17日
金曜日
ヤー・チョンガー
わたしはやもめ。朝8時まで寝る。夢で対談2連チャン。いずれも架空の、アート系の人で、一人はナルシストのあまり自分の美しすぎる顔を全世界の女性への罪を背負って焼いたという人、もう一人はどうしようもないエロ漫画家なのになぜかそれを世間がすばらしいアートだと持ち上げている若い人。いずれも対談しながら大いなる 違和感に包まれる。
寝床で久しぶりに鬼畜系の殺人者本読む。こういうのが大流行した変な時代があったんだよな、と、自分もそういうの書き散らしておきながら、今読むとそう思う。というか、いまだコレ系のものを(かなり数は減ったが)書いたりしているのはオレだ けではないか? 生き残ったということか?
朝食、バナナとリンゴ、ブロッコリスープ。晴れてはいるが午後から雨の予報。気圧系の人たちのサイトを回ってみるがいずれも半死半生。これをですな、どうして医学的にもっと問題にしませんかな。日本の生産力にかなり影響していると思うのです がな。
自室にゆうべ平塚くんが備え付けてくれたDELLのカッコいいパソコンがある。午前中は25日収録予定の『世界一受けたい授業』ネタ出し。これ一本で20分は持たせられるネタがあって、出来ればこれだけで行きたいのだが、向こうはバラエティ に富ませてとか言ってくるんだろうな。
昼過ぎに家を出て渋谷。昼食とって、週刊プレイボーイの行数調整。25行も増えた。ゆうべおぐりとのやりとりで彼女が提案してきたセリフがそのままつかえるのでありがたい。ところでこれ、毎回2本から3本のニュースを選ぶのに、20本以上のB級ネタを素材探しでみんなが集めてきて、そのほとんどに対し二人でツッコミを入れて、その中からククリを決めたやつのみを使用してまとめる。残ったネタとツッコミのテープ起こしがまことにもったいない。まとめて使えばすぐ一冊、単行本が出る ぞ。出すように言ってみよう。
3時、疲労感はなはなだしくタントンに逃避。待合室のスポーツ新聞で柳家三語楼の小さん襲名のニュース。本来小さんの前名は小三治と決まっているのだが(談志がそれを継げなかったのでかなり荒れたという話もある)小三治が固辞(夕刊フジ)し たそうな。辞退、ではなく固辞、というあたりがポイントか。
まあ、小三治という人は実力は万人が認めるものの、非常にマイペースというか独立独歩というか、ある意味自分勝手願望の強い人で、それ故に私もファンなのだが、責任ある職務を引き受けさせられること必至の小さんという名は欲しくないだろう。前々からそのこと(小三治を継いだからといって小さんに必ずなるというわけではな い)については高座でグチみたいに語っていた。
それに自分が小さんを継いだところで、それは花緑が将来小さんを継ぐまでのツナギにしかならない。十分に自分の実力で大きくした小三治という名を誰に継がせるかで弟子たちに晩年までニラミを効かせられる今の立場の方がはるかにいい。そして三語楼さんにとっては実力以上のビッグネームを継げる生涯一度のチャンスだし、花緑にとっても、三語楼からの譲渡なら誰に対してもトゲは立たず、落語界で自分の地歩を完全に築くまでの二十年くらい、小さんの名前を預かっておいてもらえる最も安心できる人物が継ぐ。四方丸く収まる名判断であろう。少なくとも、こぶ平のときより はるかに生臭くない。
ちなみにその襲名を報じたスポニチのサイトに曰く、
「三語楼の実姉でバレエダンサー、俳優としても名高い十市(じゅういち)、落語家・柳家花緑の母でもある喜美子さんも将来、花緑が七代目小さんを継ぐことを視野に実弟が継ぐことに賛成している」
最初、“実姉”と十市をカン違いしているのかと驚いたが、文脈で“実姉”は“喜美子さんは”につながるのだとわかった。なんという悪文。カン違いしたままの人も多かろうからここに書いておく。小さんの息子がまさかバレエダンサーとは想像しに くいと思うが、レッキとした男でありますぞ。
タントン、揉まれながら息苦しさに参る。身体中の器官が働いていない、という感じ。東急ハンズ寄って買い物し、帰宅。遅れに遅れてやっとSFマガジンに着手。S 編集長に
「9時頃にはアゲます」
と電話、途中、ミクシィに書き込みしたり鶴岡から電話あったりという障害をかいくぐって9時15分には11枚、アゲて送る。プロだねえ、と自画自賛するが考えて みればプロがそもそも〆切こんなに遅れちゃいけない。
9時半、下北沢すし好。カツオ刺しで黒ビール。母と待ち合わせ、二人でなにやかや話しながら、食うわ食うわ。煮はまをおかわり。あと甘海老、コハダ、トロ鉄火な ど。帰宅してまた水割り缶小、サイトなど回って寝る。