裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

28日

金曜日

太郎の屋根にナチ・ファシズム

 タイトルに意味はない。5時半起き。ラジオ『小西克也のなんだ!なんだ!』に出演のため。昨日書き上げた原稿一本、メールで送ってから風呂に入り、朝メシ。ヒラタケコンソメ煮、バナナ一本。K子が起きたとき用に彼女の朝飯も用意して、7時に階下に降りると、黒塗りのハイヤーが待っていた。ラジオ番組ってこんなに金を使えるのか?

 文化放送スタジオ。構成作家さんとちょっと無駄話。パーソナリティの小西氏とも挨拶。小西氏はオタク・アミーゴスの本以来、私に興味持っていたとか。B級概念での文化大系構築の話など。『恐怖の人間カラオケ』のレコードかけ、それから話に入る。十分の持ち時間だが、振られるネタ振られるネタ全部にしゃべりまくってたら、あっという間に終了。アシスタントのアナウンサー嬢に呆れた顔されながら退出し、帰りのタクシーで家へ。車中、番組の続きを聞くが、小西氏が熱っぽくB級モノの面白さを語っているのを、アナウンサーさん、ちょっと理解しかねる様子だったのが笑える。

 家に帰ったらK子、いま朝飯食べるところだった。こっちもまた腹が減ったので、バターロールで簡便サンドイッチ作って齧る。日記つけ、ネットで資料検索。母から電話。何かと思ったらなをきへのインタビューが朝日新聞に載っていた、とのこと。そりゃ、インタビューくらいされるだろう。やはりまだ母親には、われわれが売れずに苦労しているモノカキにしか思えないのだろうな。記事をネットで検索。ひねくれたことを言ってる(笑)。私は弟が天才であることにずっとコンプレックスを持っているが、向こうも同じコンプレックスを抱いている。一番近くにいたものを仮想敵として人は育つからな。

 バイオリズムが狂い、タラタラしているうちにもう昼になって、レトルトカレー食べる。今日はS&Bの『行列のできるビストロのカレー』というやつ。ちょっとコク不足。

 腹ごなしに街へ出て、ついでにと六本木まで足を伸ばす。書店数軒回り、明治屋でパンなど買う。途中でさすがに極端に眠くなり、タクシーで帰るが、車中で眠ってしまう。

 寝床に横になって読書。30分ほど熟睡。K子が出すダイヤモンド社『入院生活雑学ノート』のゲラが届くので、ちょっと読む。入院本としては破天荒だが、オモシロイことにかけては最高。あとがきがユニークというか、いいのかこんなこと書いて、というか。彼女ならでは書けない内容である。

 6時半、家を出て中央線西荻窪駅。ひえだオンまゆらさん幹事に、カニオフ。西荻のカニ料理屋が閉店するので、セールで3割引。カニを主食にしている開田あやさんはじめ、官能倶楽部メンバー、それに近所に住んでる立川“風とマンダラ”志加吾を誘って。店まで行く最中にひえださんの行き着けの古書店があり、ここでひえださんに鑑定を依頼される。60年代に出たセックス本で、次のトンデモ本のネタにするそうだが、定価は非常に適価。と、いうか、現在、60年代性カルチャーものにムーブメントが起こっている現状をちゃんと把握して値段つけている。あなどりがたい書店であった。もちろん、神田などの店に比べれば中央線値段でお買い得。GETを進めておく。私も、それより一時代前のエロエッセイ集が4冊揃いであったので買う。

 談之助師匠、今日は仕事から直行とのことで、高座着のままで現れる。柄がなんとポケモン。店に入ってきたとき、子供たちが喚声を上げたそうだ。

 カニたらふく食って、そこからタクシーで新宿まで出て、カラオケ。X2000のところで、アニソン特ソン充実していること。『赤い夕陽のバラバラマン』『スカイキッドブラック魔王』などを歌う。あやさんが『大魔王シャザーン』、ひえださんが『ドラえもん』(富田耕生バージョン)。で、談之助が『スーパースリー』、志加吾が『グロイザーX』『その名もタクマ宇宙パイロット』。落語家の歌う歌とはおもえない(笑)。1時過ぎまでガナって、解散。月末の金曜なのでいつもよりタクシー拾うのに苦心するが、大したこともなくつかまる。いつもは相乗りで、西新宿で談之助師匠を降ろし、われわれが渋谷まで、睦月影郎さんが藤沢まで行くのだが、乗ったタクシーが完全禁煙車。途中で睦月さん下車して、われわれが最終目的地となる。肩凝りのほぐれる一夜でありました。

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