新聞紙などの山を片づけてくれる。4時原稿完 成、メール。
家を出て新宿へ。車中担当Yくんから電話、単行本化の打ち合わせについて話す。新宿から中央線、御茶ノ水。御茶ノ水口に行き、おぐり・週プレMくんと待ち合わせて、純喫茶『ミロ』で『名もニュー』対談。遅れてライターNくんも来る。気がつか なかったが案外大きな音で懐メロが流れているのだな、この喫茶店。
対談、今週はテーマが“萌え”。猫耳新幹線ファスティック360Sからである、もちろん。オタクたちの萌えハマリのエピソードなどを次々紹介するたびにMくんがひっくり返って笑い、おぐりが“なんですかそりゃー!”という顔になる。いやしか し、彼らをつかまないと金は稼げんのですぞ。
別件でスターウォーズがらみのお仕事もらう。で、あればこれは嫌でも急いで観ないと。対談収録終わったあと、集英社の週プレ編集部の隅っこを借りておぐりと二人で、二見書房原稿の付け合わせを行う。終わってメシでも食って行こうと二人で出たら、追っかけで最初誘ったら断られたMくんも合流したい、と。本日は某エライさんの接待があったのだが、某理由(それがこの夜の最も中心の話題になったのだが諸処にヤバいので書けないのが残念。ミニスカがキーワード)でチャラになり、一緒に行 けることに。
Mくん行きつけのタイ料理屋でタイ、インドネシア、ギリシアなど各国のビールを飲みながら雑談。もっともMくんは飲まない人なのでもっぱら私とおぐりで。前記ヤバ話の他、バブル時代の話が盛り上がった。この店のタイ料理、案外にいい。ことに太麺焼きそばというタイ料理らしからぬ名前の一品がうまくておかわり。ココナッツ ミルク入りのトムヤムクンもユニークな味。
御茶ノ水駅までおぐりを送って、そのままタクシーで帰宅。今日の食事が大変楽しかったので、バランスをとるため車中ではやや、鬱になるような某件のことをずっと 考える。懸案の件いろいろあるが、やはりあそことは相容れないか。
帰宅、少し寝て、1時ころ起きだし、シャワー浴びて、さっき赤入れた部分の二見原稿をやる。K子はキミちゃん夫婦と飲んでたとのことで3時半ころ帰宅。ごきげん 満開。