裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

19日

日曜日

スタンリー・超ブリッ子

 HAL、信じらんな〜い! 朝7時半までぐっすり。置きだして入浴、母の部屋から持ってきたアボカドとバナナで朝食(今日、明日と母は名古屋旅行)。 昨日12時過ぎにうわの空ライブから帰ってシャワー浴び、原稿を書いて、終わってからまた飲み直したら疲れのせいか酔った酔った。で、酔った勢いで、ミクシィ日記に、先日来アタマに来ていた某人の言動のことに関する、洒落にならん意見を書き付けて寝てし まった、と記憶していた。

 ただ、その某人とは別にケンカするような仲ではない。明け方目を覚まして、青くなって、急いでチェックしてみたら、ちゃんと削除されている。自分で書いて、さすがにコレはまずいわ、と判断したのだろう。生酔い本性違わずか、とまずホッと。しかし、酔いというのは恐ろしいもので、本来、文字にしたっていかんだろ、という意見をどうして書き付けて、アップする寸前まで行ってしまうのか。一応、酔って書き 込みはしない、ということは原則としてるんだけど。

 岡枝慎二氏死去。『スターウォーズ』第一作(つまり4作目。ややこしい)の翻訳をやった人が最終章の公開と時を同じくしてなくなるのも縁というものか。“理力”とか“暗黒面”といった用語は野田昌宏さんが監修したのじゃなかったっけ。あの当時としてはまっとうな方針であったと思う。“暗黒卿”の方はまだ使っているし。

 ただ、本編の字幕には、砂漠を歩いているのにC−3POが
「関節が凍りそうだ」
 と言ってみたり、露骨な誤りがいくつもあって、感心しなかった。氏の訳で個人的に強烈に記憶に残っているのは『エマニエル夫人』の主題曲、『タイのエマニエル夫人』の歌詞。
「愛の歌うたうエマニエル
 心がもとめるのです
 愛の歌うたうエマニエル
 体がうずくのです」
 なぜですます調? と思ったのだが、初めてみた高校生の私の体はうずいてしまったのです。

 メールチェック、今朝の件、私がムシャクシャした件を同じことに関わった他のメンバーも不快に思っていたことが判明。なんか気分が軽くなる。K子と関西行きの件 で話し合い、京都での打ち合わせの件で山田誠二さんと連絡。

 週プレ用ネタ出し数本。日記アップして12時に渋谷へ。東武ホテルのランチステーキで昼食。ランチのステーキにしちゃスカしすぎ。神保町ランチョンのが理想。仕事場でまた連絡事項いくつか。秋田の講演、行きはJRにしてくれとのこと。またケチな、と思ったが会場が変更になり、JR駅から数分のところになったらしい。迎え とかの関係だろう。

 気圧お話しにならぬ乱高下。鶴岡から電話、私の老後の計画を話す。もの凄くエラくなって、晩年に若い文学者や雑誌記者などが評伝を執筆しようと思って訪ねてきてそれを前にしてしょうもないエロばなししかしなくてみんなが困った顔をするのを見 て秘かに楽しむのが夢、と言ったら
「いい加減に人生の価値を“笑えるかどうか”で決めるのはやめましょうよ」
 と言われる。

 二見書房の原稿、見本をおぐりゆかに送ってチェックしてもらう。よーし、とかかりかけるが気圧に負けて筆の遅いこと遅いこと。いつもの半分以下。それでも書き進め、3本ほど仕上げる。マッサージを予約したがキャンセル。原稿遅れの言い訳に
「梅干しも漬けずに頑張ったんだが」(尾崎一雄)
 という傑作があるが、私の場合は
「タントンにも行かずに書いたんだ」
 になるか。

 とはいえ7時すぎからアタマが次第にボーッとしてきて、規定行数より一行、オーバーしたものを削れない。ああだこうだとやっても全然、そのたった一行が削れないのが不思議。9時、これ以上はムリと判断、中断して新宿へ。K子と待ち合わせて伊勢丹内『天一』。ビールと『両関』でめごち、穴子、若鮎など。めごちはおかわり。

 話はトンデモ本大賞のことなど。K子もおぐりの司会は
「出演者紹介のときのアドリブなど、さすが上手い」
 と認めていた。次第に認知されつつあるな、よしよし。出て、時間が早いので一時間だけカラオケ。絶唱系を数曲歌って気圧の鬱を散じる。帰宅、早めに寝る。とにか くこういう日は早く寝て、明日早くから頑張るに越したことなし。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa