裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

22日

日曜日

ウルトラマンイエティ

 目が離れすぎてると思ったらやっぱり雪男だったか。朝、8時起床。陽射しの明度が昨日の倍くらいある。ただし肉体は軽い倦怠感。朝食はクロワッサン。果物はサクランボ。まだちと高いが、さすがに甘い。小青龍湯、黄連解毒湯など。昨日までの日記に五虎湯と書いていた咳の漢方薬、麦門冬湯であった。まあ、どちらも咳の薬だが買ったときは五虎湯のつもりだった。手にとったのがこちらだったんだろう。朝、昨日の北海道新聞の原稿ゲラなどチェック。大した訂正個所はなし。

 電話数本。モノマガジンからは、こないだの原稿、実は一号合併号で休載になるのを間違えて催促したものでした、とのこと。したがって来月まわしとなる。まあ、さほど時事ネタっぽいものでなかったのが不幸中の幸い。札幌に電話したら、ちゃんと母がいた。昨日帰宅したのだが、電話線のつなぎ方を間違えて通じなかったのだとのこと。よくわからない。鶴岡からはまた例により論壇ゴシップ。

 K子の掲示板で、『王様と鳥』のことが話題になったので、そのビデオの販売サイトに行ってみた。機械翻訳がかなりいい味を出している。
「王が自分のために女羊飼いを回復するために努力するとともに、ワンダーバード氏は彼らの保護者およびアドバイザーです。ワンダーバードの介在で、専制者は取り除かれます。また、王国は幸福にその後ずっと生きています」
 アメリカ版吹替えのキャスティングの“クレール花”(クレア・ブルームのこと)というのもなかなか。

 昼は、おとついの残りの筍飯。おかずは、ネットでお試しセットで買った甘エビの燻製。それから外へ出て、東急本店地下で買い物。HMVなどを冷やかす。帰宅し、書庫にもぐって、原稿の資料になる作品を探索。一件、家にない作品で、作者名も作品名も実にあやふやな記憶しかないものがあった。おぼろげな記憶から、作者の名前に使われていた文字一字からネットで検索を開始、しだいに範疇をせばめていき、ついに三十分ほどかけて、作品にまでいきつく。なにか達成感を感じてしまう。

 まだ本調子でない。いったい、回復にどれだけかかるのか。体力が落ちたものである。マイクロフィッシュに、なんとか使用図版のリストだけメール。書き出しの部分のみ、原稿をやる。なんとかいけそう。休み休みやるうちに、もう7時になってしまう。夕食の準備。メギスの干物焼き、牛タンとフキの煮物。ハモの皮と菜の花のわっぱ飯。8時、テレビ『運命のダダダダーン』見ながら。今日はチカチーロがテーマなので、K子がこれを見ながら食事をする、と主張したのである。

 番組には、山咲トオルが出ていた。彼は今週号の『ぴあ』の表紙にもなっている。売れてるなあ。昔、まだ一介のホラーマンガ家だった頃、“こないだテレビ局から、きよ彦の代わりにバラエティでないか、とか言われちゃった。バカにしてる!”などと言っていたのがウソみたいである。やはり、出るヤツは多少回り道しても出るものだな、という感じを強くする。まあ、彼の活躍は喜ばしいのだが、しかし、こういう番組の、必ずスタジオクイズを入れてバラエティ的に構成する、という作りは徹底して体質に合わず。チカチーロ逮捕の瞬間と、裁判所でのビデオが放映されただけで、まあいいとするか。

 そのあと、DVDで『新平家物語』総集編を見る。当然だが出てくる顔がみな、若い若い。藤原頼長役の成田三樹夫がやはり素晴らしく、清盛の父・忠盛の中村勘三郎はあきれるほど大根な演技。わざとやっていたのかねえ。崇徳上皇役でまだ幼顔の田村正和が出ていた。顔の線が丸い。山咲トオルに少し面影が似ている。見ている最中に、永瀬唯氏から電話。パソコンクラッシュの件。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa